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2009年11月18日
トンボ、バッタ戻る
国土交通省高山国道事務所が中部縦貫自動車道の高山西インターチェンジ(IC)=岐阜県高山市清見町=で進めている「飛騨の森再生」と名づけたビオトープ実験が5年を経過し、自動車道建設で一時は姿を消した在来種の生物や植物などが定着していることが分かった。
高山西ICは2004年11月に完成した。
通常は工事のために切り開いた場所は植栽するが、道路の建設によって動植物・昆虫類の生息環境が分断され、従来の自然環境が大きく変化する可能性があった。
そこで、IC内を「飛騨の森再生実験場所」と位置づけ、工事のために出た土砂や巨石などで約4,000平方㍍の排水調整のための調整池(水域)と、陸域を設置。
動植物や昆虫類がどれだけ再生できるか、2005年から毎年、モニタリング調査を実施してきた。
この結果、5年を経過して調整池では湿地性と池沼性の植物が繁殖し、環境省のレッドリストなどで絶滅が心配されているミズオオバコや、イヌタヌキモが定着。水生昆虫はトンボ類など26種が確認され、2005年度調査の17種から着実に増加した。
陸上昆虫類もチョウやバッタが年々増加しており、2005年度の98種類から120種に増えていた。
同国道事務所は「移植した根株・貴重植物とも生育状況は良好で、周辺からの侵入植物も多く見られる」と話している。【奈良正臣】
毎日新聞より
投稿者 trim : 2009年11月18日 14:43