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2010年10月31日

コウノトリ未来・国際かいぎ

第4回コウノトリ未来・国際かいぎ(豊岡市、県主催)が30日、同市立野町の市民会館で始まり、国連の「生態系と生物多様性の経済学」研究チームのリーダーで環境経済学者のパバン・スクデフさんが基調講演した。

スクデフさんは、これまでの経済の指標は自然の恵みを考慮せずに人の豊かさを推し量ってきたと批判し、「豊岡のコウノトリ育(はぐく)む農法のような環境を良くすることで人間も利益を得る試みは、少なくとも世界で120例始まっている」と、その重要性を960人の参加者に訴えた。

中貝宗治・豊岡市長市長は自然との共生を目指した取り組み、福井県越前市の奈良俊幸市長は昨年から始めた「コウノトリを呼び戻す農法」などを報告した。


開会式は秋篠宮ご夫妻が出席。
秋篠宮殿下は「試験放鳥から5年たち、40羽以上のコウノトリが自然界で暮らしている。
人とコウノトリが共に生きる豊かな環境が各地に広がっていくことを期待したい」と述べられた。

31日はタイ・マヒドン大のピライ・プーンスワッド教授と河野洋平・前衆院議長の講演、総合討論などがある。
【皆木成実】


毎日新聞より

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2010年10月30日

エコで低価格の一石二鳥

日本法人が国内で5店舗を展開しているスウェーデン発祥の家具大手のイケア。

同社が目指しているのは「持続可能な環境への取り組み」と、原材料から製品の開発、輸送、消費者への販売に至るまであらゆる面で二酸化炭素(CO2)削減などに取り組むことだ。

そうした取り組みや無駄の削減が、同社の低価格製品にも役立っている。


環境配慮の代表例が「ローディング・レッジ」と呼ばれるイケアが特許を持つ荷台だ。

従来の木製パレット台とは異なり、荷物のサイズに合わせて広げたり縮めたりできる。
ポリプロピレン製プラスチックでできているので、荷台が傷んでもリサイクルして作り直すことも可能だ。
コンテナやフォークリフトに合わせて形を自在に変えられるほか、軽量のため木製パレットに比べコンテナには2㌧も多く荷物を積めるのも長所だ。


また、ローディング・レッジに載せられる荷物は「フラットパック」と呼ばれる段ボールに入れられる。

ローディング・レッジとの組み合わせで、輸送時に商品の積載量を最適化できる。
イケアのアジア地区社会・環境部門のリン・ウァンマネジャーによると、「無駄な空気を運ばない」ことがCO2削減の大きな要因となるため、この商品積載量の最適化が大いに役立っているという。

ウァンマネジャーは、「イケアは常に最小限の資源でできる商品をデザイン、開発している」という。
そのために、製品を供給するまでのパートナーにもCO2削減などを求めており、「製品サイクルの最初から最後までをみている」という。
原料段階では、主要原料の一つである綿花のプランテーション(大規模農園)で使用される水の量を減らすなど天然資源の消費削減にも取り組んでいる。


原材料を少なくし、本来なら捨てられる部分も原材料として活用することは、環境への貢献だけでなく、商品の低価格化にも役立っている。

例えば、同社のラックサイドテーブルは、丈夫で硬い木質フレームの中に、正六角形や正六角柱をくまなく並べたハチの巣のような「ハニカム構造」で再生紙を詰めている。
使用する原材料が少なくなるほか、商品全体が軽量になることで、輸送の際のCO2削減にもつながっている。

同社が店舗展開する国の主力輸送手段は陸上輸送で、その任を担うのは主にトラックとなるが、「イケアはこれも業者任せにするのではなく、排ガスを少なくするよう年代の新しいトラックを使うという厳格な規定がある」という。


これらの取り組みで、イケアグループが排出するCO2の量は、2009年には約122万㌧と前年の128万㌧から減少した。

2006年から2008年にかけては増加しているものの、これは店舗や物流センター、オフィスなどが世界的に広がっているためだ。
ただ、イケア関連の建物や商品輸送などで生じたCO2を、1立方㍍当たりの空間から出るものとして換算すると、その排出量は2006年の59㌔㌘から、2009年には53㌔㌘に削減されている。

このほかにも、店舗を風力発電などのクリーンエネルギーを使ったものに変えていくなど、挑戦は続く。

ウァンマネジャーは、「進化を続けながら取り組みを持続させることが大事だ」と指摘。
この「終わりなき取り組み」をイケア自身だけでなく、「原料供給や輸送を行うパートナーなどと意識を共有して続けていくことが最良の解決策だ」としている。
【兼松康】

産経新聞より

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2010年10月29日

「新潟国際ビジネスメッセ」

新潟県内の中小企業などを紹介して販路開拓やビジネスチャンスに結びつける見本市「新潟国際ビジネスメッセ」が28日、新潟市中央区の市産業振興センターで始まった。

製造、環境、健康など各産業分野から130社・団体が出展。

独自技術や自慢の製品などを売り込んでいる。
29日まで。

見本市には、政府の成長戦略の環境分野で、コケから生まれた新緑化システムや、長期間カビの発生を防止する工法など「新潟発」の製品・技術などが紹介され、来場者の注目を集めていた。

産経新聞より

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2010年10月28日

お土産は「絵入りリンゴ」

27日にあった国連生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)の夕食会で、各国首脳へのお土産に、青森県弘前市のリンゴ袋製造販売会社「佐藤袋店」が作った「絵入りリンゴ」が選ばれた。

同社製の特殊なシールを市内産「むつ」に張って日光で色付きを調整し、英語かフランス語で「2010 国際生物多様性年」の文字と会議のロゴを表面に浮かび上がらせた。
計500個を用意した。


夏の猛暑で赤い色付けに苦労したという同社の佐藤義博社長は「リンゴは自然の恵みそのもの。首脳たちに地球環境についてさらに考えてもらえれば」。
大詰めを迎えた会議を合意に導くか。
【山本佳孝】


毎日新聞より

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2010年10月27日

カルビーが小売店運営


10月21日付日本経済新聞企業2面に、「カルビー、小売店運営3年で15店、限定品など販売ニーズ探り開発に活用」という3段19行の比較的小さな記事が掲載された。

しかし、これは単なる「アンテナショップ開店」というだけでない、大きな動きが感じられる。

記事によれば、カルビーは、アンテナ店としての役割を担うという店舗を、来年に都内で1号店を開業し、3年以内に繁華街や商業施設に約15店を出店、京都などの地方都市も計画しているという。


店舗規模としては、広さ平均50~70平方メートルであるというが、1店当たり売り上げは初年度は1億円を見込むということなので、かなりアグレッシブな計画であることが分かる。

店舗規模をイメージするなら、コンビニエンスストアの平均店舗面積は134.7平方メートルなので(商業統計より)、だいたいその半分くらいの規模であると考えればいい。

品揃えは、北海道だけで限定販売するスナック菓子「じゃがポックル」など約25種類の地域限定商品を中心に売る。
店舗ごとの限定品を開発するほか、全国のスーパーなどで売る新商品を発売前に並べる。店内調理したポテトやドリンクも提供する。

「現地でしか買えない」「本来、まだ買えない」という商品を買い求めようとする購入客は、情報感度が高く、商品カテゴリに関心度が高い層であることは間違いない。
そうした顧客の購買行動、商品の売れ行き、意見の収集をすることがまさにアンテナショップとしての役割である。


もう1つポイントになるのは「店内調理したポテト」という点で、その材料は、カルビーの子会社でジャガイモの安定供給を図るために1980年に分離独立した、原料部門のカルビーポテトが担うと思われる。
同社は菓子原料だけでなく1996年から小売向け青果用ジャガイモの販売も開始しており、袋詰めのパッケージに「カルビー」と書かれたジャガイモをスーパーで目にされることもあるはずだ。

店内調理メニューまで販売することで、菓子に加工される前のイモの味わいなどに関する顧客の声を収集し、広範に製品開発のヒントを収集しようという意図も見える。

ただ、カルビーが狙っているのは、「情報収集機能」だけではない。
「情報発信機能」も重要視しているのは間違いない。

アンテナショップに集まる、情報感度が高く、商品カテゴリに関心度が高い層は「口コミの中核」ともなる。
mixiやFacebook、Twitter、もしくはブログによる口コミ情報発信が期待できる。
店内調理されるジャガイモメニューを通じて、カルビーの「原材料へのこだわり」も訴求されるだろうが、それが話題になれば、ブランドへの好感度が増すだろう。

地域限定商品が話題になれば、当該地域の販売に寄与するだけでなく、お土産需要も喚起されることになる。
また、発売前商品が話題になれば、発売前の期待醸成というCM以上の告知効果も期待できる。
そもそも、昨今はCMの注目度も低下していることから、口コミの期待が高まるのは当然だ。
また、数多く発売される新商品を1つ1つCMに注力していくより、事前に口コミで話題になった商品に後追いでCM投下量を増やした方が効率的だ。


もう1つ狙いがあるはずだ。
それは、販売チャネル対策である。
コンビニやスーパーなど、大手流通グループの店舗ではPB(プライベートブランド)商品が棚の占有率を高めている。
自社商品がPB商品に棚を奪われる脅威にさらされている。
棚を確保するためには、まずは消費者に購入してもらい、売れ筋から外れないことと、それ以前に、CMの投下によって「盛り上がり感」を出して、チャネルの仕入れ担当者にアピールすることだ。

スナック菓子では、競合の湖池屋が阿部サダヲが演じる異色のCM「コイケ先生」シリーズで「湖池屋のポテトチップス」を訴求している。
それを追って、カルビーも女優・蒼井優、プロレス選手・タイガーマスク、お笑いコンビ・ジャルジャルらをキャラクターとして、ポテトチップスを食べる瞬間の表情をハイスピードカメラ(高速度カメラ)でとらえた「ハイスピード・パリ!」シリーズを放映している。
いずれも新商品ではなく、ポテトチップスという基本商品でブランドアピールをしているのは、チャネルへのアピールという側面が高いといえるだろう。


CMでチャネルへのアピールはできても、前述の通り昨今、消費者のCMへの関心度低下は否めない。
そこで、ネットでの口コミ拡大による消費者の指名買いに期待が高まる。

15という店舗数は、単なるアンテナショップとしてはかなり大規模であるといえるだろう。
ともすれば、数を多くすることは通常の販売チャネルでの購入とカニバリ(共食い)を引き起こし、チャネルからの反発を起こしかねない。
しかし、口コミの規模拡大を狙うのであれば、消費者の接触ポイントを拡大する必要がある。
そのギリギリのラインが15店舗という判断なのではないだろうか。
また、「京都」という都市は、修学旅行の若者を中心として主要ターゲット層と効率的に接触できる選択であると言えるだろう。


15店舗という規模のアンテナショップで、年間1億円の売り上げで運営しようという意図は、カルビーが「ニーズ発掘機能」と「口コミ発信機能」という情報の受発信拠点を、CMなどのマーケティング・コミュニケーション予算に全額アドオンして運営するのではなく、自主独立して機能する「仕組み」として位置付けようという意図も感じられる。

日経新聞の小さな記事から推測すると、カルビーは急速に変化する消費者のニーズ、販売チャネルの環境、コミュニケーションの効果・効率といった大きな問題に今回の施策でチャレンジしようとしていると思われる。開業日を迎えてこの目で見られる日が待ち遠しい。
【金森努】


Business Media 誠より

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2010年10月26日

「えのすいECOポイント10」


生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)にちなみ、藤沢市片瀬海岸の新江ノ島水族館は、「えのすいECOポイント10」を31日まで開催している。

独自の環境活動を基に、相模湾の多様な生物や環境の豊かさなど、生物多様性について楽しく学べる。

月替わりのテーマ水槽では、「生物多様性ってなんだろう」を取り上げた。

海の生き物たちもそれぞれの環境の中で生き延び、命をつないでいくためにさまざまな工夫をし、驚くような能力を身に付けていることを紹介している。

マダコは、周囲の様子に合わせて体色や皮膚の表面を変化させ忍者のように雲隠れする。
オニオコゼは強い毒を持ち、地味な体色で砂や石に成り済まして、そばを通り掛かる小魚などを襲う。

このほか、生物多様性の現況を紹介するパネル展、生物多様性が学べるクイズラリー、生物の骨格配置が観察できる「新世界・透明標本展」なども開催中。

「えのすいECO」には、生物に関する生態学(エコロジー)と環境を考える活動(エコアクション)の二つの意味を持たせた。
同館は2004年の開館以来、今伝えられること、皆で一緒に楽しくできることを考えて継続実施している。


神奈川新聞より

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2010年10月25日

ミドリムシで吸収


環境ベンチャーのユーグレナ(東京・文京、出雲充社長)は住友共同電力(愛媛県新居浜市、村上信二社長)と共同で、火力発電所の排ガス中の二酸化炭素(CO2)を、効率的に吸収するミドリムシの培養実験に着手すると発表した。

来年3月末までに実証を行い培養速度などを検証。

このミドリムシを活用した飼料やバイオ燃料製造などにつなげる。


住友共同電力の壬生川火力発電所(愛媛県西条市)で実証を行う。

発電所内に小規模培養槽を設置。
この培養槽に排出ガスを通し、ミドリムシのCO2固定化能力と商業利用可能性について検証を行う。


ミドリムシは高い光合成能力を持ち、CO2濃度が15~20%程度と、空気中よりCO2濃度の高い排ガス中で培養する方が成長スピードが上がるという。


ユーグレナは2005年設立の東京大学発ベンチャー。

2009年1月に火力発電所の排ガス中でのミドリムシ培養に成功し、JXグループなどと連携してバイオ燃料としてのミドリムシのと大量培養計画も進めている。


日経産業新聞より

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2010年10月24日

「江の島シーキャンドル」

藤沢市の江の島にある展望灯台の愛称が「江の島シーキャンドル」に決まった。

今後はすべての表記に愛称を使用するという。

管理・運営する江ノ電が、全線開通100周年と藤沢市制70周年を記念して募集した。

全国から1,000通を超す応募の中から、独特の形状を表し、「環境に優しいコンセプトにぴったり」として決定した。


灯台は2003年に完成し、海抜約100㍍。

昨年1月、アジアで初の高出力LED投光器を導入以来、1,670万通りの色を瞬時に変えられる上、6割のエネルギーがカットできるという。

既にある太陽光パネルで灯台に使われる電力は、ほぼ賄え、余剰電力が生まれる「究極のエコ灯台」と江ノ電はPRしている。
【永尾洋史】


毎日新聞より

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2010年10月23日

川崎支える企業技術や取り組み紹介

工業都市・川崎を支えている企業の独自技術や取り組みを紹介し、地域の未来を探る生涯学習講座が22日、川崎市中原区今井南町の市生涯学習プラザで始まった。

NPO法人かわさき市民アカデミーの主催。

講座は「地域社会に貢献している川崎の会社と人々」と題し、来年1月までの全10回。

市内に拠点を置く大企業や中小企業の関係者らが講師を務め、自社の独自技術などを紹介する。


キヤノンの開発担当者がデジタルカメラの仕組みについて紹介するほか、聖マリアンナ医科大学難病治療研究センター発のベンチャー企業「ナノエッグ」による化粧品開発のエピソードなどが披露される。

東京電力と市が共同計画している川崎臨海部の太陽光発電所の建設現場や、味の素ライフサイエンス研究所(川崎区)での現地見学も行われる。

初回の22日は、市の伊藤和良産業政策部長が「工都100年を支えた基礎技術と先端技術の将来展望」と題して講演。
かつて公害の街といわれた川崎が産業観光や環境技術の分野で国内外から注目を集めるようになった経緯などを紹介した。

同講座は定員72人で、若干の空きがあるという。
受講料は5,000円。
問い合わせ・申し込みは、同アカデミー電話044(733)5590。


神奈川新聞より

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2010年10月22日

大敵「クラゲ」の退治システム開発

夏場を中心に大量発生して、発電プラントの冷却用海水を取り込む際の障害となる厄介者のミズクラゲを効率的に除去処理する「クラゲ洋上処理システム」を、東北電力が東新潟火力発電所(新潟県聖籠町)で開発・実用化し、国内はもとより海外からも注目されている。

このシステムは、ミズクラゲを狭いスペースに大量に集めると、やがて元気をなくして動かなくなり、自己溶解酵素のコラゲナーゼを分泌して5日ほどで自然消滅する特性を利用した。

同発電所で平成16年度から開発を進め、クラゲをポンプで吸い上げて網で囲んだ10㍍四方の洋上貯留槽に送り込む仕組みを完成。


今年度から本格的に実用化したところ、80~90%の捕獲率でクラゲを除去でき、取水口まで流れ着いて引き揚げ、産業廃棄物として処理しなければならないクラゲは従来の年約300㌧から40㌧に減って、約2,000万円のコスト削減につながった。
環境への悪影響もなかったという。

発電所ではクラゲの大量発生で冷却用海水の取入口がふさがり、発電効率が低下することがある。
このため、クラゲの除去処理が必要になるが、手間やコストがかかるうえに、引き揚げたクラゲが腐って悪臭を発するなどの問題があった。

東北電力は同システムを特許出願中だが、すでに同じ問題に悩む関西電力が美浜原子力発電所(福井県)に導入、全国の発電所などに広がる見通し。
さらに、韓国からも技術の引き合いがあるとか。

循環型社会の形成を推進する「リデュース・リユース・リサイクル推進協議会」は、こうした成果を評価、22年度の3R推進功労者等表彰で同システムを「経産大臣賞」に選定した。


産経新聞より

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2010年10月21日

函館どんぐり銀行

子供たちに集めてもらったドングリで緑化を目指す「函館どんぐり銀行」を、函館市女性センター(同市東川町)が20日開設した。

たまったドングリの量に応じて缶バッジなどと交換できる趣向。

同センターでは、子供たちの遊び心とともにドングリが芽吹き、広葉樹の森が広がることを期待している。


どんぐり銀行は1993年に香川県で始まり、全国に広がった。
道内でも斜里町などで行われている。
広場や雑木林で集めたミズナラなどのドングリをセンターに持ち込むと、200㍉㍑のカップ1杯ごとに「10ドングリ(d)」として通帳に記帳される。

10dでオリジナルキャラクターの「ちーちゃん」がプリントされた缶バッジ、40dでキーホルダーなどがもらえる。
来年以降はドングリから育てた苗と交換することも計画している。

集まったドングリは職員が苗に育て、植樹に取り組む環境保護団体などに寄贈する。
広葉樹林が増えれば、ドングリを餌とするクマが町に下りて来なくなるとの期待もある。

「子どもたちが緑をはぐくむ心を持ち、それが森づくりにつながれば」と原田恵理子館長。
問い合わせは同センター(0138・23・4188)。
【近藤卓資】


毎日新聞より

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2010年10月20日

廃ガラスからウサギぴょん

愛知県岡崎市高隆寺町のごみ処理施設・市中央クリーンセンター内の岡崎ガラス工房「葵」で、廃瓶からリサイクルした来年のえと、ウサギの置物づくりが進められている。

女性スタッフ4人が同センターに持ち込まれたウイスキーの廃瓶を約1,300度で溶かし、愛くるしい表情のウサギに仕上げている。

ウサギは体長10㌢(1,365円)と6センチ(1,155円)がある。

透明で腹部が炭酸水の気泡で白っぽく、目と口の赤が印象的だ。

約500個を製作する予定で、市美術博物館内のミュージアムショップで販売している。


工房は、家庭から排出される廃棄ガラスをコップやオブジェにリサイクルし、家庭に飾ってもらおうと、廃ガラスが集まるごみ処理施設に95年に設けられた。
【佐野裕】


毎日新聞より

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2010年10月19日

SATOYAMA(里山)

自然の恩恵を受け、人と自然が共生する里山。

日本政府は「生物多様性」を守る手法として19日午後、自然と人が共生できる里山の考え方を世界にアピールする「SATOYAMAイニシアティブ」の国際パートナーシップを立ち上げる。

そのモデル的な里山として、日本政府が“認定”した兵庫県川西市の黒川地区を歩いた。


大阪北部から兵庫県にまたがる能勢妙見山(約660㍍)。

小さな山小屋に、里山再生に取り組む「川西里山クラブ」のメンバー約25人が集まった。
平均年齢65歳だが、作業着姿でチェーンソーを手に、間伐や草刈りなどを黙々とこなす。

日本の原風景といっていい里山だが、高齢化や過疎化の波には抗(あらが)えず、林業が衰退し荒れていった。
高級炭の産地だった黒川地区も人の手がほとんど入らなくなり、活動を始めた5年前は荒れ放題だったという。

案内してくれた事務局長の小寺慶彦さん(76)は「間伐して草を刈れば木漏れ日が差し込む。この光が未来の林を育てます」と話す。
最近はシカの被害も深刻になり、若木などが食べられないようネットを張るのも大切な作業の一つだ。

遊歩道の途中に、県の絶滅危惧(きぐ)種であるエドヒガンの大木があった。
根の周りを草に覆われ枯れかけていたところを、草を取り払って2年前に種を採取。
200本の苗木を育て、来年には山に植える予定だ。

環境省は「回復可能な範囲で自然を利用し、国や自治体、市民らが協力、地域の社会、経済の活性化に貢献する」を理想的な里山として定義、黒川地区は全条件を満たし、専門家が選ぶ「里山」に含まれた。

守るばかりではなく、切った木でシイタケを育てるなどメンバーは楽しむことも忘れない。
小寺さんは「支えたり、支えられたり。それが里山の魅力」と話している。
【杉村奈々子】

産経新聞より

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2010年10月18日

すごろく使いエコ学習

11月に日吉合同庁舎(川崎市幸区)に風力発電機が設置されるのを前に、地球温暖化などについて学ぼうと、同区の市立日吉小学校で環境学習教室が開かれた。

参加した4年生約125人は、エコをテーマにしたすごろくを楽しみながら理解を深めた。

幸区役所は、区内で環境に配慮した活動を行っており、学習教室はその一環。
この日は、市公害研究所とNPO法人環境サプリメント研究会が作成したすごろくを使って授業を行った。

すごろくの升には
「お風呂の残り湯は洗濯などに再利用しよう」
「お湯は電気ポットで保温せずに必要な時に沸かそう」
といったメッセージが書かれており、こまを進めると、エコについて学べる仕組みになっている。


子供たちは、さいころを振る度にメッセージを読み上げ、温暖化防止策を探った。
参加した女児(10)は「これまで無駄遣いをしていたけれど、ちょっとしたことで温暖化を防げると分かったので、これからは気を付けたい」と笑顔で話していた。


神奈川新聞より

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2010年10月14日

ノーマイカー通勤デー

マイカーに乗らずに、排ガスや騒音を減らしていこうという「湘南地域ノーマイカー通勤デー」が11月1日から10日まで行われる。

2008年9月から年1~2回実施し、今秋が4回目。

これまで官民合わせて計4,867人が参加した。

二酸化炭素(CO2)の排出抑制量は、クスノキ(樹齢10年)が1日に吸収 する量に換算すると18,027本分に上っているという。

湘南地域県政総合センターと、平塚、藤沢、茅ケ崎、寒川、大磯などの5市3町でつくる湘南地域市町連絡協議会の「湘南地域地球温暖化対策検討部会」が主催。

少しでも渋滞を減らし、きれいな空を湘南に取り戻すきっかけにしたいという企画だ。


湘南地域では、自動車やバイクによる通勤をやめて、電車やバスなどの公共交通機関や自転車などに乗り換えることを促す。

2008年秋のスタート当初は自治体職員だけが対象だったが、3回目からは107の民間事業者(計796人)も参加しており、さらにすそ野を広げたい考えだ。

同部会は「1日だけの参加でも歓迎。湘南エリアから環境共生の理念や取り組みが広がっていけば」と話している。


神奈川新聞より

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2010年10月13日

エコテクノ開幕


環境技術を集めた西日本最大級の展示会「エコテクノ2010」が13日、国指定の環境モデル都市・北九州市の西日本総合展示場(小倉北区浅野)で始まった。

15日まで。
今年で15回目。
国内外から232社・団体(昨年246社・団体)が参加した。

主催する財団法人・西日本産業貿易コンベンション協会によると、展示内容はこれまで、公害対策やリサイクル技術が主流だったが、温暖化ガス排出量削減が国際的に注目されるなか、二酸化炭素の発生を抑える低炭素技術にシフトしつつあるという。

このうち、北九州市のブースでは同市八幡東区で本年度から始まった次世代エネルギーシステム構築を目指す「北九州スマートコミュニティ創造事業」を紹介。

同事業には日本IBMやNTT西日本など従来、環境技術とは縁が遠かったIT(情報技術)企業も参加している。

風力や太陽光など再生可能エネルギーを、ITを駆使してより効率よく使用するシステムを模索している。

また、経済発展とともに公害やエネルギー不足が社会問題化している中国を中心に、海外の環境企業16社も参加した。

誘致した日本貿易振興機構(JETRO)によると「中国や韓国でも環境産業が成長しつつあり、高い技術をもつ日本企業との連携を求めている」という。

同会場では九州、中国、韓国による「環黄海経済・技術交流会議」や中小企業テクノフェアも同時に開かれている。


産経新聞より

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2010年10月12日

「緑のカーテン」を提案

リブラン(本社・東京都板橋区)は今後、東京都心でのマンション供給に注力していく。

既に9月中旬から、江東区東陽1丁目で総戸数47戸の分譲マンション「エコヴィレッジ木場」をプレオープン。

また、来春には日本橋エリアや練馬区平和台でも供給する予定だ。

更に、杉並区での開発も計画。

鈴木雄二社長は、「都心立地でこそ、自然環境と共生するマンションを供給する意義が大きい。(これまでの主力地域である)東武東上線沿線も一定量確保しながら、エリアの拡大を図る」と話す。


同社は、ベランダにヘチマやゴーヤといったツル性植物で緑化するスペースを設け、夏場の日射しを遮蔽(しゃへい)する「緑のカーテン」を推進している会社。

通風性の高い間取りや自然素材の採用といった「パッシブ思想に基づく快適さの追求」を図り、「夏場でもエアコン不要のマンション」をテーマに展開中だ。

日本橋エリア(地下鉄半蔵門線水天宮前駅徒歩3分)の分譲予定は来春。

戸数は20戸程度と小ぶりだが、相対取引で取得した用地であり、適正価格での供給を目指す。
練馬区平和台の物件も同規模だ。

同社では、全体で年間250~300戸の安定的なマンション供給を維持していく。


住宅新報より

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2010年10月11日

地の小麦でパン作り


横須賀市内のパン店が、地元産の小麦を使ったパン作りに奮闘している。

農家や、食品資源リサイクル機器の販売などを手掛ける事業者と連携。

店舗の食品残渣(ざんさ)からなる堆肥(たいひ)を使って小麦栽培に挑む。

収穫量はまだ少なく一部商品に使用できる程度だが、小麦自給率の向上と循環型社会の実現に向け3者がスクラムを組む。

パン店は「カフェ・ド・クルー」(同市根岸町)。
運営するモリ・ワールドの森柾人専務が地元産小麦の可能性を探りだしたのは2008年。
三浦市産の小麦を使う地元同業者と知り合ったのがきっかけだった。

折しも前年、オーストラリアでの不作などを受けて価格が高騰。
政府による価格改定が行われた。
「パン屋なのに小麦について知らないのはまずい。全部は無理としても自分で調達する手段を考えなくてはと思った」


農地の購入を考えたものの農地法の壁が立ちはだかり断念。
横須賀市林で多品種栽培を手掛ける永野直彦さん、優子さん夫妻が小麦を作っていることを知り2009年、永野さんから購入した小麦全粒粉で作ったメロンパンを発売するに至った。

「国産小麦は輸入品と比べはるかに値段は高いが、甘みが強い」と森さん。
製粉の難しさもあり、いつも同じ状態のパンができるとは限らないが「少しでも取扱商品を増やしていきたい」と意気込む。


今夏には食品資源リサイクル機器を「カフェ・ド・クルー」敷地の一角に設置した。
販売元の「横須賀軽金」(同市佐原)は処理済みの食品残渣を堆肥にして農家に無償提供する取り組みを続けており、店の残渣も約500㌔の堆肥に生まれ変わった。

農家の永野さんは同店向けに約2,000平方㍍の耕作放棄地を活用、昨年の3倍の量に相当する小麦の生産を目指す。
今月にも堆肥を施し、パンに適しているとされる小麦「ユメシホウ」の種をまく予定だ。
永野さんも食品リサイクルに関心を寄せており「何としても成功させ、後に続く人が現れてくれれば」と話す。

神奈川新聞より

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2010年10月09日

「草屋根」の魅力

屋根を芝生や草花などで覆う「草屋根」。

美しい外観はもとより、夏でもエアコンなしで過ごせる快適さも魅力で、自宅にとりいれる人が増えている。

草屋根をもっと広げていこうと、今月には「草屋根の会」もスタート。
注目がますます高まりそうだ。

先月20日、神戸市灘区の住宅街の一画で、新築住宅の見学会が開かれた。
自然素材を使った木造2階建ての住宅は、屋根の上に一面、芝生を敷き詰めた「草屋根」。

訪れた人は、屋根を見上げて、「わあ」と歓声を上げたり、はしごをのぼって草屋根を間近で見て、「ふさふさやねえ」「めっちゃ、いい」と目を輝か せたり、トンボが屋根の上に飛んでくる姿に驚いたり…。
すっかりその魅力にとりつかれていた。

草屋根住宅を設計したのは、1級建築士事務所「YURI DESIGN」(神戸市東灘区)。
代表の前田由利さんは、これまで30軒以上の草屋根建築を手がけてきた。
きっかけは、12年前、前田さんが自宅を新築したときのこと。
子供部屋がちょうど屋根裏の部分にあたり、相当暑くなりそうだったので、「草屋根」にして熱を逃がそうと考えた。


実際、住んでみると、想像以上に涼しいことに驚いた。
「屋根が熱を持たないと、こんなに快適なのかと思います」と前田さん。
「草屋根」は、口コミなどで広がり、住宅、喫茶店や保育園などにもとりいれられた。

特にこの2、3年、草屋根住宅の注文が続いている。
住宅が完成した際に開く見学会にも、参加者が大勢訪れるようになった。

草屋根熱の高まりに、前田さんたちは、「草屋根の会」の立ちあげを決意。
草屋根の家に住んでいる人、研究者や学生、設計や施行、緑化の関係者など、草屋 根に思いを寄せる人々が集い、年に三回程度、草屋根に関する情報交換や勉強を行う。
第1回「草屋根の研究会」は16日に、西宮市内で開催。
研究者による講演や、尼崎市内で実際に草屋根の家に住む家族による“草屋根レポート”も予定している。


「環境にやさしい草屋根は、これからもっと浸透して、家を建てるときの選択肢のひとつになっていくかもしれませんね」と前田さんは話している。
【岸本佳子】

産経新聞より

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2010年10月07日

都市緑化の効果判定

清水建設は6日、都市部の緑化施工が野鳥や昆虫の生態系に与える効果を簡単に判定するシステムを開発したと発表した。

航空写真から読み取った緑地や水辺の面積を手掛かりに、野鳥などが飛び回れる範囲を「見える化」する。

顧客に緑化を提案する営業担当者が使えば、生態系がどこまで豊かになるかをわかりやすく示せる。

開発した「UE-Netライト」は、シジュウカラやコゲラ、ウグイスなど9種類の野鳥と、シオカラトンボやキタテハなど19種の昆虫について、緑地や水辺を渡り歩いてどこまで広い範囲を移動できるかを判別。

生態系のネットワークが地図上でどうつながっているかが一目でわかる。

航空写真や衛星画像を読み込み、緑地や水辺の場所を画面上で指定する。

野鳥などがどの程度広い緑地なら生息できるかを示すデータと突き合わせて、行動範囲を割り出す。


東京都内の工事現場で試したところ、皇居からシジュウカラなどが飛んでくることを判別できた。

顧客の要望に的確に応じたり、生態系の豊かさをアピールしたりして、市場開拓に役立てられるとみている。

新システムは一般的な表計算ソフトウエアの「エクセル」などを利用した簡易な構成として、数時間で分析結果を得られるようにした。

自社の従来システムは、画像解析ソフトや地図情報を組み込んであり、操作に複雑な知識が必要だった。


日経産業新聞より

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2010年10月06日

「企業のみどり」

財団法人都市緑化基金(東京・文京)は、野鳥の生息しやすさなど生物多様性保全への配慮に優れた企業の緑化活動などを34件認定した。

生物多様性保全につながる企業のみどり100選」として、主に事業所などの敷地を対象とする企業緑地部門では、鹿島などの24件を選定。

緑化に配慮した再開発などの都市づくり部門では近畿日本鉄道などの10件を選んだ。


5月には第1弾として50件を選定している。

新たに認定した主な取り組みは、企業緑地部門は鹿島の社宅(東京・豊島)のほか、日立製作所の研究所(東京都国分寺市)、トヨタ自動車の工場(愛知県豊田市)など。

都市づくり部門では近鉄などの土地区画整理事業(奈良市)のほか、森ビルの再開発事業(東京・港)や阪急電鉄などの商業施設(兵庫県西宮市)などを選んだ。


同基金が運用する第三者認証の「社会・環境貢献緑地評価システム(SEGES)」による特別認定として実施した。


日経産業新聞より

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2010年10月05日

新酒、仕込み始まる

宮城県大崎市松山の酒造メーカー「一ノ蔵」は4日、農薬と化学肥料を減らした特別栽培の早稲新米「やまのしずく」1.5㌧を原料に新酒の仕込みを始めた。

「本醸造しぼりたて生原酒」として11月6日に地元の「松山邑(むら)まつり」で初披露し、同9日から一般販売する。

仕込みは大型タンクで、こうじ米と蒸し冷ました新米を水とともに混ぜ合わせる作業。
発酵が進む今月下旬に搾り作業を行う。
アルコール度数は19~20度と高い。

原料米は「松山町酒米研究会」が契約栽培したもので、杜氏(とうじ)の門脇豊彦さんは「新米の品質に問題はない。生酒のフレッシュな風味を楽しんで」と自信を見せた。

同社は年間27,000俵(1俵60㌔)の原料米のうち5,000俵を特別栽培米や有機米でまかなう環境保全型の酒蔵として知られる。

今月5日には同社の農業部門「一ノ蔵農社」の「ふゆみずたんぼ」で今春、田植えに挑戦した宮城大事業構想学部の学生らが稲刈り、くい掛け作業を行う。
【小原博人】


毎日新聞より

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2010年10月04日

芝生の校庭じわり定着

硬い土や舗装材に覆われた小中学校の校庭を緑の芝生に替える試みが、少しずつ広がっている。

運動場に芝生のある公立学校の割合は昨年5月時点で4.9%どまりだが、3年間で1.2ポイント上昇した。

子供の体力向上が期待できる半面、維持管理の負担が重く、芝生化の進展は地域差が大きい。

一方で芝生が「地域の財産」となり、住民交流に役立った例も続々と生まれている。


昼休みを告げるチャイムと同時に、子供たちが校庭に飛び出してきた。
1日、さいたま市の市立蓮沼小学校。
同校は今年3月、校庭の一部約3,500平方㍍に植えた芝生の養生が終わり、9月に芝生開きをしたばかり。

「おい、相撲やる人!」。
4年生男児が声をかけると、たちまち“取組”が始まった。

「緑がきれい。寝転んでも大丈夫」と5年生女児も笑顔。
芝生で給食を食べる会や読書会、PTAと協力しての親子除草……。
須郷恵子校長らは活用策を検討中だ。


文部科学省によると、運動場に300平方㍍以上の芝生がある公立学校の割合(整備率)は2006年に3.7%だったのが2009年には4.9%に上昇した。

スポーツ振興につながるため、同省は補助金を設けて校庭芝生化を支援。

だが、整備率は鹿児島県の29.6%から岡山、高知両県の0%まで差がある。
高知県は現状では校舎耐震化が優先という。


全公立小中学校の校庭芝生化を目標に掲げる東京都。
維持管理を住民などと協力して行う仕組みを条件に工事費全額を補助する制度を設けているが高校なども含む整備率は5.8%。

「校舎の耐震化を優先したり、校庭の利用団体と調整がつかなかったりする例が多い」(緑環境課)という。


大阪府の整備率は7.3%。
特に公立小学校は順調に進み108校の芝生化を9月までに完了し、橋下徹知事が唱える「2009~2010年度で計100校」との目標を達成。

「職員約100人が“営業”に回り、植え付けや管理方法を教えたためでは」と担当者。
2011年度もさらに正義を進める考えだ。


昨年の整備率がゼロだった岡山県でもその後、倉敷、備前両市で事業が始まった。
両市ともポット苗を用いた低予算の「鳥取方式」と呼ばれる手法を採用。
雑草も芝生とみなし草取りを省くなどして負担を軽くした。


大分県は17ある特別支援学校のうち11校の校庭を芝生化した。
「転んでも怪我をしにくい芝生は障害のある生徒らに適している」と担当者。


愛知県東海市は、スパイクが使いにくくなるなど、野球やサッカーに与える影響に配慮して小学校の芝生化を見送る一方、保育園全18園の芝生化に取り組んでいる。


“失敗例”に学ぶ動きもある。

9月に芝生開きをした東京都豊島区の区立長崎小学校は、管理不十分で芝生が枯れてしまった学校などを訪ねて要因を調査。
PTAや住民も交えて議論を重ねた末、学校と地域の人々でつくる維持管理組織を立ち上げた。

新宿区の区立四谷第6小学校では地元の老人会が月3階、芝刈り作業に協力。
高齢者の健康増進や住民交流にも一役買っている。


芝生は生き物だけに、植える際には十分な準備が必要。
東京都の担当者は「日当たりなどの条件によっては校庭の全面でなく一部でもよい。実情にあった整備を進めていきたい」と話している。

日本経済新聞より

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2010年10月02日

芝生の校庭裸足で駆け回る

横浜市立池上小学校(同市神奈川区菅田町)で2日、児童らが自ら芝生を植えた校庭で運動会が行われた。

天然芝の上をはだしで駆け回る子どもたちの声が秋晴れの空に響いた。

同校の校庭芝生化は環境教育の一環。

児童が種から苗に育て、7月に各学年で分担して校庭中央部分約700平方㍍に植えた。

運動会に間に合わせるため、同校の職員や保護者が交代で一日数回水を散布し、3カ月の養生期間を経て、本格的に使い始めた。


同日の運動会では、はだしになった子どもたちがソーラン節や騎馬戦に参加。
けがの心配が少ない芝生の上で、思いっきりステップを踏んだり、走り回ったりしていた。

同小の木内武敏校長は「芝生の上で遊ぶ子どもたちの表情は、とても生き生きとしている。芝生を育てることで自然を大切にする心を育てたい」と話す。
同校6年生の田板晴輝くんは「芝生はふかふかして気持ちいい。運動会が終わったあとも寝転んでみたい」と笑顔で話していた。

神奈川新聞より

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