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2010年10月09日

「草屋根」の魅力

屋根を芝生や草花などで覆う「草屋根」。

美しい外観はもとより、夏でもエアコンなしで過ごせる快適さも魅力で、自宅にとりいれる人が増えている。

草屋根をもっと広げていこうと、今月には「草屋根の会」もスタート。
注目がますます高まりそうだ。

先月20日、神戸市灘区の住宅街の一画で、新築住宅の見学会が開かれた。
自然素材を使った木造2階建ての住宅は、屋根の上に一面、芝生を敷き詰めた「草屋根」。

訪れた人は、屋根を見上げて、「わあ」と歓声を上げたり、はしごをのぼって草屋根を間近で見て、「ふさふさやねえ」「めっちゃ、いい」と目を輝か せたり、トンボが屋根の上に飛んでくる姿に驚いたり…。
すっかりその魅力にとりつかれていた。

草屋根住宅を設計したのは、1級建築士事務所「YURI DESIGN」(神戸市東灘区)。
代表の前田由利さんは、これまで30軒以上の草屋根建築を手がけてきた。
きっかけは、12年前、前田さんが自宅を新築したときのこと。
子供部屋がちょうど屋根裏の部分にあたり、相当暑くなりそうだったので、「草屋根」にして熱を逃がそうと考えた。


実際、住んでみると、想像以上に涼しいことに驚いた。
「屋根が熱を持たないと、こんなに快適なのかと思います」と前田さん。
「草屋根」は、口コミなどで広がり、住宅、喫茶店や保育園などにもとりいれられた。

特にこの2、3年、草屋根住宅の注文が続いている。
住宅が完成した際に開く見学会にも、参加者が大勢訪れるようになった。

草屋根熱の高まりに、前田さんたちは、「草屋根の会」の立ちあげを決意。
草屋根の家に住んでいる人、研究者や学生、設計や施行、緑化の関係者など、草屋 根に思いを寄せる人々が集い、年に三回程度、草屋根に関する情報交換や勉強を行う。
第1回「草屋根の研究会」は16日に、西宮市内で開催。
研究者による講演や、尼崎市内で実際に草屋根の家に住む家族による“草屋根レポート”も予定している。


「環境にやさしい草屋根は、これからもっと浸透して、家を建てるときの選択肢のひとつになっていくかもしれませんね」と前田さんは話している。
【岸本佳子】

産経新聞より

投稿者 trim : 2010年10月09日 16:21