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2011年06月14日
休耕田で環境学習
使われなくなった田んぼに水を入れ、多様な生物がすむ景観を取り戻そうと、新潟市西区藤蔵新田地区で湿地再生の動きが始まった。
同市農林水産部が進める美しい農村づくりの一環。
地域住民も協力し、「休耕田を子供たちへの環境教育の場として役立てたい」と夢はふくらんでいる。
湿地再生が行われた休耕田は住民が提供した3㌃と8.3㌃の2カ所。
そのうち1カ所は20年ほど前まで田んぼとして使われ、その後は約3年前までアイガモを飼育、現在は耕作放棄されたままだった。
再生作業は住民らも参加した。
4月に休耕田を掘り返して準備した上、6月上旬、排水路と休耕田の間を水生生物が行き来できるように魚道を設置し、川から暗渠(あんきょ)を通して稲作用の水を流した。
稲作用水の供給が止まる秋から冬は底土が砂地のため水は干上がってしまう。
そこで、水生生物の避難場所として長さ1㍍、幅70㌢、深さ30㌢の水槽を2カ所埋め込んだ。
作業終了後、再生された湿地に暗渠から水が流れると、早速多くの稚魚が流れに乗ってやってきた。
生物調査用に排水路で捕獲されたドジョウとフナも入れられた。
今後は土中に眠る水草の種子が発芽したり、さらに多くの魚や水生昆虫が湿地に入り込むことが期待されている。
「どうなるか楽しみ。秋以降も植物は大丈夫だと思うが、魚などは水槽だけが頼り」と話していたのは、湿地の再生作業に参加した地元の農業、原田敏正さん(59)。
同市が今夏、この湿地で計画している子供たち向けの自然観察会でも住民らがガイドを務める予定だ。
同市農村整備課の樋口将至副主査は「休耕田は耕作地に戻るのが一番だが、放棄したまま除草剤をまいておくだけでなく、多様な生物がすめる湿地に再生して活用できることを示したい」と話し、今後は湿地に手を加えず、見守り続ける方針だ。
産経新聞より
投稿者 trim : 2011年06月14日 18:25