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2011年04月23日

道路・鉄道に堤防機能

宮城県は東日本大震災の復興まちづくりで、沿岸部の道路や鉄道を全て盛り土構造とし、堤防機能を持たせる方針を固めた。

津波の再来を前提とした対策で住宅地は内陸側に移転する。

堤防に囲まれた集落「輪中」に似た市街地を形成し、津波の防御効果を高める。


道路や鉄道を盛り土構造にするイメージは図(1)の通り。
海側から防潮堤、国道・県道クラスの道路、高速道路、鉄道と幾重にも「堤防」を設け、市街地の手前で津波を食い止める。

県は今回の津波で、盛り土構造だった仙台東部道路、常磐自動車道が堤防機能を発揮し、道路より内陸側の浸水が軽微だったことに注目。
平野が広がる県南部を中心に輪中の形成が減災に効果があると判断した。

まちづくりでは津波で浸水した区域は原則、住宅地としない方針も固めた。
住宅地や病院、役所などの市街地機能は丘陵地などに移転。
被災した鉄道はルートを見直し、新市街地への新駅設置も視野に入れる。

住宅地を移転するイメージは図(2)の通り。
水産地域は漁港近くに加工場を設けざるを得ないが、職場と住まいを可能な限り分ける「職住分離」を進める。
被災鉄道のルート見直しは22日からJR東日本と協議に入った。

農地は浸水や地盤沈下で復旧が困難で、国による土地の買い上げを提案し、緑地公園などの緩衝地帯にする。
農業は稲作から施設園芸への転換のほか、畜産の生産拡大を図る。


水産業は県内に大小約140カ所ある漁港を3分の1から5分の1に集約して再編し、新しい経営方式を導入する。

「エコタウン」の形成も意識。
家庭用蓄電池や燃料電池の普及を図り、環境配慮型のまちづくりを推進する。
太陽光発電やバイオマスエネルギーを活用し、災害時の非常電源を確保する。

村井嘉浩知事は23日、政府の復興構想会議に出席し、方針を説明する。


河北新報より

投稿者 trim : 2011年04月23日 17:53