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2010年08月11日

友情のマーチ

学校統合で廃校になった茨城県利根町の小学校に眠ったままになっていた楽器を、元取手市議が仲介して北海道の小さな小学校に贈り、児童たちに喜ばれている。

少子化で県内でも学校の統廃合が進む中、余ってしまう教材も多いはず。

今回のケースは余った教材の再利用に一石を投じる形になった。


楽器が残されていたのは旧利根町立布川小の校舎。
平成20年、町立太子堂小と統合した新しい布川小は旧太子堂小校舎を使用し、旧校舎は使われていない。

昨年夏、元取手市議、城之内景子さん(64)が役員を務める「取手アートプロジェクト」が、旧布川小の校舎跡で作品展を開くことになり、城之内さんらが会場の清掃をしたとき、教室内に余った楽器が置いてあるのを発見。
城之内さんは「もったいないと思った」という。

今年5月、嫁ぎ先の北海道東川町で、児童数わずか23人の同町立東川三小のPTA役員をしている長女の神林泰子さん(36)が里帰り。

楽器が余っていることを話したところ、神林さんは「うちの学校には音楽の先生はいるが、楽器がない。譲ってもらえないか」と、城之内さんに要望したという。


城之内さんはさっそく、利根町議を介して同町教育委員会に伝えたところ、同教委は快諾した。
城之内さんらが、教室内にある楽器を引っ張り出して、使える楽器を探すとともに、同教委も楽器のリストを東川三小に送り、希望の楽器を確認。
トランペットやテナーサックス、マラカスなど二十数点の楽器を選び、北海道に送った。

楽器が到着すると、東川三小の菅原敏光校長から「本校の子供たちに、人のつながりや心の温かさを届けていただきました。今回いただいた温かい真心を大切に伝えてまいります」という礼状が届いた。

城之内さんは「ほんとうによかった」と喜ぶとともに、「統合で、ほかにも教材が余っている学校があると思う。そういう教材を学校の片隅に置かないで有効に活用してほしい」と話している。
【石田努】


産経新聞より

投稿者 trim : 2010年08月11日 10:38