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2009年11月18日

雨水貯留システム

岸本国際技術研究所は、トリム(那覇市)と共同で、廃ガラスを再生利用し軽量発泡資材「スーパーソル」を活用した雨水貯留システムを開発した。

貯留した雨水は、少ない維持費で芝生などのグラウンド緑化や災害時の水源として活用できる。

同社は現在、関東エリアの公立学校などをターゲットにシステム導入に向けた働きかけを展開している。

同システムで雨水貯留層内に敷設して使用するスーパーソルはアルカリ素材でカルシウム分を含み、多孔質構造を持っているため、水の腐敗を防止することができる。

さらに、従来の地下埋設型浄化システムのように、ポンプで水を循環させる必要がなく、電力消費量の抑制を始めとする維持管理コストの削減、二酸化炭素(CO2)の排出抑制が可能だ。


規格品ではないため、形や大きさなど設計に自由度があり、一般住宅からマンション、公共施設や公園、校庭のグラウンドなどに幅広く導入可能なのも大きな特徴となっている。
沖縄県で実施した実証実験では、年間約650㌧の水道量を節水するとともに、節水に伴うCO2排出量も年間234㌔低減した。
自社検査の結果、水の腐敗もなかったという。

政府が進める温室効果ガス削減策の強化もあり、ランニングコストやCO2排出が抑制できるシステムの潜在需要は高い。
同社の小野素子代表取締役は、「維持費抑制や災害時対応のほか、雨水の利活用とガラスのリサイクルで環境教育に役立つというメリットがある」と優位性を説明する。


スーパーソルは、国土交通省のNETIS(新技術情報提供システム)にも登録されており、多くの公共土木工事などで活用実績がある。
地域で発生したビンなどの廃ガラスを域内で再利用する画期的な取り組みとしてトリムと業務提携し、1998年に生産を始め、現在は全国9カ所に工場がある。
小野代表取締役は、「最終的には47都道府県すべてに工場を設置したい」と循環型社会形成へのさらなる貢献を目指している。


建設通信新聞より

投稿者 trim : 2009年11月18日 11:13