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2010年12月28日

花開く環境ビジネス

異業種から環境ビジネスに新規参入し、成果を挙げる中小企業が出ている。

当初は苦戦したが粘り強く事業を続け、最近になってようやく花が開き始めた。

企業の設備投資が本格回復しない中で、幅広い用途を売りに納入先を増やす。


産業機械などに組み込む油圧機器製造が本業の盛和工業(横浜市都筑区)は光触媒を使った空気清浄機を扱う。
2002年に製造販売を始め、今年11月に累計販売台数が3,000を超えた。

光触媒は酸化チタンに光を当てると殺菌、脱臭などの効果を発揮する日本発の技術。
橋本和仁東京大学教授らと共同研究を進め、開発にこぎ着けた。
酸化チタンをセラミック素材のフィルターに塗り込む独自技術という。

本業の市場が縮小する中で活路を求めた。
3~4年は製品が売れず、社員の給料すら満足に払えなかったという。
栗屋野香会長は「既存事業だけでは生き残れないとの危機感があった。何としても新事業を立ち上げたいと辛抱強く続けた」と明かす。

認知度も徐々に広がり、病院や公共施設などから受注が相次ぐほどに。
2010年度は売上高、経常利益とも過去最高を記録した。

土木工事業の恭誉建設(相模原市中央区)は、土壌改良材メーカーに転進しようとしている。
2007年に開発した製品「土壌元気君」は、六価クロムなど重金属で汚染された土壌に混ぜ無害化する。

本業が安定せず土壌浄化の環境ビジネスに着目。
約5年かけ開発した。
すでに20社以上に納入。

山下操社長は「いずれは環境事業を主力に据えたい」と期待する。
大量生産できないのがネックだが「徐々に広めるしかない」。
それでも建設業界を中心に納入を増やし、2010年度は昨年度比2倍の売り上げを見込む。

同社を支援する地域企業の支援機関、さがみはら産業創造センターの担当者は「環境ビジネスは市場が確立されていないだけに、事業を継続していくことが重要」と強調している。


神奈川新聞より

投稿者 trim : 2010年12月28日 19:16