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2010年01月21日
環境技術展
川崎市内に蓄積された環境技術を世界に向けて発信する「川崎国際環境技術展」が、2月に開催される。
技術移転による国際貢献と市内の産業の活性化を目指す取り組みとして、国内外から大きな注目を浴びている。
中国をはじめとしたアジアのパワーを取り込みつつ、技術を持ちながらも不況にあえぐ中小企業が元気を取り戻すきっかけとなることが期待される。
昨年に始まった技術展では、117団体、199ブースが出展してにぎわいを見せた。
中でも水や土壌汚染対策、ペットボトル・古紙をリサイクルする技術が人気を集めた。
中国では10%近い経済成長率が続き、産業の発展とともに大気や水質、土壌の汚染が深刻化している。
また地球温暖化防止に向け、省エネに関する技術のニーズも高まっている。
技術展は、環境技術を求めるアジア地域と、その技術力をもって販路を海外に広げたい中小企業を引き合わせる場である。
川崎で開催される強みは、実際に技術を活用している「現場」があることだ。
単なる見本市に終わらせず、興味を持った関係者に市内の企業を案内して見てもらうことができる。
技術展では商品や技術を紹介するブースだけではなく、中国や韓国の自治体が「求めている技術」を呼び掛けるプレゼンテーションも実施され、双方の理解を促す工夫がされている。
川崎には日本の高度経済成長を支えてきた中小企業が持つ「ものづくり」の遺伝子が息づいている。
しかし、高い技術を持ちながら、100年に一度といわれる世界的な不況のあおりを受け、経営に苦しむ中小・零細企業も少なくない。
公害を克服する過程で蓄積されてきた環境技術を、急速に工業化が進むアジアに移転する。
そのことで地球規模で深刻化する環境問題の解決と、市内の産業活性化の両方につなげるきっかけにしたいものである。
環境産業は世界的にみても有望な成長産業である。
今年10月には羽田空港が再国際化され、アジア諸国との「人・モノ・カネ」の交流はより盛んになる。
中国では、上海万博が開かれ、さらにその市場の活気が増すことも予想される。
技術展を機に、川崎の中小企業が元気を取り戻し、川崎が日本の不況脱出の牽引(けんいん)役となるチャンスにしてもらいたい。
神奈川新聞 社説より
投稿者 trim : 2010年01月21日 10:22