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2010年02月01日
「環境経済観測」試行
環境省は、エコカー(環境対応車)や太陽光発電システムなど、環境ビジネスを手掛ける企業から業況感や関連産業の先行きについて聞く「環境経済観測」の試行を開始する。
約2,000社を対象に配布する調査票を2月以降に回収する。
調査結果を分析し、3月ごろに新設する「環境経済情報ポータルサイト」で公表。
この情報を環境市場への関心が強い企業や投資家の判断材料として役立て、環境政策の方向付けにも生かす。
環境経済観測は、景気動向を表す代表的な日本銀行の経済指標「企業短期経済観測調査(日銀短観)」の“環境版”だ。
日銀短観と同様、企業へのアンケート方式で回答を依頼する。
調査対象は環境関連企業の中でも、東京・名古屋・大阪の各証券取引所の1部と2部に上場する企業、または従業員数500人以上の非上場企業で、その合計は六千数百社とした。
そこからランダム方式で2,000社を抽出するほか、これに加え主要環境企業に属する数十社を追加する。
抽出した企業からは、まず国内環境産業全体の業況感と今後発展が期待できる環境産業について、「現在」「3年後」「10年後」という切り口で尋ねる。
さらに、回答企業が属する環境産業の需給・価格状況に加えて、研究開発や設備投資、人員調達の意向にまで踏み込んで尋ねる。
各産業が抱える問題点や行政に望む支援などの質問項目も調査票に盛り込んだ。
得られた回答は、情報整備のあり方を審議する有識者会議「環境経済情報検討会」の意見を踏まえながら分析し、同省サイト内で設ける環境経済情報ポータルサイトを通じて今年度内に公表する予定。
この試行を踏まえ、2010年度から本格実施に移行する方針だ。
情報の生かし方について、環境省総合環境政策局の担当者は
「ある環境産業の将来展望が一般産業の平均よりも明るい場合は、政策が正しい方向に向いていると判断。差がない場合は、メッセージ性が強い政策が必要と受け取る」と説明。
「環境と経済」の両面で効果が見込める政策の方向付けに反映する考えだ。
環境産業は、政府が昨年12月に決定した成長戦略の基本方針の中で重点分野の一つと位置付けられ「20年までに50兆円超の環境関連新規市場をつくる」との目標が示された。
日本の民間技術を活用し、世界の温室効果ガスを13億㌧以上削減するという中期目標も打ち上げられた。
それだけに、環境関連企業の役割は増す方向にあり、環境省は環境政策と経済の関係を探る政策研究も始めた。
1月12日に行われた環境ベンチャー企業との懇談会では、小沢鋭仁環境相が「環境問題をコストではなくて『チャンス』だと受け止めてほしい」と強調した。【臼井慎太郎】
フジサンケイ ビジネスアイより
投稿者 trim : 2010年02月01日 16:31