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2009年09月02日
島ノ瀬ダムで小水力発電
和歌山県は、農業水利施設・島ノ瀬ダム(みなべ町東神野川)の放流を活用した小水力発電施設を計画している。
農家の農事用電力費の負担と環境負荷を軽減するのが狙い。
9月県議会に計画費1200万円を提案する。
「小水力」は2,000㌔㍗以下の小規模な発電。
農業水利施設には、未利用の落差など発電の適地があり、エネルギー地産地消の目玉として環境省が普及を図っている。
島ノ瀬ダムは高さ44.5㍍、長さ131.5㍍で有効貯水量は248万㌧。
南紀用水土地改良区に所属するみなべ町と田辺市の農家約1,480戸の梅やミカンの樹園地や水田に農業用水を供給している。
揚水して各地に送るポンプの電力代や関係施設の維持管理費は農家が負担している。
発電は落差約34㍍の放水を活用。
瞬間最大発電能力は119㌔ワット、年間発電量63万㌔㍗時を想定。
約150世帯の年間電力消費量に相当する。
電力会社に売電することで、約500万円分の負担を軽減できる見込み。
水力発電は太陽光や風力発電に比べても安定した発電ができる。
小水力は規模が小さく、建設時の環境負荷が小さい。河川水質や周辺生態系への影響も小さい。
島ノ瀬ダムの発電で年間350㌧の二酸化炭素削減につながるという。
県農業農村整備課は「未利用の農業用水を有効活用することで、一石二鳥以上の効果がある。
農産物価格の低迷や肥料、農薬の高騰に悩む受益者の負担軽減を図ることができる」と期待している。
計画を作成後、国と建設を協議。
国庫補助を得て、2010年度から2カ年で取り組みたいという。
紀伊民報より
投稿者 trim : 2009年09月02日 18:47