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2010年09月07日

残土はごみ?


マンションのベランダを利用した園芸や家庭菜園の人気が高まっているが、楽しんだ後の土の処分に頭を悩ます人も多い。

関連本などには土作りの説明はあっても、処分について書かれていないことも。

ごみとして受け入れるかどうかは、自治体ごとに違うのが実態。

多少の手間はかかるが捨てずに再利用する方法もあ り、公園の花壇にコッソリ…といったことは慎みたい。


東京23区では、ごみとしての土の収集はしていない。

足立区は「制度上、土はごみではない。
23区の中間処理施設の装置は土が大量に入ることを想定しておらず、大量に混ざるとトラブルになるかもしれない」(環境部計画課)。
ごみとして大量に出されると、不適物と告げるシールを張り、収集しないという。

東京都狛江市なども収集しておらず、「土を買った店に相談を」(清掃課)とする。


一方、条件付きで収集する自治体もある。

神戸市は「土は繰り返し使うなど、できるだけ活用を。
やむを得ず処分する場合、指定袋に片手で持てる程度にして、燃えないごみを出す日に」という。
減量リサイクル推進課は「そもそも土がごみなのか。繰り返し使うのが前提と思うが、実際には引っ越しなどで処分したい人もいる」。
ただ、不法投棄との誤認を防ぐため、一度に大量に出すのは控えてほしいという。

京都市は、片手で持てる程度で指定袋2袋までを「家庭ごみ(燃やすごみ)」として受け入れている。
それ以上は大型(粗大)ごみの扱い。
「園芸用の土は廃棄物処理法の不要物だと解釈して収集している」(まち美化推進課)


自治体ごとに考え方もルールも違い、困ったら担当窓口に問い合わせるのが確実のようだ。


できれば土は捨てずに再利用したい。
しかし、植物を育てた後の土は栄養分がなくなり、次の植物が育ちにくい。
こうした中、タキイ種苗(京都市下京区)は講習会で、再利用について説明している。

その手順は―。

(1)土がある程度乾いたら、ふるいを使うなどして根など植物の残り物を除く。

(2)植物の病気などを避けるため、ビニールに詰めて密封し、10日以上太陽熱で殺菌消毒。
時間がなければ、鉢などに戻し、熱湯をかけて消毒してもよい。

(3)前の植物が肥料分と有機質を使ってしまっているので、市販の堆肥(たいひ)と肥料を土に与え、混ぜ合わせる。
混ぜる割合は堆肥や肥料の袋の説明書きを参考に。

土が干からびた植木鉢が並ぶ家庭などは、挑戦する価値があるかもしれない。


集合住宅の多い都市部では、園芸残土の処分に困る住民が多い。
この実情を受け、自治体の手で土を再生させる例も出てきた。

東京都中央区では今年度、試行。
区内のリサイクル拠点に、回収日ごとに区民から想定をはるかに超す土が持ち込まれており、職員が再生作業に追われているという。
再生した土は児童館や保育園で活用するほか、秋には区民に配る方向で検討している。

目黒区でも昨年秋にイベントで区民から回収し、再生した土を5月に配布した。
今後の実施は未定という。
【草下健夫】


産経新聞より

投稿者 trim : 2010年09月07日 10:30