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2009年10月30日
住民挙げてエコしよう
環境に配慮したまちづくりにつなげようと、山形県大江町は、住民参加型の独自事業に乗り出した。
施策の企画、決定、実践の各段階で協働する取り組みで、これまでに資源の有効活用を柱とする地元・大江中学校の企画の採用を決定。
住民との役割分担などについて検討を加え、来年度からの実践を目指す。
名称は「みんなでチャレンジまちづくり」で、町制施行50周年記念事業の一環。大江中の企画「エコな大江町が大好き!!」は今月18日の発表会で、参加者約60人の「住民投票」で選ばれた。
企画は
(1)不用品の交換会を定期的に開催し、資源の有効活用につなげる
(2)マイバッグ持参の買い物客に対し、商店街の買い物ポイントを加算する
――など4項目。
このうち「雨水再利用計画」と題した提案では、町役場など公共施設への雨水タンクの設置をアピールした。
タンクにためた雨水を、花の栽培などに生かすというエコな考え方に基づく。
さらに、町民の環境意識を高めるため、春から秋の花の季節に合わせて「ごみ拾いの日」を制定。
月1回の清掃活動への参加特典として花の種をプレゼントし、花のあふれる環境の町づくりにつなげる。
事業開始に当たり、大江町が4月、広報誌などで提案を呼び掛けると計30件の応募があった。
この提案を事業として具体化する企画者を募集した結果、大江中のほか地元・左沢高や、西村山地方特産の西山杉を活用した森林保全に取り組む市民グループなど5団体が手を挙げた。
企画書やプレゼンテーションに磨きをかけてもらおうと、町は7月、都市環境を専門とする東北芸術工科大(山形市)の三浦秀一准教授を講師に迎え、この5団体の研修会を開催した。
大江町は「従来の行政からの一方通行の環境施策では住民はついてこない。
貴重な提案の予算化を検討し、できることから着実に実行したい」(総務企画課)と前向きにとらえている。
河北新報より
2009年10月29日
東名崩落、同構造の盛り土320カ所
駿河湾を震源とする8月の地震で路肩が崩落した東名高速道路牧之原サービスエリア(SA)付近と同様の盛り土で建設されている地点が、東名や中央自動車道などに計320カ所あることが中日本高速道路の調べで分かった。
同社の地震災害検討委員会と中日本高速によると、路肩崩落は盛り土内部で発生した。
盛り土は建設当時の施行規定にのっとっていたものの、現場は雨水が集まりやすい地形だったうえ、盛り土に使用されていた泥岩が風化しやすかった。
同委は、長年の雨水で盛り土の下半分が風化し、地下水位が上がって強度が低下していたところへ、地震が追い打ちをかけて崩落したと結論づけた。
中日本高速は同SAの崩落を受けて、管轄する高速の盛り土構造を調査。
▽水が集まりやすい地形
▽地下水位の高さ
▽使用されている土砂の岩質が風化しやすい
――の3つを基準に調査した結果、
▽東名80
▽中央道140
▽東名阪道30
▽北陸道20
――など崩落現場と同様の構造が計320地点あった。
320地点について中日本高速は現場点検して安全性を確認するとしている。【石原聖】
毎日新聞より
2009年10月28日
十三湖シジミ
青森県を代表する特産物「十三湖シジミ」を捕っている二つの漁協間で、出荷額に格差が生じている。
漁協は、トレーサビリティー(履歴管理)制度などを導入して消費者に食の安全を訴えている十三漁協と、販売は仲買人に任せている車力漁協で、生産者情報を公開してブランド力を高めている十三漁協のシジミが高値で取引されている。
一方、従来型の取引を続ける車力漁協は売り上げ高が頭打ちの状態で、「安心」を買う消費者のニーズが、同じ産品を扱う漁協間の明暗を分けている。
十三湖は岩木川河口で日本海の海水と混じり合う汽水湖。
栄養が豊富なため大きくて味のいいシジミが捕れ、古くから全国で知られている。
十三漁協は湖の北で主にシジミ漁をし、車力漁協は湖南でのシジミ漁に加えて日本海での漁業もしている。
両漁協はシジミの乱獲を防いで漁獲量を増やすため、1990年代初めから漁獲量の上限や漁具の目の大きさを定めるなどし、共存できるルール作りを進めてきた。
転機は2002年の産地偽装事件。
仲買人を通じて他県に出荷したシジミに小川原湖産が混ぜられ、「十三湖産」として販売されていた。
十三湖産の漁獲量が少なかったのが理由だった。
十三湖のシジミはそれまで、両漁協とも漁師と仲買人が直接、売買する相対(あいたい)取引をしていた。
しかし、十三漁協は事件を機にシジミをいったん漁協に集めて入札する「共販」方式に変え、なるべく漁協が漁獲量や水揚げ額を把握するよう大転換した。
十三漁協はさらに、「安全・安心」という新たな魅力を加えてブランド力を高めるため、2005年にトレーサビリティー制度を導入。
漁師の名前や入札日などの生産者情報をQRコードに入れて出荷するようにした。
今年5月は、漁業資源と生態系の保護に積極的な漁業者団体に与えられる社団法人「大日本水産会」(東京都)の認証「マリンエコラベル」を県内で初めて取得。
生産者情報とともにシジミに表示し、通信販売の広告に載せるなどして消費者にアピールしている。
一方、車力漁協は、会員の漁師と仲買人とのつながりがそれぞれ深いうえ、市場販売は仲買人に任せていることもあり、漁協全体で付加価値を付ける取り組みはしていないという。
個別に行うこの相対取引は、漁師と仲買人の力関係が出荷価格にはっきりと表れるといい、車力漁協の組合員からは「出荷価格は十三漁協の3分の2ほどにしかならない」と嘆く声も聞かれる。
しかし仲買人の影響力は強く、共販に切り替えられないのが現状だという。【三股智子】
毎日新聞より
2009年10月27日
【エコシティー】滋賀県
滋賀県は環境関連製品の性能や技術を評価する「環境製品性能評価制度」を始める。
客観的な評価を得にくい環境製品に第三者の立場で“お墨付き”を与え、知名度の低い中小企業の環境ビジネスを支援する。
先週長浜市で開かれた「びわ湖環境ビジネスメッセ」に製品と評価制度をモデル展示して来場者の意見を集めた。
2010年度から本格実施する。
評価は県と滋賀経済産業協会、滋賀県立大学が設ける協議会が手掛ける。
公的施設の職員や教員が県内企業や県内の工場から申請をもとに、工業製品について製造過程で排出される二酸化炭素(CO2)の削減量や、うたわれている環境効果がデータ通りかなどを評価する。
ロゴマークも作り、企業が評価認定を受けた製品に貼って信用度をアピールできるようにする。
メッセでは組み立てパイプメーカー、スペーシア(湖南市)が販売している屋上遮熱用の特殊ネットを性能評価とあわせてモデル展示した。
滋賀県は建築や農業関係資材を対象に、循環資源を用いた製品を評価するビワクルエコ(リサイクル製品認定)制度を設けている。
工業製品の省エネ効果を評価対象とする同様の制度では、大阪府が「おおさかエコテック」として行っている。
日経産業新聞より
2009年10月26日
「廃棄物処理熱の利用を」
中央環境審議会の専門委員会は26日、廃棄物処理を実施する官民の事業者に対し、廃棄物焼却時に発生する熱利用を促すことを求める報告書案をまとめた。
廃棄物処理が原因で生じる温室効果ガス排出量が急増しているためで、環境省は廃棄物処理法に基づく省令を見直し、優れた事業者を登録する制度の創設などの支援策を検討する。
2006年度の廃棄物分野からの排出量は、全体の約3%の4,083万㌧(二酸化炭素換算)。
京都議定書の基準年の1990年度に比べ約15%増で、全排出量の増加率の約6%を上回っている。
廃棄物処理に伴う熱を利用した発電や温水は地球温暖化対策として注目されている。
しかし、現行の廃棄物処理法は温暖化対策を求めていない。
また、多額の設備投資が必要で、市町村の一般廃棄物焼却で約7割、民間で約4割しか利用していない。
産業廃棄物焼却施設でも約3割にとどまっている。
報告書案は、熱回収の強化は温室効果ガスの排出削減に役立ち、強く推進する必要があると指摘。
その一方で、直ちに焼却時の熱回収を義務づけることはコスト面で難しいとみて、地域で熱利用を支援する措置の導入が必要と提言した。
環境省は当面の対応として、熱回収率の高い事業者の登録制度を創設、優良事業者の存在を知ってもらうことで、事業の拡大を目指す。
このほか、報告書案は不法投棄の8割近くを占める建設廃棄物対策として、元請け業者を一律に排出事業者と扱うなど責任強化も求めている。【足立旬子】
毎日新聞より
「エコプロダクツ2009」12月開催
日本経済新聞社は産業環境管理協会と共催で12月10日(木)~12日(土)、日本最大級の環境展示会「エコプロダクツ2009」を東京ビッグサイト(東京・江東区)で開きます。
あらゆる業種の企業、官公庁、自治体、NPO、大学など約700社・団体が出展し、環境製品・サービスの展示や、環境活動を紹介します。
3日間で約18万人の来場を見込んでいます。
今年のテーマは「問い直せ、日本の力 ソーシャルパワー元年」。
環境と社会システムをよりよい方向に変えていくためには、社会を構成する様々な人たちの力が環境技術・製品を軸につながり合い、大きな力=ソーシャルパワーにしていくことが必要です。
本展示会が日本発のソーシャルパワーを生み出す場となるよう目指します。
会場では各出展者の展示のほか、テーマゾーンも数多く設けます。
「生物多様性ゾーン」では、来年名古屋で開催される生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)に向けて進められている様々な活動を紹介します。
生物多様性とは何か、生物多様性と経済の関係とは――についても事例を交え解説します。
「未来の低炭素都市ゾーン」では、政府から環境モデル都市に選定された都市と低炭素社会づくりに貢献する企業・団体が、都市づくりのビジョンや取り組みを紹介します。
「エコサイクルシティ」では、環境に優しい交通手段として自転車をとり上げ、自転車通勤のコツやアイテムなどを展示します。
また、関東近郊で気軽に農作業を体験できるプロジェクトを紹介する「新しい農的資源の活用コーナー」、
毎日の生活を豊かにするエコ雑貨やエココスメを展示・販売する「グリーンストアーズ」、
環境負荷が低く安心・安全な住まいづくりの事例を集めた「エコロジカルリビング2009」など、
楽しみながらエコライフを実践するヒントを紹介します。
入場無料。
出展者の最新情報の確認は公式サイトをご覧ください。
来場事前登録も受け付けています。
日本経済新聞より
2009年10月25日
沖縄の産業まつり
第33回沖縄の産業まつり(県工業連合会など実行委員会主催)は2日目の24日、初日に続き、那覇市の奥武山総合運動公園で農林水産品や工業製品など多彩な県産品の展示即売やステージイベントなどを行った。
一方、台風の接近で来場者は例年より大きく減少。
屋外での展示即売は強い風雨の影響を受け、25日の開催も中止となったが、産業まつりに合わせて来県した県外や海外のバイヤーと県内企業との商談、マッチング活動などが活発に展開された。
◆産業振興プロジェクト展 商談活発、手応え
沖縄総合事務局経済産業部が進める産官学の「OKINAWA型産業振興プロジェクト推進ネットワーク」の展示では、健康食品や化粧品など会員21社が参加。
商社や化粧品、インターネット通販など本土7社と中国・上海から初参加した食品会社のバイヤーが訪れ、出展業者と個別の商談や販路開拓相談などが活発に展開された。
アロエベラジュースを手掛けるコーラル・ベジタブル(宮古島市)の洲鎌善充社長は、開発中のドラゴンフルーツ製品で上海バイヤーと商談。
「中国市場の可能性は限りなく大きい」と手応えを語っていた。
会場ではあらかじめ設定された時間で商談や販路相談を実施。
事務局側がバイヤーらと事前に情報交換を密にして取り組んだ。
同ネットワークの洲鎌孝クラスターマネージャーは「より実利を生む場にしようと昨年までと仕組みを変えた。成約に近い話ができた業者も多かったようだ。来年はできれば香港などからもバイヤーも招きたい」と意欲を見せた。
◆エタノール精製技術などを紹介 南西石油などが環境展
県内製造業者らが集まったサブグラウンド会場では、環境や新エネルギー関連の展示が目立った。
昨年4月にブラジル国営石油会社ペトロブラスのグループ企業となった南西石油は、石油やバイオエタノール精製工程などを紹介した。
近い将来のエタノール混合ガソリン販売を計画している南西石油は昨年に続く出展だが、展示規模は約3倍に拡大。
エタノールを50%含むガソリンで動くラジコンのデモ走行もあり、親子連れでにぎわった。
同社は「首相の二酸化炭素(CO2)の25%削減目標が関心を集めているが、バイオエタノールという新エネルギーについて広く知ってほしい」と紹介した。
◆D-net展 企業との出合い図る
県立武道館アリーナ棟では、県工芸技術支援センターを事務局とする県産品デザイナーズネット連絡会議が「D-net展」を初出展した。
県が昨年度まで3年間行った「沖縄デザイン戦略構築促進事業」の集大成として3月に発行したデザイナー紹介集から、インテリアやグラフィック、ウェブ、ファッションなど12人の作品を紹介した。
同センターの大城直也主任研究員は「デザイナーとメーカーのマッチング(出合い)を増やしたい」と説明。
構築した異業種のデザイナーネットワークを今後も活用したいとしている。
同事業から生まれたデザインを使用した菓子業者の商品なども展示。
北谷町に「沖縄デザインセンター」の開設を予定する大城亮子さんは「県内の新デザインと沖縄のものづくり企業のマッチングを図りたい」と意欲を語った。
◆展示即売会 バガス新製品発表 津田食品はソデイカボール
県産品展示即売会場では食品・飲料や菓子・パン、工芸などの各ブロックごとに各社が自慢の新作などを披露。
健康食品コーナーでは琉球バイオリソース開発(本部町、稲福盛雄社長)が、サトウキビの搾りかす(バガス)を活用した食物繊維食品「バガッセ」の後継商品となる「カムカムバー」を紹介した。
約15㌢の棒状の「かむビスケット」で小麦粉やガラクトオリゴ糖などを配合。
パイン味と塩味の計30本入りで11月中旬ごろ発売する。
価格は税込み2,980円。
「従来より価格を抑えており、朝食やおやつに利用してほしい」と売り込んだ。
ありん・くりん市会場では、県商工会連合会長賞の最優秀賞に選ばれた「今帰仁アグー豚まん」を販売する津田食品(うるま市、津田隆光社長)が、ソデイカのすり身でモズクなどを包んだ新商品「ソデイカボール」「つるりんイカだんご」を初出展した。
加工後に捨てていたソデイカのひれ部分をミンチ状にして無駄なく使い、約2年の試行錯誤を経てすり身の味を固めた。
多くの客が試食し、チーズ、モズクなどを包んで油で揚げ、イカとマッチした風味を楽しんでいた。
同社の高嶋義則品質管理主任は「手軽な弁当用などで市場が見込めるので、販路拡大に頑張りたい」と話した。
琉球新報より
2009年10月24日
竹材マットで雑草繁茂防止
竹を素材にしたマットを敷き雑草が茂るのを防ぐ取り組みが、京都府南丹市八木町玉ノ井の京都縦貫道南丹パーキングエリア(上り線)でこのほど始まった。
花壇などの雑草駆除が不要になるほか、竹材の有効利用で荒れた竹林の整備にもつながるという。
マットを開発したのは、京都市右京区京北のNPO法人(特定非営利活動法人)「きょうと京北バイオマス・デザイン」。
屋上緑化や放置竹林の整備を手掛けており、竹材の有効利用の一環でマットを作った。
縦貫道を管理する西日本高速道路では、芝生やのり面に生える雑草の駆除が課題になっていたため、環境に優しい同法人のマットに着目し、設置を決めた。
マットは、竹を細かく砕き特殊な接着剤で固めて作る。
フェルト生地のような手触りで、通気性や透水性に優れ、地面に敷くと草が生えないという。
厚さは2㌢ほどで、1本の竹から約1平方㍍を作ることができる。
竹繊維と同じ薄黄色で、景観を壊すこともないという。
このほど、芝生や花壇に計約800平方㍍を敷いた。
花壇のマットは小さな穴を開けて花を植え、花だけが育つようにした。
同法人の山森清博理事長は「竹林の荒廃が問題になる一方、竹材の利用法はあまり確立されていなかった。マットは竹を多く使うので、竹林整備につながる」と話し、西日本高速道路は「今後も取り組みを広げていきたい」としている。
京都新聞より
2009年10月23日
環境関連技術の特許、早期審査
特許庁は23日、省エネや二酸化炭素(CO2)削減の効果がある発明(グリーン発明)に関する特許出願を、11月から早期審査の対象に加えると発表した。
審査までの期間を大幅に短縮し、環境関連技術の研究開発を促進する。
早期審査は、産業競争力の強化につながる特許出願などを優先して審査する制度。
対象は中小企業や大学による発明などだが、グリーン発明も加える。
直嶋正行経済産業相は23日の閣議後会見で「温室効果ガス削減を知的財産の面からもサポートしたい」と述べた。
対象になると、1次審査までの期間が通常の平均29カ月から2カ月に短縮される。
11月から試行し、問題がなければ本格実施する。【柳原美砂子】
毎日新聞より
2009年10月22日
容器包装3R推進へ
リサイクル主体である消費者、事業者、行政担当者が意見を交わす「容器包装3R推進フォーラム」が22日、京都市中京区のウィングス京都で開かれた。
全国のリサイクル団体や事業者などから約200人が参加し、制度の課題や推進策を話し合った。
ガラスびんやペットボトル、紙やプラスチックなど容器包装リサイクル8団体がつくる「3R推進団体連絡会」の主催。
2006年から行っており、京都では初めて開催した。
午前は連絡会の活動報告に続き、京都大経済学研究科の植田和弘教授が講演。
国際的な経済変動と密接に結びついたリサイクルの現状について話した上で、「制度はあくまで手段であり、ごみ減量や再資源化という目的を明確にした上で、体系的に整備することが必要」と訴えた。
午後は4つの分科会でリデュース(廃棄物発生抑制)や自治体のコスト管理などを討論。
このうちリターナブルびんを回収・再利用する仕組みを話し合った分科会では、
「再利用できるびんでも、処理ルートのない自治体では破砕処理してしまう」
「全国共通規格でないびんの活用には、地産地消のシステムを産業として生かすことが大切」
「消費者にも、傷の付いたびんの許容などリスク分担の必要がある」
などの意見が出されていた。
京都新聞より
びわ湖環境ビジネスメッセ開幕
国内最大規模の環境産業総合見本市「びわ湖環境ビジネスメッセ2009」(滋賀県、滋賀経済産業協会など主催)が21日、滋賀県長浜市の県立長浜ドームで始まった。
12回目の今年はベルギーやカナダ、インドネシアなどの海外9団体を含む過去最多の305社・団体が出展、初日は11,000人が訪れ、環境産業への関心の高さをみせた。
企業や団体は「浄化(水質・土壌・大気)」「環境土木・環境建築」「廃棄物処理・リサイクル」など11分野や特設ブースの494小間に出展。
自社の技術や製品をPRしたり、別席で具体的な商談を詰めたりしていた。
出展内容ではLED(発光ダイオード)照明関連の製品紹介が増え「新エネ・省エネ」コーナー出展者が昨年より大幅に増えた。
近畿、中国、沖縄の3地域の広域産学官連携プロジェクト展示と「食と環境ビジネス」「新連携」の特設コーナーを設けた。
屋外では電気自動車の試乗会も開かれた。
23日までの会期中に昨年並みの36,000人の来場を見込む。
日経産業新聞より
2009年10月21日
海藻を活用し温暖化防止
地球温暖化防止に貢献しようと、青森県内の中小企業経営者らが「青森海洋環境エネルギー推進会議」を設立した。
二酸化炭素(CO2)を活用した海藻の育成と、石油代替燃料としてバイオエタノールを海藻から抽出する事業の構想を掲げる。
推進会議は「海に囲まれた青森の環境を生かしたい」と意気込んでいる。
推進会議は、青森市でクリーニング店を営み、会長に就任した太田竜生さんら県中小企業青年中央会に所属する経営者9人と、青森大の末永洋一学長、琉球大工学部の瀬名波出准教授(伝熱工学)ら有識者6人で発足した。
構想では、CO2を活用した海藻育成などを研究する瀬名波准教授らの助言を得ながら、県内の火力発電所などが排出するCO2を海水に溶かす気体溶解装置や、コンブなどの海藻養殖施設、海藻からバイオエタノールを抽出する工場の設計などを研究、技術の確立を目指す。
太田会長によると、高濃度のCO2を含む海水では海藻の成長が早く、効率良く養殖やエタノール抽出ができるという。
将来的には県内に国の事業や企業の誘致を図る。
本年度は琉球大の研究施設など先進地を視察するほか、県内各地の沿岸で海藻を採集し、構想に適した海藻の選定に取り組む。
構想に賛同する会員企業も募る。
太田会長は「青森県を取り囲んだ海は年間の海水温が安定しており、構想に適している。時間はかかるだろうが、行政や研究者の協力を得て、環境問題の解決に尽力したい」と話している。
河北新報より
2009年10月20日
“厄介者”を資源に
琵琶湖で悩みの種となっている水草。
特に南湖では異常繁茂し、船の航行や漁業に支障が出ている。
そんな厄介者を湖岸を走るバスなどの燃料に活用しようと、京大や県の研究機関が続けてきた実験が、来年度にも実用化される見通しになった。
21~23日に長浜市の県立長浜ドームである「びわ湖環境ビジネスメッセ」でパネル展示される予定で、水草に悩む国内外の河川や湖にとっても朗報となりそうだ。
異常繁茂の原因については、1994年の大渇水で湖底まで日光が差し込んだため、カナダ藻などの水草が伸び始めた、との説もある。
今月8日の台風18号の接近後、湖岸には大量の水草が打ち寄せられ、悪臭を放つようになった。
大津市のなぎさ公園では14日、市と県の職員らが列になって水草の除去作業を行い、岸辺にはみるみる山ができた。
毎年、除去作業を続けている県は、2006、2007年度はそれぞれ7,400万円を投入し、3,000㌧弱を回収して農家に肥料として無償提供した。
しかし財政難の中、2008年度の予算は4,800万円に削減され、回収量は約2,000㌧に。
「これ以上の除去は難しい」のが現状だ。
これを「資源」にしようと考えたのが、県東北部工業技術センターの松本正主任専門員(50)。
石油高騰を機に代替燃料として注目されるバイオエタノールを精製しようと2007年6月に研究を始めた。
その後、遺伝子を組み換えた酵母を開発した京大エネルギー理工学研究所が参画し、精製量が急増。
今年9月から100㍑の大型試験器で量産実験を行ったところ、サトウキビやトウモロコシからの精製率以上の精製が可能になった。
今後は、草を乾燥させずに刈り取ったまま精製して効率を高める方針。
来年4月以降は、湖岸の港近くにプラントを設置しての実用化を検討中で、出資に前向きな企業や財団も募る。
淡水湖の水草問題はアフリカのビクトリア湖をはじめ世界的に顕在化しており、京都・嵐山の桂川や淀川でも課題となっている。
京大の渡辺誠也助教(分子生物学)は「水草が町のバスや公用車の燃料となれば、厄介者は宝になる。循環型社会のモデルとして行政にも応援してほしい」と話している。【安部拓輝】
毎日新聞より
都市農業サミット
都市農業の復権と再生を目指した初の「都市農業サミット」が19日、全国都市会館(東京)で開かれた。
岡村幸四郎川口市長が呼びかけ、宇都宮、市原(千葉)、佐世保(長崎)など全国19市が共同主催。
「都市の農業と農地は全住民の財産。住み良い環境づくりを進める地域社会の構築が不可欠」との共同宣言書を採択した。
▽農地と緑地保全への支援策の拡充
▽産地間交流事業への支援制度創設
▽相続税軽減措置の拡充
――などを柱とした施策提言もまとめた。
20日、農林水産省や財務省などに提出する。
各市長らは代表者会議や分科会で意見交換した。
分科会では、農業従事者の減少や耕作放棄地の拡大などの問題点が指摘された。
岡村市長は「民主党政権に変わった今、農業政策について全国の市長が意見交換する意義は大きい」と指摘した。
参加した各市は、連携しながら都市農業の再生を目指すとしている。【鴇沢哲雄】
毎日新聞より
2009年10月19日
バイオガス活用
東京ガスと大阪ガスはそれぞれ2010年度から、生物由来の資源から作るバイオガスの活用を始める。
食品廃棄物工場や下水処理場からバイオガスを買い取り、液化天然ガス(LNG)から作る通常の都市ガスに混ぜて一般家庭などに供給する。
燃焼時に二酸化炭素(CO2)を出さないと見なされるバイオガスの活用でガス使用に伴う環境負荷を減らす狙い。
東京ガスは廃棄物処理の市川環境エンジニアリング(千葉県市川市)の子会社、バイオエナジー(東京・中央)からバイオガスを調達する。
バイオエネジーでは食品廃棄物を自社工場でメタン発酵させバイオガスを製造している。
大阪ガスは神戸市の下水道処理場が汚泥を発酵させて作るバイオガスを買い取り、都市ガスに混合する。
バイオガスを都市ガスとして使うには不純物を取り除いたり熱量を調整したりする工程が必要。
バイオエナジーや神戸市はこのための設備を新設する。
バイオガスを東ガスや大ガスの導管網に送り込む配管の敷設なども合わせると数億円が必要だが、経済産業省の補助金で全額まかなう。
東ガス、大ガスの買い取り量はそれぞれ年間約80万立方㍍と、標準家庭のガス使用量の約2,000世帯分程度。
買い取り価格は今後詰める。
調達コストが増える場合は一般家庭など向けに価格転嫁するとみられるが、ガス供給量全体に占める調達割合が少なく、影響はほとんどなさそうだ。
都市ガス大手はバイオガス活用に向けて2008年に「購入要領」を作成。
必要設備や成分など買い取り条件を公表したが、これまで実績はなかった。
7月に成立したエネルギー供給構造高度化法でバイオガスの利用を義務付けられたこともあり、両社は具体策の検討を進めていた。
日本経済新聞より
2009年10月18日
全国1位のエコ大学は
大学の環境対策を各大学のサークルなどが評価する「第1回エコ大学ランキング」が先月発表され、フェリス女学院大学が私立大学部門で全国1位に輝いた。
小鳥や昆虫が集う池や草むらが校舎屋上に整備され、太陽光発電や風力発電を活用。
学生食堂から出る生ごみを堆肥(たいひ)化し、学生団体が地域住民向けの環境学習会を企画するなど、大学を挙げたさまざまな取り組みが高い評価に結び付いた。
同大学緑園キャンパス(横浜市泉区)部室棟の屋上に上がると、生物の生息環境「屋上ビオトープ」が広がっている。
小さな池と草むらが整備され、さまざまな昆虫や小鳥がやって来る。
市街地を見下ろす開放的な空間は学生の憩いの場になり、屋上の断熱性が高まることで建物内は冬は暖かく、夏は涼しく保てるという。
校舎には自然エネルギーを活用し、省エネルギー化を図る工夫が盛り込まれている。
体育館は、室温を一定に保つため館内に外気を取り入れる設備を導入。
年間を通じて16度前後の温度を保つ地中を通して外気を館内に取り込む仕組みだ。
キャンパスの地下には殺菌・ろ過された80㌧の雨水を貯水できる巨大タンクがあり、トイレ用のほか、夏場には熱くなった屋根に散水する。
また、環境問題への取り組みを学生に意識してもらおうと、太陽光、風力発電装置の発電量が表示されるエコビジョンを設置。
学生食堂から出る生ごみは学内で乾燥させ、堆肥化される。
環境に配慮した大学づくりは、大学と教職員、学生が連携して進めている。
環境問題を考える同大学の学生でつくる「エコキャンパス研究会」が中心となって、ビオトープの手入れを行い、親子連れを対象に大学周辺の生き物を観察する講座を企画してきた。
部長で同大学2年の小川紀子さん(21)は「大学を挙げて取り組んでいるため、環境問題に関心が高い学生が多い」と話す。
同研究会では学生にマイボトルの持参や節電を呼び掛け、地球温暖化による海面上昇で水没の危機にある太平洋の島国ツバルやキリバスを訪ねるなどして環境問題を学んできた。
環境問題に対する同大学の取り組みは2005年に県の「かながわ新エネルギー賞」を受賞。
全国から視察が相次ぎ、大学の環境対策を学ぶキャンパスツアーに参加する高校生は年間1,600人を数える。
同研究会顧問で環境・資源保全学が専門の佐藤輝・准教授は「大学が中心となって環境問題に取り組み、環境意識の高い学生を育てていきたい」と話している。
◆エコ大学ランキング
大学の環境サークル約300団体が加盟する全国青年環境連盟(エコ・リーグ)を中心に組織する「Campus Climate Challenge実行委員会」の主催。
全国334大学にアンケートを送付し、回答のあった107校の環境対策の取り組み状況を点数化して評価した。
神奈川新聞より
2009年10月16日
「宙博(そらはく)」
宇宙開発や地球環境問題をテーマとした博覧会「宙博(そらはく)2009」(宙博実行委員会主催)が12月3~6日の4日間、東京・有楽町の東京国際フォーラムで開催される。
イタリアの科学者、ガリレオ・ガリレイが初めて天体観測を行ってから400年目に当たる今年が、世界天文年であることにちなんだ催しで、関係者が15日、東京都内で概要を発表した。
月惑星探査ロボットや電気自動車の展示、宇宙服の試着コーナーなどがあり、親子で楽しめるイベントとなりそうだ。
宙博では、宇宙への関心を高めてもらうだけでなく、「環境問題やクリーンエネルギーなどを絡めた内容」(実行委員長の海部宣男・前国立天文台長)となる見通しだ。
初日の3日には、立川敬二・宇宙航空研究開発機構理事長が、日本の宇宙開発について基調講演。
宇宙から見た地球環境問題などをテーマに、各専門家による発表も行われる。
また、月惑星探査ロボットの実物や再使用型ロケットの実験機が展示されるほか、慶応大が開発した電気自動車「Eliica(エリーカ)」の試乗会なども実施。
宇宙服の試着や小型望遠鏡の制作なども体験できる。
宙博は今後10年、毎年開催される予定。
実行委員の一人の立川氏は「日本人が宇宙に行くきっかけになれば」と期待を寄せていた。
フジサンケイ ビジネスアイより
2009年10月15日
栗原の環境米
仙台、名取両市に計2店舗を持つハンバーグレストラン「HACHI」が、栗原市の農家グループの生産する環境保全米「めだかっこ米」のひとめぼれを取り入れた。
メニューのご飯として提供する。
角田秀晴社長(46)は「安全、安心でおいしいコメ。販路拡大と認知度アップの一助になればいい」と話している。
めだかっこ米は、栗原市志波姫の下刈敷地区環境保全活動組織(菅原仁一代表)に所属する6農家が減農薬、減化学肥料で作っている。
安全で自然豊かな水田のシンボルとして、メダカを田に放流している。
角田社長は県と七十七銀行が6月に開いた「食材王国みやぎビジネス商談会」に参加した際、菅原さんらのコメ作りへの熱意や次世代を見据えた取り組みに共感。
店で出すご飯として取り入れることを決めた。
コメは9月中旬に収穫された新米。
香りが良くてふっくらし、客の反応は上々という。
提供は年内いっぱいの予定。
店は普段、栗原市瀬峰産と同市一迫産のひとめぼれを使っている。
河北新報より
2009年10月14日
「トトロの家」跡地
住宅密集地の真ん中に、花と緑に囲まれた小さな赤い屋根、白い窓枠のハイカラな一軒家。
そんなたたずまいが宮崎駿監督のアニメ映画「となりのトトロ」を思わせると親しまれ、今年2月に不審火で全焼した杉並区阿佐谷北の民家跡地が、宮崎監督のデザインで、当時の面影を残した公園に生まれ変わることになった。
住人だった近藤英さん(85)は「宮崎さんのデザインで公園になるとは本当にうれしい」と話す。(安岡一成)
「トトロの家」は昭和初期に近藤さんの叔父、謙三郎さんによって設計されたといい、近藤さんは昭和47年から暮らしていた。
約70平方メートルの洋風建 築の木造平屋で、庭にはクヌギやキンモクセイの巨木のほか、ツバキやサルスベリなど約50種類の草木が生い茂っていた。
春にはバラが咲き乱れ、近隣住民か らは「バラ屋敷」と親しまれていた。
宮崎監督は、東京西郊の古き良き家を訪ねてつづった著書『トトロの住む家』で、「中を窺(うかが)うと、本当に輝くばかりのみどりの庭である」などと紹介。
全国の宮崎ファンが訪れるようになった。
しかし、平成19年夏、近藤さんは転居しなくてはいけなくなり、家は取り壊される可能性が強まった。
近隣住民らはまもなく保存運動を開始。
区に保存を求める署名が全国から6,380人分集まった。
区は周辺の土地と家を買い取り、公園にすることを決定。
設計図も完成し、今年4月に着工予定だった。
ところが、2月14日未明、家は不審火で全焼してしまう。
「焼け跡を眺めていると複雑な思いでね。ただ手を合わせて拝んでいた」。
失意の近藤さんのもとに「建て直すなら寄付したい」という申し出が殺到した。
火事を知った宮崎さんも新しい公園のデザインを引き受けてくれた。
7月、宮崎さん直筆のデザイン画が区に届けられた。
大きなコブシの木がシンボルとして植えられ、トイレの屋根には、元の家に使われていた赤い瓦を再利用する。
ベンチは1脚のみで、お年寄りが座りやすいように石垣を置く…。
「緑をできるだけ生かし、あるものはできるだけ残したい」。
図面には宮崎さんのこだわりがちりばめられていた。
区は来年夏ごろの完成を目指している。
「子供が跡地のそばを通るときにトトロの歌を歌ったり、お母さんが『ここにトトロの家があったんだよ』って教えていたりしているの。トトロの家はなくなったけど、トトロを生んだ宮崎さんがデザインしてくれた公園は、きっと未来への贈り物になるわ」
近藤さんは感慨深げに語った。
産経新聞より
2009年10月13日
「環境技術島」
大阪市は13日、第三セクタービル「大阪ワールドトレードセンタービルディング」(WTC、住之江区)への大阪府庁移転の実現に向けて、府と市、経済界が周辺地区の活性化策を検討する「夢洲(ゆめしま)・咲洲(さきしま)地区まちづくり推進協議会」の中間とりまとめ案を発表した。
両地区を「グリーン・テクノロジー・アイランド(環境技術島)」と位置づけ、3者による企業誘致協働チームを10月中に設置する。
中間とりまとめ案は、15日に開く第2回会合での合意を目指し市が作成した。
5年以内の取り組みでは、環境先進都市のモデルとして環境・新エネルギー産業の集積を目指したまちづくりに向け、両地区約60㌶に企業誘致を進め、2,700億円の設備投資を呼び込み3,200人の雇用創出を目指す数値目標を設定。
税制優遇措置の実現に向けた国への働きかけやコンベンション機能の強化のほか、市部局のWTC周辺への移転も視野に入れる。
中長期的な検討課題としては、経済特区制度の創設をはじめ、大阪市営地下鉄四つ橋線(西梅田-住之江公園)の堺市への延伸やJR桜島線(西九条-桜島)のWTCへの延伸を盛り込んだ。
ただ桜島線については多額の整備費などから「費用対効果の見極めが必要」と指摘。
橋下徹知事によるカジノ構想も「エンターテインメント機能等の付加」との表現にとどまった。
橋下知事は記者団に「桜島線の延伸も盛り込まれた。僕は極めて(高く)評価している」と語った。
産経新聞より
2009年10月12日
「環境配慮型店舗」
24時間営業が当たり前のコンビニエンスストア業界は、環境意識の高まりや消費不況の影響による既存店売上高の減少を補うためのコスト削減策として、店舗の使用電気量削減が緊急の課題となっている。
このため、各社は実験店舗などでさまざまな検証を行っているが、コンビニ最大手のセブン-イレブン・ジャパンは8月31日、最新鋭の環境配慮型店舗「多摩豊ケ岡4丁目店」(東京都多摩市)をオープンした。
この店舗には、京セラや旭硝子などの協力で、多くの最新省エネ設備を導入。
特徴的なのは、レジ部分から通路に沿って天井に光の取り入れ口として設置された「トップライト」だ。
太陽光をふんだんに取り入れることができるため、基本的に昼間は照明を消して使用電気量を削減できる。
さらに、トップライトは採光の際に熱が店内に伝わらないよう断熱効果の高い特殊なガラスを専用に開発した。
セブン-イレブン・ジャパン建設開発部の伊東誠マネジャーは「自然光を取り入れる実用店舗は日本で初めて」と自負する。
屋根には太陽光パネルを設置し、発電した電力は、店内や弁当の照明用に使用。
店内や冷凍冷蔵庫など設備のすべての照明は、蛍光灯に比べて消費電力を抑制できるLED(発光ダイオード)を採用した。
ただ、「これまで使われてきた交流給電システムでは、LEDを導入しても電力消費量の削減に結びつかなかった」(伊東マネジャー)と指摘する。
LEDは直流電流で発光し、太陽光で発電される電気も直流電流。
しかし、一般的なコンビニ店舗は交流システムがほとんどのため、太陽光で発電した電気はいったん交流に変換され、LED発光用に再び直流に戻す必要があった。
直流から交流、交流から直流に変換する際、電気の損失が起きるため、省電力のLEDでも電力消費量の無駄が多くなり削減にならなかったという。
これに対応し、セブン-イレブンは太陽光で発電した直流電流をそのままLEDで消費できる最新システムを導入。
変換ロスをなくして電気の使用効率の向上を実現した。
照明設備以外にも、冷凍冷蔵庫の室外機から出る排熱を利用した給湯設備導入でエネルギーの使用効率を向上。
冷凍冷蔵庫のドアを特殊ガラスにすることで霜取りヒーターを撤去し、使用電気量の削減に生かした。
商品の陳列棚についても、中古のものを色を塗り替えてリサイクルし資源を有効活用する工夫を行った。
これらの省エネにより、新店舗の消費電力量は、2008年度の1店舗平均に比べて約3割削減できる見通しだ。
省電力化だけでなく、利用者にも配慮している。
LEDの場合、白い光が直線的に進むため、光が拡散する蛍光灯に比べると明るさと温かみが少ないという欠点がある。
このためオレンジ色のLEDを混ぜるとともに、商品の陳列棚を照らすようにして利用者が見やすいようにした。
セブン-イレブンは、フランチャイズ(FC)加盟店舗の水道光熱費の約8割を本部が負担する契約となっている。
このため、2007年度には85本使用していた蛍光灯を、今年1月以降の新店や改装店は54本まで減らすなど、省エネ型店舗の開発に積極的だった。
今回の最新鋭の環境配慮型店舗の2店目として、来年の京都市での開店に向けて準備を進めている。
さらに、寒冷地でも環境対応店舗の出店を進めることで、全国的な展開を目指している。(阿部賢一郎)
フジサンケイ ビジネスアイより
2009年10月11日
コウノトリのえひめちゃん
兵庫県豊岡市の「コウノトリの郷公園」に滞在する雌のコウノトリ(国の特別天然記念物)「えひめちゃん」が、今秋も兵庫から約270㌔離れた愛媛県西予市宇和町の宇和盆地に飛来し、水田で遊ぶ姿が確認された。
飛来は4年連続で、地元住民らは「今年も越冬してくれるのでは」と期待を膨らませている。
約1,500㌶の水田が一面に広がる宇和盆地には大小160の溜池があり、コウノトリにとって居心地のよい環境。
えひめちゃんは4年前から、まるで両県の親善大使のように兵庫と愛媛の間を往来している。
宇和町では「イチゴロウ」と名付けられ、毎年秋から冬にかけて数カ月間、エサをつつくなどして越冬する姿が目撃されている。
先月8日、宇和盆地の水田で遊ぶコウノトリの幼鳥4羽が確認され、今月初めには、えひめちゃんを含む2羽が姿を見せ、住民らを楽しませている。
産経新聞より
2009年10月09日
スチール缶リサイクル率
国内の鉄鋼メーカーなどで構成されているスチール缶リサイクル協会は8日、スチール缶の回収・再利用の度合いを示す2008年度のリサイクル率が、前年度比3.4ポイント増の88.5%になったと発表した。
これによって経済産業省が目標に掲げる85%以上のリサイクル率を8年連続で達成した。
スチール缶の2008年度の消費重量77万2,000㌧のうち、68万3,000㌧が建設用の鉄筋などに再利用されたことになる。
同協会は、2008年度から従来の鉄鋼メーカーに加え、回収した空き缶を裁断するシュレッダー処理業者約30社も調査対象にすることで、リサイクル率調査の正確さを高めた。
また、資源の無駄使いを抑制する目的でスチール缶の軽量化も進めており、2008年度は1缶あたりの平均重量を2004年度比で2%軽くすることに成功した。
同協会の内田耕造理事長(新日本製鉄副社長)は、「今後もスチール缶のリサイクル性の高さを広くアピールしていきたい」と語った。
フジサンケイ ビジネスアイより
2009年10月08日
走っても転んでも大丈夫
滋賀県サッカー協会の主導で、保育園の園庭や民間スポーツ施設のグラウンドを土から芝生に変える取り組みが広がっている。
芝を短期間で育てる手法を取り入れており、実際に出来上がった緑一面のグラウンドを前に、施設管理者らは満足げだ。
まだ土のグラウンドが主流の日本だが、協会の担当者は「芝生が当たり前になるようにしたい」と、さらなる普及を目指している。
芝生化は、保育園や幼稚園、民間スポーツ施設など20カ所以上が4月中旬から順次取り組み始めた。
当初は15カ所でスタートし、参加施設が徐々に増えた。
鳥取市のNPO法人「グリーンスポーツ鳥取」(ニール・スミス代表)が提唱する「鳥取方式」と呼ばれる手法で早期養生に成功し、多くの施設が3カ月ほどで緑のグラウンドを手にすることができた。
同方式は、小型ポットで45日間ほど育てた苗(ポット苗)を田植えの感覚で植える手法。
植え込みから約2カ月で緑が一面に広がっていく。
「これまでグラウンドで遊ばなかった子どもたちが今はサッカーをするし、でんぐり返しもする」。
園庭400平方㍍を芝生にシフトした近江八幡市の「金田東保育所」の増田克彦所長は芝生化による変化をこう話す。
720平方㍍を芝生化した愛荘町の秦川保育園の浦部善弘園長は「毎朝6時半に幼稚園に来て芝生の状況を確認している」という。
軟らかい芝の上では走り回って転んでも、けがをする可能性は低く、園長は「園庭の安全が確保され、ありがたい」と話す。
一方、肥料や水まきが不十分など環境が整わないと思い通りに育たない場合もある。
ただ、使用する苗はティフトンという強い成長力を持った種類のため、一度失敗しても苗自体が駄目になるわけではないという。
県サッカー協会の松木栄一郎副会長は「何度もトライすることが大事」と話している。
毎日新聞より
2009年10月07日
究極のエコフライト
JALグループは6日、10月10日ホノルル―11日関西国際空港着のJALウェイズ77便で、現在考えうる全ての環境負荷軽減策を盛り込んだデモンストレーションフライト「究極のエコフライト」を実施すると発表した。
この取り組みは、ASPIRE(通称アスパイア、ASia and Pacific Initiative to Reduce Emissions)と呼ばれ、米国連邦航空局(FAA)、オーストラリア管制会社、ニュージーランド管制会社が中心となり、アジア・太平洋における環境保全のため、航空機からの排出ガスを抑える国際的な取り組みとして、2008年2月18日に設立されたもの。
国土交通省がアジア地区で初めて、ASPIREへの参加を行ったのに伴い、JALグループがアジア初の「究極のエコフライト」を実施する運びとなった。
このデモフライトでは、環境負荷軽減策を実施しない「ホノルル―関西国際空港」便と比較して、消費燃料9,421ポンド(5,362㍑、ドラム缶27本分)の削減、またCO2排出量13,140kgの削減を目指すとしている。
具体的には、出発前の総重量が正確に確定した後に適切な燃料のみを補給し燃料を200ポンド(CO2を279kg)削減、地上駐機中にはエアコン動力を地上施設から供給し燃料2,058ポンド(CO2を2,866kg)削減、通常の出発経路を使わず極力直線状に巡航経路に向かい1,000ポンドの燃料(CO2は1,395kg)の削減、などを実施。
このほかにも、エコノミークラスのワイン容器をガラスからペットボトルへ変更し1本あたり123.25g軽量化、機内誌のページ数を削減、機内食スプーンやフォークの柄を細くし1本あたり2gの軽量化を図るなど、徹底したエコ対策が実施される。《レスポンス 宮崎壮人》
レスポンスより
2009年10月06日
水筒特需
景気低迷による節約志向や環境意識の高まりで、「水筒」の販売が好調だ。
自宅で作った好きな飲み物を持ち歩ける経済性と、資源を節約できることもあり、支持が広がっている。
利用者の増加に合わせ、水筒を持参すれば緑茶などを販売する店舗も登場。
ちょっとしたブームが続きそうだ。
「消費不況で多くの商品の販売が厳しい中、水筒に助けられている」。
横浜ロフト(横浜市西区)の担当者は喜びを隠さない。
今年の水筒の売り上げは1月から月次ですべて前年同月実績を上回り、8月は71%増と大幅な伸びを記録した。
9月も41%増と堅調に推移している。
好調の要因について、横浜ロフトの担当者は「色やサイズの種類が増えているため、職場用と持ち歩き用など用途に合わせて2、3本目を購入する人が多いことがある」と分析している。
最近の人気商品は、ふたがコップになっている昔ながらの形ではなく、保温・保冷の両方に対応できるステンレス製で、直接口をつけて飲むタイプだ。
水筒を製造する魔法瓶業界も特需に沸いており、「ステンレス製まほうびん協議会」によると、携帯用ステンレス製魔法瓶の2008年の国内出荷本数は前年比8.8%増の977万本。
今年も8月末まで771万本とすでに前年の8割近くに達している。
こうした状況を受け、象印マホービンは携帯用魔法瓶の普及推進のため2006年4月から飲み物の販売に協力してくれる店舗の開拓に向けた活動を始めた。
2007年4月からは約2,000社が加盟する全国茶商工業協同組合連合会(全茶連)とコラボレーションしており“給茶スポット”は着実に増加。
9月末現在では、約253店舗の日本茶専門店にまで拡大した。
この活動にそごう・西武は百貨店として唯一参加している。
昨年10月から西武渋谷店(東京都渋谷区)、同11月から西武有楽町(東京都千代田区)の日本茶販売店「林家茶園」などで水筒持参者向けに飲料を販売している。
林家茶園の場合、煎茶(せんちゃ)とほうじ茶、玄米茶から選ぶことができるが、価格は350㍉㍑で420円とペットボトルの緑茶に比べれば割高だ。
ただ、「女性を中心に味にこだわる層に支持されている」(そごう・西武)ことから、他店舗にも拡大する方向で調整を進めている。
フジサンケイ ビジネスアイより
2009年10月05日
「ワカメ」づくりのワークショップ
横浜みなとみらい地区臨港パーク内の「潮入の池」(横浜市西区みなとみらい)で11月28日、ワカメを育てる「夢ワカメ・ワークショップ」(全2回)がスタートする。
ワークショップは、ワカメの育成によって海がきれいになることを学び、多くの人に「横浜の海」への関心を高めてもらうことを目的とし、現在参加者を募集している。
事業は環境系など17団体で組織される「夢ワカメ・ワークショップ実行委員会」が主催。
ワカメなどの海藻は、汚れて「富栄養化」した海水に含まれるチッソやリンなど「海の栄養塩」を取り込んで育つ。
この性質を活用し、海藻育成を通じて横浜港内の海の水質浄化をしようと2002年から活動が始まった。
2008年度は回収総重量495.6kg(乾燥重量35.683kg)のワカメを収穫。
さらに炭素、窒素、リンなどの量をくわしく計測した結果、大人3人が1年間に生活から排出する量を回収したことになったという。
今年度のワークショップでも、観光地であるみなとみらい21地区を「ワカメの生産」という環境教育・学習の場として活用することで、子どもたちの海への関心を高め、環境改善の大切さなどを訴えたいとしている。
11月の第1回目は、5×20メートルのイカダにワカメの種付けを行う。
当日は海藻の機能や役割、ワカメの育成方法について学ぶ。
2010年2月6日の収穫時(第2回目)には、参加者が自らの手でワカメを収穫するほか、味噌汁などの具にして味わう機会も設ける。
また、その間も海の水質や底質、生物などについての体験学習会も行われる。
体験学習会では、ムラサキイガイによる水質浄化実験、水中ビデオカメラを持ったダイバーと水中電話で交信しながらの水中観察会などを実施する予定だ。
実行委員会メンバーの一つ、NPO法人海辺つくり研究会事務局長の木村尚さんは「多くの人が東京湾をきれいにするために、楽しくワカメを育てる活動です。
横浜港でも本当においしいワカメができますよ」と参加を呼びかけている。
参加無料。
定員は240人(先着順)。
申し込みは10月31日まで。
ヨコハマ経済新聞より
2009年10月04日
「いけだエコキャンドル」
環境に優しいまちづくりを進める福井県池田町で先月26日、家庭で不用になった食用油から作った廃油ろうそくを一斉にともすイベント「いけだエコキャンドル」が開かれた。
会場一面には約2万5,000個のろうそくが揺らめき、幻想的な雰囲気を楽しみに多くの人が来場した。
このイベントが始まって5年目。
同町で木工作品を制作している長谷川浩さん(40)は今年の実行委員長を務めた。
エコキャンドルの始まりは、町で2005年から始めた廃油回収事業のPRでした。
当時、池田町ではゴミの削減と有効活用を狙い、家庭から出る生ゴミを回収し、肥料にする「食Uターン事業」を2003年から始めるなど、環境に優しいまちづくりの機運が盛り上がっていました。
生ゴミと共に捨てていてもったいないのが「廃油」。
当時、全国で「菜の花プロジェクト」といって菜の花を育てて、種から菜種油を取り、食用などに使った廃油を集めてバイオディーゼル化して、さらに菜の花栽培のための機械のエネルギーとする循環型農業が少しずつ始まっていました。
これを参考に、池田町でも廃油を集めてバイオディーゼル化することになったのです。
しかし、単に集めるだけではもったいない。
「菜種油などから明かりを採っていたかつての暮らしを思い出し、もったいないの心をよみがえらせよう」と町役場や住民有志が始めたのがこのイベントです。
キャンドルは廃油を凝固剤で固め、しんを立てるまですべて手作りです。
町民有志やお年寄りが力を合わせて作っています。
アートを作るには、一定時間安定して火が着き続けていなくてはなりません。
このため、今でも油の量やしんの高さなどの試行錯誤を続けています。
イベントで使ったろうそくの燃え残りは再び溶かして翌年のろうそくに使うなど、ゴミの減量にも力を入れています。
イベントを始めてから今年で5年目ですが、奥が深くやめられません。
準備は1年がかりなので、町全体がこの日のための準備で一年中何かとにぎやかになります。
また、イベント当日以外にも、「取り組みを参考にするために」と、まちづくりに興味のある町外から見学に来る人も多くなりました。
農業か林業くらいしかない町だからこそ、このイベントの効果は絶大です。
また、もともとは環境への思いから始めたイベントですが、今は「人のつながり」や「日々の暮らし」そのものも見直すきっかけになればとの思いも込めてやっています。
点火には一般の希望者にも参加してもらっていますが、2万5,000個ものろうそくに火をつけるには力を合わさなくてはいけません。
イベントをきっかけに、「協力」や「もったいない」など当たり前の日常を見直すことができればと思い、また来年への準備に取り組みます。
毎日新聞より
2009年10月03日
旅でも“エコ活”
修学旅行で今帰仁村を訪れていた茨城県立麻生高校(秋山久行校長)の2年生約250人が9月18日、同村のウッパマビーチで清掃活動を行った。
清掃活動は同校が昨年からエコ活動の一環として取り組んでおり、旅行先でできることを生徒自らが考え、実践している。
今回、流木や発泡スチロール製の箱など大きなごみから、たばこのフィルターやガラス片まで、軽トラック2台分のごみを集めた。
団長を務める河須崎亘教頭は「旅先で行った活動が子供たちの思い出になり、そして自然を大切にという心をはぐくむという意識の連鎖が生まれるはず。環境問題を考える第一歩になれば」と期待した。
ビーチに隣接し、生徒の宿泊ホテルでもあるベル・パライソの照屋正雄統括部長は「今まで年間2万人の修学旅行生を受け入れてきたが、ビーチクリーンをしていただく学校は初めて。とてもありがたい」と感謝した。(与那嶺透通信員)
琉球新報より
2009年10月02日
世界の環境都市が一堂に
国内外の環境都市や有識者等が一堂に集まり、優れた事例の紹介や低炭素社会実現への議論などを行う「低炭素都市推進国際会議2009」が10月5日、パシフィコ横浜(横浜市西区みなとみらい1)会議センターで開催される。
同イベントは国や自治体、関係団体で構成される低炭素都市推進協議会による主催。
同協議会は、横浜市など13の環境モデル都市をはじめとする自治体、国、関係団体計147団体で構成されている。
当日は、午前の部では国内の環境モデル都市や海外都市などの行政担当者・専門家によるパネルディスカッション(分科会)を3階会議室で行う。
テーマは「低炭素型モデル街区・地域の実現」、「グリーン・エコノミー創出施策の展開」。
また、市民交流会(ランチレセプション)を挟んだ午後の部では、1階メインホールで全体会議を実施。
地球環境産業技術研究機構(RITE)副理事長・東 京大学名誉教授の茅陽一さんによる基調講演の後、環境モデル都市の取組紹介やパネルディスカッション、総括が予定されている。
海外から参加するのは、コペンハーゲン市(デンマーク)、大連市(中国)、ハンブルク市(ドイツ)、ポートランド都市圏行政府(アメリカ)、ストックホルム市(スウェーデン)、フランス政府、欧州委員会の代表者ら。
国際会議の実行委員長である横浜市の事務担当者、黒田美夕起さんは「『鳩山イニシアティブ』など日本の新しい方向性が見えつつある中、CO2排出削減に取り組む国内外の先進都市の切磋琢磨に間近に触れる絶好のチャンス。市民交流会では様々な立場の人が一斉に会して、フランクな雰囲気で未来の低炭素都市像を語り合います。ぜひご参加ください」と話す。
ヨコハマ経済新聞より
2009年10月01日
甲子園球場の銀傘の上で
阪神電鉄は1日、甲子園球場(兵庫県西宮市)の内野席の屋根「銀傘」に大規模な太陽光発電設備を設置する、と発表した。
今月中旬に着工、来年3月からの本格稼働を目指す。
プロ野球チームの本拠地では初めての試みという。
同社によると、設置する太陽電池パネルは約1,600枚(計約1,800平方㍍)。
推定発電電力量は年間約19万3,000㌔㍗で、阪神タイガースが1年間にナイトゲームで使用する照明の電力量に相当し、年約193万円の電気代の節約になるほか、約133㌧の二酸化炭素の削減が見込まれるという。
総工費は約1億5千万円。
坂井信也社長は「野球ファンに環境への関心を持っていただけるきっかけとなってほしい」と期待している。
同球場では、平成19年から3年計画で全面的なリニューアルが進められており、来春には外装や甲子園歴史館の開設などすべての工事が完了する予定。
産経新聞より
甲子園球場の銀傘の上で
阪神電鉄は1日、甲子園球場(兵庫県西宮市)の内野席の屋根「銀傘」に大規模な太陽光発電設備を設置する、と発表した。
今月中旬に着工、来年3月からの本格稼働を目指す。
プロ野球チームの本拠地では初めての試みという。
同社によると、設置する太陽電池パネルは約1,600枚(計約1,800平方㍍)。
推定発電電力量は年間約19万3,000㌔㍗で、阪神タイガースが1年間にナイトゲームで使用する照明の電力量に相当し、年約193万円の電気代の節約になるほか、約133㌧の二酸化炭素の削減が見込まれるという。
総工費は約1億5千万円。
坂井信也社長は「野球ファンに環境への関心を持っていただけるきっかけとなってほしい」と期待している。
同球場では、平成19年から3年計画で全面的なリニューアルが進められており、来春には外装や甲子園歴史館の開設などすべての工事が完了する予定。
産経新聞より