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2009年08月22日

充電式ミニ耕運機

ヤンマーと井関農機は今秋、趣味で家庭菜園を楽しむ団塊世代などをターゲットに、バッテリー式のミニ耕運機の新商品を投入する。

一足早く春に新商品を投入したホンダは、20~40代の女性という顧客層を開拓し、年間販売目標を6,000台から1万台に上方修正した。

年間15万台の耕運機市場は、2009年に1万~2万台の上積みが見込まれ、各社のシェアの奪い合いが本格化しそうだ。


先陣を切って新たな顧客層を開拓したのは、ホンダだ。
今年3月に発売した「ピアンタ」(価格は10万4,790円)は、燃料にガソリンではなく家庭用のカセットガスを採用。

丸みを帯びたデザインと操作の扱いやすさもあって、耕運機を使ったことのない20~40代の女性の心をつかんだ。
年間販売計画の6,000台に対し、8月中旬までで約5,700台の実績を上げている。

ホンダは、ピアンタの販売目標を1万台に修正。
21日には耕運機発売50周年を記念したイベントを東京・青山の本社ビルで開き、自社製品をアピールした。

一方、女性だけでなく、農業機械の扱いに慣れていない定年退職後の団塊世代も狙っているのが、ヤンマーと井関農機だ。
ヤンマーは9月から、ニッケル水素 電池を搭載した「QT10e」(6万8,250円)を発売する。
二酸化炭素(CO2)の排出をゼロにして環境面に配慮したほか、作業中の低騒音などが特長だ。
同社は「家庭菜園を楽しむ方で、農業機械に触れたことのない人にぜひ購入してもらいたい」と意気込む。

井関農機も今秋、リチウムイオン電池を搭載した「KDC20」(10万円程度)を発売する。
いずれも家庭用のコンセントで繰り返し充電できる。

ヤンマーの新製品は、本体重量が15.5㌔と3社の商品の中で最も軽量。
井関の新商品は約3時間でフル充電が可能で、充電1回当たりの電気代が30円程度という。

ガソリンに代わるクリーンエネルギー戦略でシェア拡大を狙う両社に対し、ホンダの山田琢二汎用事業本部長は「充電のことを考えれば、カセットガスの方が使いやすいのでは」と自信をみせる。

農林水産省によると、全国の農業体験型「市民農園」は10年前に比べ1.5倍に増えており、首都圏の家庭菜園も人気を集めており、ミニ耕運機の市場も拡大が予想されている。


フジサンケイ ビジネスアイより

投稿者 trim : 2009年08月22日 11:28