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2009年08月25日

鉄道各社「農業」へ

JRや私鉄各社が新たに農業事業を手がけるケースが相次いでいる。

国産の食材への関心が強まるなかで、将来の事業拡大をにらんだ動きといえそうだ。

JR東海のグループ会社で、スキー場「チャオ御岳スノーリゾート」(岐阜県高山市)を運営する飛騨森林都市企画は2009年度から、農業事業に参入した。

高山市内に約5,300平方メートルの農地を借り受けて、地元特産のトウモロコシで、糖度が高い「タカネコーン」の栽培に取り組んでいる。

9月上旬からは初めての収穫を迎え、飛騨森林のホームページで予約販売を受け付けている。価格は8本入りで2,500円。


JR東海では愛知県常滑市でも農業事業を展開。
化学合成農薬を使わずに、レタスやトマトなどを通年で生産する。

同社は、JR東海フードサービス、JR東海ホテルズなど、飲食関連事業を行う会社をグループ会社として抱えており、一定量の野菜を使用している。

食の安全に対する関心の高まりを踏まえ、安全・安心な自社産の野菜類を供給している点をアピールし、JR東海グループへの信頼度を高めていくことが狙いだ。

事業推進本部では「将来的に生産が安定していけば、グループ外にも販売できる体制を整えたい」としている。

JR東日本の子会社、日本レストランエンタプライズ(NRE)は、JAやさと(茨城県石岡市)の農業指導を受け、NREのエキナカ店舗などで排出された食品廃棄物を、堆肥(たいひ)として再利用する実験農園「友部有機リサイクル農園」を設けている。

各種農作物を実験的に栽培してきたが、安定的な生産を目指すため、今年4月に農事組合法人を設立した。

広さ3万平方メートルの農地を利用して、品質が高く、安心・安全な農作物を生産し、エキナカ店などで食材として使用するほか、農作物の販売を目指す。

また、他の地域でも同様な事業展開を視野に入れている。
その狙いの一つが地域の活性化。
都心部と販売イベントなどで連携すれば、双方向の移動が進み本業の事業収入の増加にもつながるとみて期待している。


このほか農業に関連したイベントを展開する動きもある。
京浜急行電鉄は25日から、イベント列車「京急あきたフェア号」を運行する。
同社と秋田県とは、 東京・品川駅の京急の商業施設「ウィング高輪」に秋田県のアンテナショップが入居していることもあって、特に関係が深い。

協力関係を深めるため今年5月には、使用農薬を50%以上削減した「あきたecoらいす」という品種の田植えに、京急グループ社員が参画した。
傘下の百貨店やスーパーなどで展開する京急あきたフェアは11月3日までで、収穫した「あきたecoらいす」を目玉にする。(伊藤俊祐)


フジサンケイ ビジネスアイより

投稿者 trim : 2009年08月25日 11:47