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2011年02月09日

社会貢献活動支援士

防災活動や災害時の対応に貢献できる人を認定する新資格「社会貢献活動支援士」が4月に誕生する。

工学院大(東京都新宿区)、東北福祉大(仙台市)、神戸学院大(神戸市)の3大学が防災教育で連携する中で考案された資格で、災害発生時にリーダーとなり得る人材を認定し支援することで、住民同士が助け合う「共助」の力を高めるのが狙いという。

資格の認定機関として、3大学が中心となって4月に社会貢献学会を設立する予定だが、社会貢献活動支援士とはどのような資格になるのか。


3大学は2009年度から、防災やボランティアなどをテーマとした研究や教育で連携してきた。

共同で防災・減災などについて学ぶカリキュラムを開発したり、災害現場でのボランティア活動や地域の防災訓練を支援する実習などを実施し、社会貢献できる人材の育成を進めてきた。

例えば、工学院大の場合、大学のある新宿区の防災力向上のために町の特性に合った防災マップを作ったり、地域の防災訓練に参加するなどの実習を行った。

他大学の学生と防災について議論する場も設けた。
同大の久田嘉章教授(地震防災)は「工学系の学生の場合、学んでいることがどのような時に役に立つのかということが明確になる。違う分野の学生との議論も刺激になる」と話す。

こうした教育を通じて防災意識を高めた学生たちが、社会人となった後も継続して社会貢献活動に取り組む方法として新資格を活用するという。


資格取得の要件は、防災やボランティア、福祉、環境などの分野で3年以上活動の経験があることが基本となる。
5年以上の経験がある人は所定の講習を受ければ認定。
5年未満の場合は、認定試験に合格すれば認定する。
3大学で専門カリキュラムを履修した学生は、3年以上5年未満の場合と同じに扱う。

社会貢献学会は、防災活動などで実績がある社会人数十人に発起人になってもらって設立。
発起人を第1号の社会貢献活動支援士として認定する。
第1回の認定試験は来年3月の実施を予定している。

資格の有効期限は3年間で、ポイント更新制をとる。
学会が認定する活動(講習会、ワークショップなど)に参加すると所定のポイントを得られ、一定のポイントがたまると3年後に資格を更新できるというシステムで、資格取得後も防災知識の向上などに取り組み続けてもらうことを目指すという。

3大学の連携から生まれた資格だが、学生だけでなく社会人も参加できる仕組みとした理由について、久田教授は「自主防災組織や企業などで防災活動に熱心に取り組む人は多い。資格認定で彼らを応援し、学会を情報交換やネットワーク構築の場とすることで、災害に強い社会づくりを進めていきたい」と話している。
【飯田和樹】

毎日新聞より

投稿者 trim : 2011年02月09日 16:14