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2011年05月29日

仮設住宅の環境改善サイト

住みこなせるコツ伝えたい――岩佐明彦さん(41)
東日本大震災で仮設住宅の建設が進められている中、研究室の学生と協力し、仮設の住環境を改善する方法をまとめたウェブサイト「仮設のトリセツ」を開設した。

柱が鉄製であることや壁が薄いことから、夏は暑く冬は寒い上、音も響きやすいという難点をもつ仮設。「住みこなせるコツを伝えられないか考えた」とその意義を語る。

サイトでは、すだれや植物で室温の上昇を防いだり、段ボールを壁に張り付けて音が響くのを防止する工夫などを紹介。
波板やビニールハウスの骨組みで風除室や物置を作ったり、屋外の空き地を利用して休憩所や家庭菜園を設ける方法も盛り込んだ。

「もし自分が住むことになったらどんな情報がほしいか」を念頭に置いた。

こうした知恵は、2004年の中越地震で実際に仮設へ入居した被災者から聞いたもの。

研究と支援を兼ね、2005年から2年間、研究室の学生らとともに、仮設住宅を回って「オープンカフェ」を実施。

仮設の駐車場にテントを張り、入居者から仮設の改善で工夫した話を聞いたり、他の仮設の改善事例を伝えたりした際にまとめた資料を活用した。

ウェブサイトにしたのは、新潟から距離のある東北の被災地でも被災者が情報を得られるようにとの狙いからで、現在のアクセス数は35,000件に上っている。

サイトからカード状に印刷できるような仕組みにし、他地域にいる家族やボランティアが被災地入りする際に持っていきやすいように工夫した。
一連の作業は、学生が中心となって進めてくれたという。

1995年の阪神大震災で被災した兵庫県明石市出身。
住んでいたのは幼少期だけだが、発生時には建築を専攻する大学院生として住宅の損壊度を調査するボランティアに駆けつけており、今日の活動の礎にもなっている。
「落ち着いた段階で被災地入りし、サイトの情報がどう生かされたか検証したい」と話す。
【畠山哲郎】

毎日新聞より

投稿者 trim : 2011年05月29日 12:08