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2009年08月31日
小・中学生の施設見学受け入れ
京都市伏見区の千両松地域の廃棄物処理業者(リサイクル業者)15社で構成する、千両松地域エコ協議会(京都市、福岡進会長)は8月4日、京都市産業廃棄物指導課が企画した「夏休み~ゴミと資源を考えるさんぱい施設見学会」の一行を迎え、会員各社の施設などに案内した。
当日は、京都市内の小・中学生と保護者など42人が参加。
午前10時過ぎに集合した一行は、まず同協議会員が取り組む事業の内容に関する説明を受けるとともに、会員によるリサイクルに関する具体的な話に耳を傾けた。
地元の大手飲料メーカーからは、省資源タイプの軽量PETボトルに入った飲み物が参加者に提供、プラスチックリサイクルの“生の教材”としても活用された。
同協議会には、RPF製造や蛍光管・乾電池、古紙、使用済みPETボトル、アスファルト・がれき類など多様な産廃を扱う企業が属しており、一定地域に施設が集積・立地している。
見学ツアーは施設数の多さから、大半がバス乗車で行われた。
一部工場では全員が下車し、工場現場の様子を見て回った。
午後12時半には、再び会員企業の会議室に集合、京都市から参加賞が授与され解散した。
参加者アンケートでは、半数以上から「来年も参加したい」との回答があり、好評だった。
千両松地域エコ協議会は、今回のような見学者の受け入れのほか、公共関係の環境イベントに参加。
2カ月に1回のペースで清掃を行うなど、地域貢献活動にも継続的に取り組んでいる。
循環経済新聞より
2009年08月30日
茶殻が七変化!
伊藤園が緑茶飲料「お~いお茶」の製造過程で排出される茶殻のリサイクル事業に取り組んでいる。
これまでに世に送り出したリサイクル製品は、7月下旬に 発売した茶殻入り名刺用紙「マルチカード〈名刺〉茶殻リサイクル紙」で約30種類に達した。
技術面でも、水分を含んだままの茶殻を有効活用するという独自 のシステムを確立し環境への配慮を徹底している。
伊藤園が年間に排出する茶殻の量は、平成19年度で43,000㌧に上る。
緑茶系飲料の売り上げ拡大で年々増え続けており、この処理が大きな懸案となっていた。
以前は肥料としてリサイクルしていたが、茶殻にはカテキンやビタミンなど有効成分が多く、抗菌・消臭効果もあるため、平成12年から身近な製品に利用することを前提に社内で本格的な研究に乗り出した。
当初から研究に当たった開発部の佐藤崇紀主事によると、最初は茶殻を乾燥させ、多くの製品に配合する方向でリサイクル技術の開発に取り組んだ。
だが、次第に「これでいいのか」と違和感を覚えるようになる。
「茶殻を乾燥させるのに使うエネルギーや乾燥機の導入費用を試算すると、(コストが)けた違いの数字になり、現実的でないことに気づいた」という。
さらに、乾燥工程で石油系燃料や電気を使うことにも「環境に悪いリサイクルをやっているのでは」と、抵抗があった。
このため佐藤氏は、水分を含んだままでリサイクルする方法を模索し始める。
技術開発に協力してくれる企業を探したところ、畳材料製造の北一商店(東京都世田谷区)が、畳床用のボードに混ぜ込むこと素材として採用してくれることになった。
ただ、水を含んだままの茶殻は腐りやすいという問題があった。
実際、運搬時にその重みによって内部の温度が上昇し、何度も腐らせてしまう失敗を繰り返した。
しかし試行錯誤の末、平成13年末までに水を含んだ茶殻を保存する技術や腐らせずに運搬する技術、原料として配合する技術を次々に開発し、リサイクルシステムを確立した。
製品の第1号として平成15年に生まれたのが、畳床に茶殻配合ボードを使った「さらり畳」だ。
さらに、リサイクル推進の上で分岐点となったのが、日本油脂(現日油)と共同でプラスチックへの配合に成功したことだ。
平成15年夏に抗菌効果のある「茶配合樹脂ペレット」を開発。
樹脂化に成功したことで、最終製品への応用が飛躍的に高まった。
同年8月に樹脂の板材を開発し、平成16年に外側に板材を張り付けた環境配慮型の自動販売機を京都市伏見区の総本山醍醐寺に設置したほか、ベンチやボールペンなど採用製品の幅は大きく広がった。
佐藤氏は茶殻リサイクルの事業活動を「エコ仲間作り」と呼ぶ。
製品が多くの企業の協力で成り立っているためだ。
茶殻入り名刺用紙の製品化でも、エコ仲間は広がった。
伊藤園は昨年5月から茶殻配合のリサイクル名刺を社員全員が持つようになったが、これを見たOAラベルなどのメーカー、エーワン(東京都千代田区)が「見るだけで環境にやさしいと分かる用紙がほしい」と要望し、茶殻入り名刺は商品化されることになった。
伊藤園は平成14年にリサイクル製品の専門組織を特販部内に設け、エコ仲間作りを続けている。
現時点でリサイクルしている茶殻の量は全体の5%未満、売上高も前年度で2,500万円にすぎないが、今年度はこれを倍増させる計画だ。
新製品をコンスタントに生み出し、茶殻リサイクルを早期に収益事業へと育て上げることを目指している。
産経新聞より
2009年08月29日
雨水貯留管を小学生が見学
横浜市北部の雨水貯留管「新羽末広幹線」で29日、現地見学会が開かれ、地元小学生と保護者計72人が参加した。
同市環境創造局主催。
鶴見川付近の標高が低い地域は、大雨が降ると洪水による冠水被害が出ていた。
そのため1993年度から雨水を一時的に貯留し、晴天時に鶴見川に放流する貯留管の整備が進められている。
参加者は横浜市港北区菊名7丁目から地下60メートルの工事現場に下り、作業用のミニ列車に乗って貯留管の中を移動。
担当者の説明を熱心に聞きながら、「工事が終わった後、トンネルを掘削する機械はどのように撤収するのですか」などと質問していた。
下流区間の約8㌔は2003年度に完成。
同年度から上流区間約5㌔に着工し、昨年8月にはシールド工法で内径5.25㍍、長さ約3.3㌔の貯留管を敷設する工事が始まった。
現在、約1.8㌔まで掘り進められ、2012年度末の完成を予定している。
カナロコより
2009年08月26日
「家庭菜園経験」
タキイ種苗がまとめた野菜と家庭菜園に関する調査結果によると、家庭菜園を経験している人は57.3%にのぼった。
家庭菜園を始めた理由は「節約のため」が36.9%で最も多く、次いで「安全のため」が36.3%と、経済性や食の安全性を重視する姿勢が浮かび上がっている。
現在、家庭菜園で野菜を作っている人は36.5%。
特に女性の30代では約40%がベランダ菜園や市民農場などを借りて野菜を育てていることが分かった。
家庭菜園歴については「1~3年未満」が30.2%、「10年以上」のベテランは16%で5年以上を合わせると27.6%だった。
「家庭菜園で野菜を作ってみたいですか」との質問には、79.7%が「関心がある」と回答した。
そのうち、約半数の46.3%が「ベランダ(室内)菜園に関心がある」と回答した。
調査は農業関連従事者を除く20代以上の男女600人を対象に、7月23~27日
にインターネットで実施した。
日経産業新聞より
2009年08月25日
鉄道各社「農業」へ
JRや私鉄各社が新たに農業事業を手がけるケースが相次いでいる。
国産の食材への関心が強まるなかで、将来の事業拡大をにらんだ動きといえそうだ。
JR東海のグループ会社で、スキー場「チャオ御岳スノーリゾート」(岐阜県高山市)を運営する飛騨森林都市企画は2009年度から、農業事業に参入した。
高山市内に約5,300平方メートルの農地を借り受けて、地元特産のトウモロコシで、糖度が高い「タカネコーン」の栽培に取り組んでいる。
9月上旬からは初めての収穫を迎え、飛騨森林のホームページで予約販売を受け付けている。価格は8本入りで2,500円。
JR東海では愛知県常滑市でも農業事業を展開。
化学合成農薬を使わずに、レタスやトマトなどを通年で生産する。
同社は、JR東海フードサービス、JR東海ホテルズなど、飲食関連事業を行う会社をグループ会社として抱えており、一定量の野菜を使用している。
食の安全に対する関心の高まりを踏まえ、安全・安心な自社産の野菜類を供給している点をアピールし、JR東海グループへの信頼度を高めていくことが狙いだ。
事業推進本部では「将来的に生産が安定していけば、グループ外にも販売できる体制を整えたい」としている。
JR東日本の子会社、日本レストランエンタプライズ(NRE)は、JAやさと(茨城県石岡市)の農業指導を受け、NREのエキナカ店舗などで排出された食品廃棄物を、堆肥(たいひ)として再利用する実験農園「友部有機リサイクル農園」を設けている。
各種農作物を実験的に栽培してきたが、安定的な生産を目指すため、今年4月に農事組合法人を設立した。
広さ3万平方メートルの農地を利用して、品質が高く、安心・安全な農作物を生産し、エキナカ店などで食材として使用するほか、農作物の販売を目指す。
また、他の地域でも同様な事業展開を視野に入れている。
その狙いの一つが地域の活性化。
都心部と販売イベントなどで連携すれば、双方向の移動が進み本業の事業収入の増加にもつながるとみて期待している。
このほか農業に関連したイベントを展開する動きもある。
京浜急行電鉄は25日から、イベント列車「京急あきたフェア号」を運行する。
同社と秋田県とは、 東京・品川駅の京急の商業施設「ウィング高輪」に秋田県のアンテナショップが入居していることもあって、特に関係が深い。
協力関係を深めるため今年5月には、使用農薬を50%以上削減した「あきたecoらいす」という品種の田植えに、京急グループ社員が参画した。
傘下の百貨店やスーパーなどで展開する京急あきたフェアは11月3日までで、収穫した「あきたecoらいす」を目玉にする。(伊藤俊祐)
フジサンケイ ビジネスアイより
2009年08月24日
「航空教室」
羽田エクセルホテル東急(大田区羽田空港3)で8月22日、小中学生を対象とした「JAL機体整備工場見学&空から見た地球環境講座」宿泊プランが開催された。
同ホテルが企画する宿泊プラン「航空教室」の一環で、夏休み企画としては今回で2回目。
滑走路側のスーペリアツインルームに宿泊し、JAL羽田機体整備工場を見学。
さらに、同社地球環境部スタッフが地球環境保全への取り組みに関する講座を開く。
予約開始日に参加者が定員の40人に達する好評だったため、最終的には73人を受け付けた。
遠方からの参加もあったという。
機体整備工場見学では、初めにJALスタッフが飛行機の構造や飛行原理、機体の素材、燃料、エンジンの構造などについて講義形式で解説し、参加者は機体を軽量化するための素材に実際に触れ揚力を生みだす翼の構造などを学習。
その後格納庫に移動し、間近に着陸する飛行機に夢中になりながらも、翼の構造による着陸体勢の違いの説明に熱心に耳を傾けた。
工場案内を担当したJAL広報部の月川雅夫さんは「普段乗っている飛行機がどういう仕組みで飛んでいるのかを知ってもらえるきっかけになればうれしい。飛行原理の話など、小さい子には少し難しい話もあるが、さらに理解したいという気持ちでステップアップしてほしい」と話す。
「空から見た地球環境講座」では、飛行中のコックピットから撮影した気象現象の写真などを用いて温暖化の実態を講義形式で解説。
温暖化が招く水蒸気の増加が、シベリア上空に従来は見ることのなかった積乱雲を形成している写真や、本来緑があるはずのアラル海の「砂漠化」、福岡市上空に舞い上がった黄砂、バングラディシュの大洪水など、気象の変化を目の当たりにした参加者からは驚きの声も上がった。
講座で説明を担当したJAL地球環境部マネジャーの吉田建夫さんは「地上では見えない地球の変化を航空会社としてわたしたちに伝える力があれば、それを伝えることが社会的責任だと思っている。このようなイベントを通じ、子どもたちに『丸ごとの地球』で環境を見る目を持ってほしい」と期待を寄せる。
羽田経済新聞より
2009年08月22日
充電式ミニ耕運機
ヤンマーと井関農機は今秋、趣味で家庭菜園を楽しむ団塊世代などをターゲットに、バッテリー式のミニ耕運機の新商品を投入する。
一足早く春に新商品を投入したホンダは、20~40代の女性という顧客層を開拓し、年間販売目標を6,000台から1万台に上方修正した。
年間15万台の耕運機市場は、2009年に1万~2万台の上積みが見込まれ、各社のシェアの奪い合いが本格化しそうだ。
先陣を切って新たな顧客層を開拓したのは、ホンダだ。
今年3月に発売した「ピアンタ」(価格は10万4,790円)は、燃料にガソリンではなく家庭用のカセットガスを採用。
丸みを帯びたデザインと操作の扱いやすさもあって、耕運機を使ったことのない20~40代の女性の心をつかんだ。
年間販売計画の6,000台に対し、8月中旬までで約5,700台の実績を上げている。
ホンダは、ピアンタの販売目標を1万台に修正。
21日には耕運機発売50周年を記念したイベントを東京・青山の本社ビルで開き、自社製品をアピールした。
一方、女性だけでなく、農業機械の扱いに慣れていない定年退職後の団塊世代も狙っているのが、ヤンマーと井関農機だ。
ヤンマーは9月から、ニッケル水素 電池を搭載した「QT10e」(6万8,250円)を発売する。
二酸化炭素(CO2)の排出をゼロにして環境面に配慮したほか、作業中の低騒音などが特長だ。
同社は「家庭菜園を楽しむ方で、農業機械に触れたことのない人にぜひ購入してもらいたい」と意気込む。
井関農機も今秋、リチウムイオン電池を搭載した「KDC20」(10万円程度)を発売する。
いずれも家庭用のコンセントで繰り返し充電できる。
ヤンマーの新製品は、本体重量が15.5㌔と3社の商品の中で最も軽量。
井関の新商品は約3時間でフル充電が可能で、充電1回当たりの電気代が30円程度という。
ガソリンに代わるクリーンエネルギー戦略でシェア拡大を狙う両社に対し、ホンダの山田琢二汎用事業本部長は「充電のことを考えれば、カセットガスの方が使いやすいのでは」と自信をみせる。
農林水産省によると、全国の農業体験型「市民農園」は10年前に比べ1.5倍に増えており、首都圏の家庭菜園も人気を集めており、ミニ耕運機の市場も拡大が予想されている。
フジサンケイ ビジネスアイより
2009年08月21日
窓ガラスをコースターに
住宅の解体で処分される古い窓ガラスの再利用に、仙台市太白区の建築士由利収さん(40)らが取り組んでいる。
ステンドグラスの技法を使い、模様が入った「型板ガラス」をコースターに加工した。「もったいない」の発想から、廃棄される運命の資材を、暮らしに潤いを与える小物に生まれ変わらせた。
コースターは約7.5㌢四方。
由利さんのアイデアを基に、若林区のステンドグラス作家高橋奈未さん(27)が手掛けた。
カットしたガラスに銅で縁取りしただけのシンプルな仕上げで、かすり状やしまの模様をそのまま生かしている。
商品化の第1弾として約20枚を製作。
1枚1,000~1,050円で、由利さんの知人が経営する雑貨店で試験的に販売を始めた。
材料となる型板ガラスは1960~70年代、国内メーカーがさまざまな模様で製造し、住宅にも使われたが、現在はほとんど生産されていない。
由利さんは建築士として住宅の解体現場に立ち会う中で、産業廃棄物として処分されるガラスを「もったいない」と感じていた。
「柄がきれいで、今のガラスにはない味わいがある」とコースターに再生することを思いつき、知り合いの高橋さんに加工を依頼した。
材料の調達や加工の手間などから、大量に作ることはできないが、今後も少しずつ製作、販売していく。
「環境負荷を減らす考え方やガラスの魅力を知ってほしい」と由利さん。
高橋さんも「なかなか出合えない素材」と型板ガラスにほれ込み、余った材料も無駄にしないよう、ペンダントヘッドの商品化も企画している。
由利さんは「コースターを手始めに、解体現場で出る古い木材も家庭で使えるものに再生していきたい」と話し、不要になった型板ガラスの提供を呼び掛けている。
河北新報より
2009年08月20日
「エコドライブ」
環境に優しい運転を心掛ける「エコドライブ」が神奈川県内トラック事業者に広まりつつある。
県トラック協会(神ト協)が全国に先駆けて2000年度から行っている講習会は、ほぼ毎回定員に達する好評ぶりで、これまでに約1,800人が参加。
排出ガスの抑制だけでなく、経費削減や事故防止に通じることも関心が高い理由となっている。
講習会は、三菱ふそうトラック・バス、いすゞ自動車、日産ディーゼル、日野自動車の協力を得て、荷物を積んだ状態を再現した4㌧トラックを使用。
参加者は普段通りに運転して燃費を測定した後、各トラックメーカーから派遣された講師の指導でエコ運転を実践し、燃費改善の効果を比較する。
今月1日に横浜・南本牧ふ頭で行われた講習会には、トレーラーでコンテナ輸送を行う運転手ら18人が参加。
2.4㌔のコースでの平均改善率は25.8%。
燃料を月に1万円分使う人ならば、2,500円ほどを節約できることになる。
参加者はエンジンブレーキを使うと燃料供給が自動的に止まる機能の説明を受けたほか、発進時に余計にアクセルを吹かせるなど運転の癖を直すことで燃費が大幅に改善することに驚いた様子だった。
神ト協では本年度、運転手向け講習会を20回開催するほか、中間管理職向け講習会を7回開催する。
本年度からは新たに経営者向け講習会も開き、エコドライブがコスト削減にもつながることをアピールする方針だ。
横浜港では、港内の物流事業者と横浜市の連携キャンペーン「ゆっくり走ろう! 横浜港」が展開中。
市港湾局は「安全で効率的な運転技術は事故防止にもつながる。講習会の共催など協力したい」としている。
神ト協は9割以上の会員が中小・零細業者。
交通・環境部の伊奈利夫部長は「運転手が忙しい平日は講習会に参加しにくいとの声もある。土曜日の開催回数を増やすことで参加機会を増やしたい」と話している。
カナロコより
2009年08月19日
海藻育成土壌
新日本製鉄は2009年度中をメドに製鉄工程で発生するスラグを使用した藻場造成土壌を商品化する。
全国の海岸で実証実験を進め、実用化にメドをつけた。
毎年大量に発生するスラグリサイクルの新用途を開拓する。
価格は1㌔㌘当たり数百円になる見通し。
自治体などに売り込み、初年度全国で10~20カ所程度の導入を目指す。
転炉から発生する二価鉄イオンを含む鉄鋼スラグと腐植土を混合して海岸部に敷き詰める。
2004年以降、北海道から長崎県まで15カ所程度で実験を実施。
スラグ中の鉄分が溶け出すことでコンブやホンダワラなど海藻類の育成速度が3倍に高まることを確認した。
藻場造成礁の使用量は1カ所当たり10㌧程度になる見通し。
海藻類の育成には鉄分が不可欠だが、森林が少なくなると海への鉄分供給が途絶える。
このため森林伐採が進んだ地域では沿岸部の海藻類が減少する「磯焼け」が深刻化している。
新製品はこの磯焼け防止の切り札として売り込む。
新日鉄グループが排出するスラグの超は年間1,200万㌧程度。
リサイクル率は99%に達するが、セメント材や道路舗装材の利用が圧倒的多数を占める。
建設需要低迷でセメント材の引き合いも減っており、スラグリサイクルの新用途開拓が急務だった。
日経産業新聞より
2009年08月18日
冷やせヒートアイランド
夏場にビルやアスファルトの排熱などで気温が上がるヒートアイランド現象に、首都圏の自治体が対策を相次いで打ち出している。
横浜市は霧吹き(ミスト)冷却装置への補助制度を実施中。
埼玉県や千葉県ではビルの屋上や壁面の緑化が本格化している。
暑さが厳しい東京都心では夜間の放熱を防ぐビル塗装や打ち水の効果を長持ちさせる舗装など新たな工夫も広がり始めた。
横浜市は公開空地など公共性の高い空間にミスト冷却装置を設置する事業者への補助制度を設けている。
機器と設置工事費の2分の1を、最大500万円まで負担する。
ミスト冷却装置は昨年、中区内の歩道や駅のホームなどに導入された。
今年も今後3年間にミストによる気温の変化を記録する事業者を募集、資金援助する。
埼玉県は2008年度から、県の技術を使い一般開放を前提に、屋上や舗装面を緑化する企業などへ助成金を出す「みどりのモデル展示事業」を始めた。
2008年度は3件を承認した。
千葉県袖ヶ浦市は今夏初めて、市役所や市立小中学校など16施設で側面をツル植物の「緑のカーテン」で覆う実験を始めた。
ヒートアイランド現象が深刻な都内では港区が6月、ビルの屋上に日光の反射率が高い塗装を施すクールルーフ事業の助成枠を拡大した。
日光の反射率が高い塗装はビルの蓄熱を抑え、夜間に熱が放出するのを防ぐ。
千代田区は今年度、室外機に水を吹き付けて排熱を冷やす装置の設置に助成を始めた。
吸水設備があれば1台4万~5万円程度で設置でき、設置費用の半額、50万円まで補助する。
品川区は7月、戸越公園駅近くの宮前商店街に水を含みやすい保水性舗装道路を整備した。
これまでに整備した3カ所はいずれも商店街。
屋外を歩きながらでも涼しく買い物できるようにして商店街の活性化を狙う。
日本経済新聞より
2009年08月17日
特産品開発に27作品
沖縄県八重瀬町の特産品開発に取り組む同町商工会は12日、開発費の助成対象として公募していた新商品開発、既存商品開発の作品審査会を具志頭農村環境改善センターで開いた。
町内外の15団体から27作品の公募があり、町農産物のピーマンやオクラ、紅イモなどを利用した特産品が提案された。
町商工会は全作品への開発費助成を決め、10月ごろ開催予定の八重瀬まつりで試作品を発表する予定。
町商工会は中小企業庁の「地域資源∞全国展開プロジェクト」から助成金800万円を受け、町農産物を「南国カラフルベジタブル」として活用し、食品のほか規格外農産物を利用した化粧品などの加工品の開発などを目指している。
今回の試作品開発に約300万円を充てる。
公募作品は、紅イモの発泡酒や菓子、ピーマンの漬物やジャムなどさまざま。
唯一高校生の南部商業高校マーケティング部は、ピーマンを沖縄そばの麺に練り込んだ商品を提案した。
町役場や農協の職員、識者などで構成される審査員が商品の特色や商品パッケージ、販路、原材料の供給源などについて質問、助言などしていた。
町商工会経営指導員の新里司さんは「町内の事業所が共通の場所でアイデアを出し合い、考えを深めていくことで地域も活性化する。八重瀬町の知名度を上げる名産品の開発につながってほしい」と期待した。
琉球新報より
2009年08月16日
期待も熱い「自然エネルギー」
緑の山々の間から硫黄の匂いとともに、もうもうと大量の白い水蒸気が立ち上がっている。高台からこの蒸気を見下ろすと、巨大なコンクリートの“煙突”が姿を現した。
ここは岩手県八幡平市の東北水力地熱株式会社「松川地熱発電所」。
水蒸気を出しているのは冷却塔(高さ46㍍、直径45㍍)で、外気温によっては地上約200㍍まで達するという。
同所は1966年10月に稼働を開始した日本初の実用地熱発電所だ。
現在、八幡平市周辺の約6万世帯に電気を供給している。
地熱発電はマグマの熱で200度を超えた蒸気を地下約1,000㍍から取り出し、タービンを回して発電する。
枯渇することのない純国産の自然エネルギーで、天候に左右されることもなく安定した電力供給を見込める。
地熱発電の候補地の多くが国立公園に指定されていたり、温泉地の近くであったりするため、景観を損なうなどの理由で発電所建設には難色を示す人も多い。
同発電所そばの松川温泉にある老舗宿「松楓荘」の高橋晟さん(66)は「言ってしまえば温泉宿自体も景観を壊していることに変わりはないでしょう。
それでも発電所のおかげでここまで道路が整備され、電気も通るようになりました」と話す。
また、「考え方は人によって違うかもしれないが、この場所に住んでいる私たちはこの先も一緒に発展していければと思っています」と、温泉との共存共栄を高橋さんは力説する。
全国に地熱発電所は18カ所。
認可された総出力電力のうち、東北地方の電力が半分を占めているという。
二酸化炭素をほとんど排出しない地熱発電。温泉大国・日本ならではの「エコ発電」に、期待も熱くなっている。
産経新聞より
2009年08月15日
「乗り捨て型」実験
横浜市と国土交通省などは横浜市内で、自転車を低料金で借り、乗り捨てるように他の場所で返すことができる「コミュニティーサイクル」の事業性を探る社会実験を担う事業者を公募する。
市や国交省は日本での本格的な導入に向けて、社会実験を通じて事業化する場合の課題などを洗い出す狙い。
コミュニティーサイクルは街中に自転車の貸し出しと返却ができる無人の拠点を多数設置し、短い距離でも気軽に借りられるようにする仕組み。
パリなどで導入されている。
実験は10~12月の間の約15日間を想定している。
市はみなとみらい21地区や関内といった中心部の市有施設など10カ所の土地や施設を自転車の設置拠点として事業者に無料で貸し出す。
利用者や地域の住民や企業へのアンケート調査、利用者に配る地図の製作費用なども負担する。
一方、事業者は実験で使う自転車約100台の調達や拠点の設置費用、保険の加入費用などを負担する。
実際に参入した場合の事業性を探るため、利用は有料を基本とする。
市はコミュニティーサイクル事業への参入を検討する事業者の応募を見込む。
最大で3事業者を選定する。
応募は31日まで受け付ける。
問い合わせは横浜市都市交通課。
日本経済新聞より
2009年08月14日
クルマ利用の新たな選択肢
時間貸駐車場「タイムズ」を展開するパーク24グループは、駐車場事業に加え、1台のクルマを不特定多数の利用者が利用する、カーシェアリング事業を本格的に展開し始めた。
タイムズ駐車場にカーシェア用車両を用意、有効活用しようというもの。
パーク24はすでにカーシェアリング事業「カーシェア24」を展開していたマツダレンタカーと提携し、カーシェアリング市場の早期拡大を目指す。
2014年までに4000台規模まで拡大する計画という。
拡大計画の第一弾として7月17日から8月末をメドに、東京の六本木、青山、渋谷などをはじめとする約100か所のタイムズにカーシェア24のステーショ ンを開設、エリアの需要にあわせた国内外モデル200台規模の車輌を配備する。
従来は、カーシェア用車両としてマツダ『デミオ』とダイハツ『ムーヴ』が用意されているが、フィアット『500』やBMW『1シリーズ』なども用意される。
「東京拡大」キャンペーンでは、利用時に必要なカードの発行料が1,000円(通常は1,500円)。
月額基本料金も12月31日まで無料になる(通常はAプランが4,000円。Bプラン1,000円)。
利用料金は15分までごとに、一般Aプランがコンパクトカーで200円、ミドルクラスが400円、一般Bプランがコンパクトカーで300円、ミドルクラスが500円と設定されている。
Aプランは月額基本料金が高めで従量課金が安め、Bプランはその反対の料金体系だ。
通常のレンタカーとの比較において、一般Aプランのコンパクトカーで1時間800円に対しレンタカーは5,775円、8時間でカーシェア24が5,600円に対しレンタカーは6300円となる。
9時間以上はカーシェアーリングの方が高くなる料金体系となり、遠出のドライブよりも自宅やオフィスのあるエリア内や近隣地域での用足しや買物などの足として、利用しやすい。
カーシェア24の会員は、対人・対物補償が無制限。
もちろん車輌保証もついている。
個人で車両を保有した場合の駐車場代をはじめ、ガソリン代、保険料、税金、車検代が一切かからないのがメリット。
実際の予約は携帯やウェブ、コールセンターででき、車両のある駐車場でカードを操作することで、ドアキーのON/OFFができる。
このように環境への配慮や日頃の車両維持費などで頭を悩ますマイカー族に、駐車拠点と移動や行動に関するアイテムの好材料が示されたわけだ。
カーシェア24を運営する側では、マツダレンタカーが車両の管理を行なう。
マツダレンタカーにとっては、レンタカーと比べて、デポや営業所を設けずに利用者がセルフサービスでクルマの借り出しと返却をするので、施設費や人件費などの節約が可能だ。
そしてパーク24グループがクルマの一時預かりの場所や車庫代わりの拠点としてタイムズ駐車場を活用、インフラ整備を担うことになる。
パーク24のPRマネジャーである野澤夢美グループマネジャーは「公共性の高い時間貸駐車場運営においても、カーシェア24は、駐車場内外の人の動線も活発になるので意義があります」と歓迎する。
他方、マツダレンタカーの企画運営担当である総括部の加藤将輝マネジャーは「カーシェア24では、誰にでも使いやすく低燃費のデミオを中心に車両を揃えました。レンタカーのようにその都度デポに出向いて手続きをせずに、気軽にいつでもどこでもリーズナブルな料金で楽しめます」とカーシェアリングを促す。
レスポンスより
2009年08月13日
京セラ工場に緑のカーテン
京セラは工場など事業所の外壁をゴーヤなどの植物で覆い、緑化や省エネを促進するエコ活動を進めている。
平成19年に1拠点で始めたが、今年は全国12拠点に拡大した。
年間の二酸化炭素(CO2)吸収量は合計約2,700㌔㌘(スギ約194本に相当)に及ぶという。
省エネ効果を検証しながら、さらに実施事業所を拡大する方針だ。
植栽で建物を覆うことから「グリーンカーテン」活動と名付けた。
同社の調べによると、グリーンカーテンを施した外壁は表面温度が15度低下。
この結果、午前中はエアコンの運転を止めるなど、省エネにつながっているという。
また、収穫したゴーヤは社員食堂で提供。
枯れたゴーヤは堆肥(たいひ)にし、他の植栽の育成に利用するなど「循環型」をテーマに取り組んでいるのも特徴だ。
長野岡谷工場(長野県岡谷市)では今年から、「カーテン」への散水に、工場で使用した水の利用を始めた。
同工場の植栽は長さ140㍍に及び、散水は1日2~3㌧の水が必要。
生産工程で使った水を浄化し、再利用することで、節水効果も出ているという。
同社は「建物を覆う緑にはリラックス効果もあり、社員には好評。工場から種をもち帰って自宅でグリーンカーテンを始める社員も出るなど、エコ意識が広がっている」と話している。
産経新聞より
2009年08月12日
【エコシティー】 宮古島市・糸満市
沖縄県宮古島市と糸満市は新エネルギーの体験設備を整備した「次世代エネルギーパーク」を活用し、観光客や地元住民が環境関連施設を周遊できるエコツアーを構築する。
ガソリンにバイオエタノールを混ぜたバイオ燃料の製造施設や、太陽光発電システムなどを見学するコースを整備、担当者が施設の特徴を解説する。
環境関連施設を新たな観光資源としてアピールする。
宮古島市は石油販売のりゅうせき(浦添市)の「E3」と呼ばれるバイオ燃料の製造施設や、沖縄電力の風力発電、地下ダム資料館など市内の7~8の環境関連施設をコースにする。
2009年度中に太陽光発電システムを活用したモデルハウス3棟を建設、一般開放する計画だ。
2010年度をめどにコースを巡るツアーをつくる。
観光ツアーを手掛ける地元企業と連携し、周遊バスの運行を予定する。
料金など詳細を詰める。
糸満市は太陽光発電システムを取り付けた市庁舎と、市の第三セクターでワインを製造する「糸満観光農園」をエコツアーの中核施設にする。
同市は2002年に県内の先駆けとなり市庁舎に太陽光発電システムを導入。
糸満観光農園には風力発電システムを設置している。
2009年度中に市に両施設の特徴を解説する専用窓口を設置する予定。
日経産業新聞より
2009年08月11日
「余部鉄橋の錆」
余部鉄橋の錆(さび)はいかが―。
平成22年度の完成を目指し、コンクリート橋への架け替え工事が進むJR山陰線・余部鉄橋(兵庫県香美町)近くのギャラリーが、同鉄橋の廃材となった鋼材の錆を記念グッズとして売り出し、鉄道ファンらの注目を集めている。
錆を袋に詰めたグッズは「余部鉄橋の錆」。
余部鉄橋の写真ギャラリーを管理する米澤照夫さん(61)が考案した。
使う鋼材は昭和30~40年代の補修工事で古くなり、米澤さんら地元住民が譲り受けた建設当初の鋼材の一部という。
米澤さんは一時捨てることも考えたが、余部鉄橋は明治45(1912)年建設の約1世紀にわたる歴史ある鉄橋で、間もなく姿を消すことから「捨てるのはもったいない」と再利用を検討。
「甲子園の砂」をヒントに「余部鉄橋の錆」として売り出すことにした。
すでに鉄道ファンらが買い求め、地元の人気グッズとなっているという。
米澤さんは「まだ錆はたっぷりあります」と話している。
1袋(200㌘入り)100円。
問い合わせは米澤さん((電)0796・34・0078)。
産経新聞より
びわ湖環境ビジネスメッセ
滋賀県は10月に開く環境ビジネス見本市「びわ湖環境ビジネスメッセ2009」の出展者が、過去最大の305団体となると公表した。
12回目の今年は10月21日(水)~23日(金)に長浜市の県立長浜ドームで開催。
環境関連技術、新製品、サービスなどを494小間で展示する。
出展者では国内企業が243社と昨年より30社増え、不況下でも環境関連ビジネスへの関心の高まりをうかがわせた。
地域も北海道から沖縄まで全国に広がり、規模別では中小が74%を占めた。
他に大学・自治体・団体などの産学官連携が22者参加、海外からの参加者などもある。
展示内容では「新エネ・省エネ」の出展者が増加。
太陽光発電や燃料電池、LED(発光ダイオード)照明関連の展示が目立つ。
ドーム前広場では天然ガス自動車のPRや電気自動車の試乗も行う。
昨年並みの3万6,000人の来場を見込んでいる。
日経産業新聞より
【関連HP】廃ガラス再資源化プラントの株式会社トリム
2009びわ湖環境ビジネスメッセへの出展が決まりました!
2009年08月10日
ハイブリッド電車
JRグループの研究機関「鉄道総合技術研究所」(東京都国分寺市)は、次世代型車両として、水素を燃料にした「燃料電池」で走る「ハイブリッド電車」を開発し、ブレーキをかけた際に生じるエネルギーを蓄積したバッテリーと組み合わせることで、安定走行を可能にした。
燃料の安全性やバッテリーの耐久性などの研究を進め、実用化を目指す。
ハイブリッド電車は、水素と酸素を反応させたエネルギーを使用。
ブレーキをかけた際に生じるエネルギーはリチウムイオンバッテリーで蓄積し、「エネルギーのリサイクル」を行う。
反応に必要な酸素は空気中から取り込み、余分にできる水や窒素を車外に排出する。
国内の約4割を占めるディーゼル車両と比べ、「排ガスの心配もなく、クリーン」(山本貴光研究室長)だという。
既存の電車は架線から電気を取り入れて走行しているが、ハイブリッド電車は架線が不要。
山本室長は「停電や変電所の架線トラブルで立ち往生する心配もない」と説明する。
もともと鉄道総研では燃料電池の車両開発を進めてきた。
だが、燃料電池だけだと、1車両を動かすのが限界だった。
今回、新たにバッテリーとハイブリッド構成にすることで、格段に力が増したという。
今春から試験車両を走らせて実験し、480㌔㍗の電気を作ることに成功。
既存の電車は300~600㌔㍗の電気を使うとされるが、力は劣らない。
加速にも問題はなく、設計上は時速100㌔を出すことも可能だ。
試験した線路区では速度制限があり、時速45㌔までしか出せないが、この速度で安定して走行できることが今回確認された。
鉄道総研では平成19年11月~20年3月の間、札幌市交通局の協力を得て、市の路面電車区間で、「架線・バッテリー型」のハイブリッド電車の走行実験を実施。
その結果、既存の車両と比べ10%の省エネ効果があったほか、マイナス10.9度の厳しい条件でも安定走行が確認された。
さまざまな可能性を秘めたハイブリッド電車だが、課題もある。
水素を使う燃料電池を車両に使うことへの安全性の検証や、「30年持つ」とされる既存車両との耐久比較の実験がまだ済んでいないことだ。
また1両1億円の車両相場に対し、ハイブリッド車両は燃料電池だけで1億円とされ、コストの問題もある。
山本室長は「エネルギーの効率化が叫ばれる中、10年、20年後に燃料電池が必要となり、その時に研究を始めたのでは遅い。時代のニーズに応えたい」と話している。
産経新聞より
2009年08月08日
花火大会、不況で湿りがち
仕掛け、型物、スターマイン――。
腹に響くごう音とともに夜空を彩る花火。
日本の夏の風物詩だが、世界的な不況のあおりを受ける地域も出ている。
今年の花火大会事情は。
7月から8月にかけて各地で開かれる花火大会。
8日は埼玉県熊谷市や前橋市など、9日は新潟市などで開催が予定されている。
しかし、群馬県太田市は5月に中止を決めた。
富士重工業群馬製作所を中心に自動車関連企業などが集積する地域。
「市は中小企業対策に50億円を緊急融資する。その一方で、協賛金を募っては企業の抵抗感が懸念される」という理由だ。
2009年度予算で市税21億円の減収が見込まれ、事業費約5,000万円の全額負担も厳しい。
隣接する伊勢崎市の「いせさき花火大会」も中止になった。
ヤマハやスズキなどの製造業が経済基盤の静岡県西部でも花火大会の中止が相次いだ。
毎年約3万発を打ち上げる袋井市の「ふくろい遠州の花火」は実行委員会が3月に中止を決めた。
約9,000万円の協賛金は4割ほどしか集められるめどが立たなかったという。
実行委は「取引関係のある会社の間で『花火に出す金があるならその分(取引額を)負けろ』という話まであったと聞く」と残念がる。
湖西市の「湖西湖上花火大会」も不況を理由に開催を見合わせた。
新潟県燕市も中止。
同市は下請けを含む金属加工メーカーが多く、大手輸出型企業の業績悪化が響いた。
こうした状況から、例年同様の約2万発が打ち上げられた1日の「第95回足利花火大会」(栃木県)は、大会前、事務局の商工会議所に「開催するのか」という問い合わせが相次いだ。
1903年に始まった伝統行事だけに、「中止」と早合点して存続を求める声も寄せられたという。
花火業界団体の日本煙火協会(東京都)はホームページに全国の大会情報約200件を掲載している。
河野晴行専務理事は「祭り同様、昔からの地域行事として根付いた花火大会はまずやめない。最近、イベントとして始めた大会に中止が多いのでは」と指摘。
そして「花火には不況や災いを取り除く厄払いの意味があり、こういうご時世こそ景気づけになる」と強調する。
静岡県磐田市で7月18日に開かれた「愛宕神社奉納手筒花火」。
例年2基の仕掛け花火を1基に減らしたが、事務担当者は「市民に元気になってもらうには必要」と話した。
協賛金が目標を上回る6,973万円に達したケースもある。
長野県諏訪市の「第61回諏訪湖祭湖上花火大会」だ。
1949年、戦後の混乱の中で市民に希望を与えようと始まり、湖上の「ナイアガラ」など、山に囲まれた自然をいかした花火にファンも多い。
同市によると、精密機器などの製造業が多く、大口を含めこれまで協賛した24社に断られたが、新規に8社が加わり、「厳しい時こそ元気を出そう」「福利厚生費を削って(協賛金を)出したい」と計254社が応じてくれたという。
ほぼ例年並みの4万発を15日に打ち上げる予定だ。
毎日新聞より
2009年08月07日
ハイブリッド鉄道車両
「ハイブリッド車」といえば真っ先にクルマを思い浮かべるが、実は鉄道車両にもハイブリッドが存在する。
JR東日本が長野県の小海線で運行している『八ヶ岳高原列車』は、世界で唯一の営業用ハイブリッド・ディーゼル車が使用されている。
このハイブリッド車は「キハE200系」と呼ばれるもので、運行されているのは量産前にデータを集めるための先行試作車。
シリーズ(直列)式のハイブリッドで、出力450psのコモンレール式直噴ディーゼルエンジンを搭載するものの、それは純然たる発電用。
エンジンは駆動力に一切寄与しておらず、車両を駆動させるのは電車と同様のモーターとなる。
小海線は山梨県の小淵沢を起点に、長野県の小諸を終着とする全長約79kmの路線。
前半はアップダウンが続き、全国のJR線の中で最も標高の高い地点(標高1,375m)も存在する山岳区間。
後半は駅間距離が短いため、加減速を頻繁に繰り返すことになるなど性格が異なり、テスト中のハイブリッド車を「いじめる」には最適の環境といえる。
夏休み中は土日を中心に、小淵沢-野辺山間で1日5往復が運転される。
従来型の車両は急勾配をエンジン全開でゆっくりと進んでいくが、ハイブリッド車は音を立てることもなくスイスイと上る。
時間に余裕があればその違いを味わってみるのもよいだろう。
レスポンスより
2009年08月06日
生協の白石さんがエコ質問に回答
日本生活協同組合連合会が運営している環境キャンペーン特設サイト内の「ひとことエコブログ」で、“生協の白石さん”こと白石昌則さんが、エコに関する質問に答える。
コメント欄で募集した質問に、白石さんが回答し、ブログ記事として掲載する。
「エコをより身近に感じてもらい、エコ活動の普及推進を目指す」としている。
10月までの期間限定。
白石さんは現在、生協店舗のない大学の学生向け店舗「東京インターカレッジコープ」の店長。
ITmedia Newsより
2009年08月05日
環境配慮の店舗
ニッポンレンタカーサービス(東京・渋谷)はニッポンレンタカー信州(長野県)の軽井沢駅北口営業所(長野県軽井沢町)で環境配慮システムを導入した。
太陽光発電や発光ダイオード(LED)の照明、遮熱塗装・フィルムを使い、省エネに取り組む。
消費者の環境保護への意識が高まっているのに対応する。
同店をモデル店舗とし、順次拡大する方針だ。
太陽光発電で得られる電気は売電して夜間の車庫や看板の照明の電気料金と相殺、従来より二酸化炭素(CO2)の排出量を10%減らす。
LED照明は事務所各室のほか車庫や看板で利用、CO2の44%削減を見込む。
屋根には遮熱塗装を施し、窓ガラスには遮熱フィルムを張る。
冷房時に3度前後の保冷・保温効果があるという。
貯水量5,000㍑の浄化槽を埋設、雨水をため洗車に使う。
タンクが満水なら250台を洗える。
日経流通新聞より
2009年08月04日
92.4%がゴミ問題に関心
内閣府が今年6月に行った環境問題に関する世論調査で回答者の92.4%がごみ問題に関心を持っていることがわかった。
2001年時の調査に比べ2.6ポイント増えた。
また、「レジ袋をもらわないようにしたり(買い物袋を持参する)、簡易包装を店に求めている」(62.0%)は2005年9月調査時より30.1ポイント増とほぼ倍増。
ゴミや資源に対する消費者の意識の高揚とともに、事業所側でも買い物袋持参者にエコポイントの特典をつけたり、レジ袋の有料化を図るなど、取組の成果が窺えた。
調査は今年6月4日から14日にかけて全国の20歳以上の男女3,000人を対象に個別面接聴取方式により実施され、1,919人から有効回答を得た。
それによると、「(ごみの問題を深刻だと考え)ごみを少なくする配慮やリサイクルを多少意識して実施している」人が52.2%、「いつも、ごみを少なくする配慮とリサイクルを実施している」人が14.9%と67.1%の人がごみの減量やリサイクルを意識して、取り組んでいた。
具体的な減量化への取組では「詰め替え製品をよく使う」(63.3%)や「レジ袋をもらわないようにしたり(買い物袋を持参する)、簡易包装を店に求めている」(62.0%)が6割を超え、「すぐに流行遅れになったり飽きたりしそうな不要なものは買わない」(43.6%)、「買いすぎ、作りすぎをせず、生ごみを少なくするなどの料理法(エコクッキング)の実践や消費期限切れなどの食品を出さないなど食品を捨てないようにしている」(40.6%)と言う取組も5人中2人が行うなど多かった。
特に「レジ袋をもらわないようにしたり(買い物袋を持参する)、簡易包装を店に求めている」は2005年9月調査時よりほぼ倍増。
「詰め替え製品をよく使う」も8.8ポイント増加。
また、「壊れにくく、長持ちする製品を選ぶ」も6.9ポイント増え、38.6%に、「壊れたものは修理して何度も使う」も7.4ポイント増加して36.8%になっていた。
一方、ごみの最終処分場の残余年数が平成18年度末時点で一般廃棄物であと約15.6年、産業廃棄物であと約7.5年分の残余年数しかないといわれるなか、国が取り組むべき策についての質問では「リサイクルや焼却をする前に、まず、ごみの発生を減らすこと(リデュース)に取り組むべきだ」が47.0%「ごみや不要品を再使用(リユース)や再生利用(リサイクル)することに取り組むべきだ」が35.9%「ごみを処分するための焼却施設や最終処分場の整備に努めるべきだ」が12.9%。内閣府では「(2005年調査時と)大きな変化はみられない」としている。
なお、「3R(リデュース、リユース、リサイクル)」については45.0%の人が「聞いたこともない」と回答。
言葉は知っているが、意味は知らないとい う人(23.6%)を含めると68.6%に上るなど、循環型社会構築を呼びかける3R活動が暮らしの中にさほど浸透していない状況もわかった。(編集担当:福角忠夫)
サーチナより
2009年08月03日
家庭廃食用油のバイオ再生重油化
全国オイルリサイクル協同組合(東京・中央、長谷川徹理事長)、新日石総研(東京・港、山地隆彦社長)は「家庭廃食用油のバイオ再生重油化」について講演を行う。
今回の講演は、経済産業省資源エネルギー庁委託調査事業として実施したもの。
従来の再生重油に植物油由来の家庭廃食用油を混合調整することによる低廉かつ環境にやさしいバイオ再生重油の製造を目的とした。
また一般家庭から排出される家庭廃食用油の回収の仕組みづくりが大きな課題だったが、今回の回収実験では、給油所、スーパーマーケット、市民の協力を得て札幌市の社会福祉法人が廃食用油の回収事業を行った。
その結果各部門の連携、協力が好結果を生み、家庭からの廃食用油の回収量も月ごとに順調に拡大した。
こうした環境関連の新たな産業分野は、地域における障害者の新たなビジネスモデルとしての側面もあると考えられている。
今回は調査報告書がまとまり、取り組み内容の紹介と今後の展開について講演会を開催する。
開催要項は次のとおり。
日時 8月18日(火)14時~16時30分(講演会)
場所 ホテルノースイン札幌・北農健保会館
参加費 無料(申込不要)
問い合わせ
全国オイルリサイクル協同組合(電話03-5250-5086 池田寿文専務理事)
新日鉄総研(環境・製品技術調査部 電話03-6811-1214 岡本康男部長)
循環経済新聞より
2009年08月01日
「クールビズ・トレイン」
東急東横線渋谷駅4番ホームで8月1日、車両内の温度を通常の冷房時より1~2℃高い、おおむね27℃に設定した「クールビズ・トレイン」の出発記念イベントが行われた。
環境省が主導する「チーム・マイナス6%」のチーム員企業である同電鉄が、今年の自主的取り組みとして、日中時間帯(10時~16時)に限り行う。
クールビズ・トレインは、東横線の「5000系」車両と横浜高速鉄道「Y500系」車両を合わせた26編成のほか、池上線、東急多摩川線の「7000系」車両4編成で運行。
同車両の外観に、クールビズ・トレインを啓発するステッカーを貼付するほか、東急東横線とみなとみらい線の主要駅構内にポスターを掲出する。
渋谷駅長、環境省地球環境局国民生活対策室長のあいさつに続き、女性誌「Popteen」の人気モデル菅野結以さん、舟山久美子さんが、自身がデザインした浴衣を着て登場。
「わたしたちPopteenモデルは、若者を代表し、未来の子どもたちにきれいな地球を残せるよう、日ごろからクールビズを意識して 生活することを誓います」とクールビズ宣言した後、テープカットが行われた。
実施は8月31日まで。
シブヤ経済新聞より