« 「環境コンシェルジュ」 | メイン | 不用な砂をリサイクル »
2010年05月04日
「パークスガーデン」
5月4日は「みどりの日」。
南海なんば駅に隣接する大型商業施設「なんばパークス」(大阪市浪速区難波中2)では2003年10月にオープンした屋上庭園「パークスガーデン」が、人々の憩いの場として親しまれている。
1万平方メートルの広さに300種、7万株の植物を植えた同ガーデンは、「国内最大級の規模を誇る」という。
2005年10月、「都心のオアシスを創出した」緑化に対する好例として財団法人都市緑化技術開発機構が主催する「第4回屋上・壁面・特殊緑化技術コンクール」で「屋上緑化大賞・国土交通大臣賞」を受賞した。
「人と自然が共存する庭園を造りたかった」と話すのは、同ガーデンの企画から設計、施行に携わり、現在まで管理を一貫して行う「パークスガーデン事務局」統括責任者の西塙征広さん。
「緑に飢えた」なんばの事情を実感していたという大阪・日本橋出身の西塙さんが、自身の経験をもとに「地域の人が緑や花を見に訪れることができる、『楽園』となるような庭園造り」という構想を練っていった。
西塙さんの描く庭園の理想像に共感して集まった8人のスタッフとともに、「日々姿を変える植物の声に耳を傾けて手入れを行う」姿勢で管理にあたる。
その背景には、「人工的に造った庭園だからこそ、管理する私たちが『生きた、自然な空間』を演出することが大事」という思いが込められている。
自然樹形や食物連鎖を保つため、過大なせん定は行わず、虫や落ち葉なども訪れた人が不快に思わない程度に「あえて」残している。
「訪問者にとっても、スタッフにとっても、日々新しい発見のある空間」を目指しているという。
また、西塙さんがオープン当初から力を入れていることに「お客さまへのホスピタリティ」がある。
「ガーデンのコンセプトは『市民参加型の庭園』。『生きた庭園造り』には、訪問者に楽しんでもらうイベントやセミナーの開催は欠かせない」と西塙さん。
オープン当初から月1回の割合でスタッフによる「寄せ植え体験」やハーブの体験セミナー、平日は約1時間半のガーデン案内を行っているほか、「アーバンファーム(都市型貸菜園)」として20区画を市民に貸し出している。
西塙さんは、「常駐のスタッフが管理を行うという庭園はまだまだ少ない。植物も人間と同じで、放っておけばそれだけの結果でしか応えてくれない。私たちが続けていくことで、これが庭園管理の新スタンダードとして確立され、これがきっかけとなって、屋上だけでなく地上にももっと緑化が進んでいってくれれば」と話す。
なんば経済新聞より
投稿者 trim : 2010年05月04日 16:52