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2011年01月16日
緑の海浜再び
湘南海岸の海浜植物の観察・保全に取り組むNPO法人「ゆい」は、種から育てたハマボウフウの苗を海岸に移植するプロジェクトを立ち上げた。
「湘南海岸 砂草の100人里親プロジェクト」と名付け、2月末まで参加者を募集している。
「ゆい」理事長の荒井三七雄さん(63)によると、ハマボウフウの根はかつて日本や中国で漢方薬とされてきた。
平安時代中期に編さんされた「延喜式」には、相模国が大和朝廷に貢ぎ物として納めていた記録もあるという。
湘南海岸ではごくありふれた植物だったが、観光開発や海岸線浸食などによる環境変化で激減してしまった。
1969年、在日米海軍の旧辻堂演習場(藤沢、茅ケ崎両市にまたがる)が接収解除された際、業者が根こそぎ持ち去ったという“伝説”も残っている。
「ゆい」は2004年の設立以来、ハマボウフウやハマヒルガオの実生苗づくり、発芽率の向上、効率的な飛砂防止柵の研究などを進めてきた。
東京農業大学と共同研究したハマボウフウの増殖では、国内トップレベルの90%という高い発芽率を達成している。
この実績を踏まえて、里親プロジェクトを昨年立ち上げた。
両市を中心に100人の里親を募り、4月に1人10株ずつ実生苗を配布。
専門知識を持つサポーターの指導を受けながら、日当たりのいい庭やベランダで育ててもらい、9月ごろ砂浜に移植する。
「50年ほど前がそうだったように、緑豊かな湘南海岸を取り戻す第一歩にしたい」と荒井さん。
続いてハマヒルガオ、ハマエンドウ、ハマゴウなどの里親プロジェクトも視野に入れている。
神奈川新聞より
投稿者 trim : 2011年01月16日 18:12