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2009年08月19日
海藻育成土壌
新日本製鉄は2009年度中をメドに製鉄工程で発生するスラグを使用した藻場造成土壌を商品化する。
全国の海岸で実証実験を進め、実用化にメドをつけた。
毎年大量に発生するスラグリサイクルの新用途を開拓する。
価格は1㌔㌘当たり数百円になる見通し。
自治体などに売り込み、初年度全国で10~20カ所程度の導入を目指す。
転炉から発生する二価鉄イオンを含む鉄鋼スラグと腐植土を混合して海岸部に敷き詰める。
2004年以降、北海道から長崎県まで15カ所程度で実験を実施。
スラグ中の鉄分が溶け出すことでコンブやホンダワラなど海藻類の育成速度が3倍に高まることを確認した。
藻場造成礁の使用量は1カ所当たり10㌧程度になる見通し。
海藻類の育成には鉄分が不可欠だが、森林が少なくなると海への鉄分供給が途絶える。
このため森林伐採が進んだ地域では沿岸部の海藻類が減少する「磯焼け」が深刻化している。
新製品はこの磯焼け防止の切り札として売り込む。
新日鉄グループが排出するスラグの超は年間1,200万㌧程度。
リサイクル率は99%に達するが、セメント材や道路舗装材の利用が圧倒的多数を占める。
建設需要低迷でセメント材の引き合いも減っており、スラグリサイクルの新用途開拓が急務だった。
日経産業新聞より
投稿者 trim : 2009年08月19日 14:32