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2010年01月06日

エコ小鉢

滋賀県甲賀市信楽町の知的障害児支援施設「県立信楽学園」の園生たちが、真宗大谷派本山・東本願寺(京都市)で来年営まれる宗祖親鸞の750回御遠忌(ごえんき)で参拝者に振る舞われる弁当の小鉢作りに取り組んでいる。

「焼き物作りを通じた社会貢献」という学園の理念に共感した寺側が生産を依頼。

御影堂の修復工事で出た瓦のふき土を再利用したエコ仕様で、1年がかりで7万個の生産を目指す。


同学園は15~18歳を対象に3年間、職業訓練などを実施。
信楽焼が有名な町だけに活動の中心は焼き物作りで、生産品の販売を通じて社会との交流を図っている。
2008年秋からは、かつて駅弁と一緒に売られていたお茶の陶製容器「汽車土瓶」の復刻販売を始め、人気を呼んでいる。

今回生産している小鉢は、同寺で2011年3~5月に営まれる御遠忌に全国から訪れる参拝者への特製弁当で使われる。

同寺は2008年まで御影堂の修復工事を行い、瓦の下にしかれていた土1,100㌧をリサイクルできないかと学園側に相談。

学園は信楽の粘土に混ぜて焼くことにし、先月上旬から生産を始めた。

40人いる園生のうち約15人で取り組み、成型▽素焼き▽釉薬(ゆうやく)塗り▽窯詰め――などの作業を丁寧に行っている。

指導員の古谷吉伸さん(53)は「作業中にミスがあれば、なぜ起きたのかを子どもたちに考えさせている。1個に対するこだわりを持って作っている」と話す。

壮大なプロジェクトに、園生の沖末祐樹さん(16)は「数が多くて大変だけど、やりがいがある。自分たちが作った器が使われるのはうれしい」と張り切っている。【金志尚】


毎日新聞より

投稿者 trim : 2010年01月06日 16:26