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2010年10月19日

SATOYAMA(里山)

自然の恩恵を受け、人と自然が共生する里山。

日本政府は「生物多様性」を守る手法として19日午後、自然と人が共生できる里山の考え方を世界にアピールする「SATOYAMAイニシアティブ」の国際パートナーシップを立ち上げる。

そのモデル的な里山として、日本政府が“認定”した兵庫県川西市の黒川地区を歩いた。


大阪北部から兵庫県にまたがる能勢妙見山(約660㍍)。

小さな山小屋に、里山再生に取り組む「川西里山クラブ」のメンバー約25人が集まった。
平均年齢65歳だが、作業着姿でチェーンソーを手に、間伐や草刈りなどを黙々とこなす。

日本の原風景といっていい里山だが、高齢化や過疎化の波には抗(あらが)えず、林業が衰退し荒れていった。
高級炭の産地だった黒川地区も人の手がほとんど入らなくなり、活動を始めた5年前は荒れ放題だったという。

案内してくれた事務局長の小寺慶彦さん(76)は「間伐して草を刈れば木漏れ日が差し込む。この光が未来の林を育てます」と話す。
最近はシカの被害も深刻になり、若木などが食べられないようネットを張るのも大切な作業の一つだ。

遊歩道の途中に、県の絶滅危惧(きぐ)種であるエドヒガンの大木があった。
根の周りを草に覆われ枯れかけていたところを、草を取り払って2年前に種を採取。
200本の苗木を育て、来年には山に植える予定だ。

環境省は「回復可能な範囲で自然を利用し、国や自治体、市民らが協力、地域の社会、経済の活性化に貢献する」を理想的な里山として定義、黒川地区は全条件を満たし、専門家が選ぶ「里山」に含まれた。

守るばかりではなく、切った木でシイタケを育てるなどメンバーは楽しむことも忘れない。
小寺さんは「支えたり、支えられたり。それが里山の魅力」と話している。
【杉村奈々子】

産経新聞より

投稿者 trim : 2010年10月19日 19:36