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2009年07月29日

環境研究資金の投資戦略 1年前倒し

環境省は28日、環境分野に研究資金を投入する際の指針「環境研究・環境技術開発の推進戦略」の改定版の策定時期について、1年前倒しする方針を明らかにした。

当初は現行指針を2011年3月に改定予定だったが、温室効果ガスの削減をめぐる国内外の議論が急展開しており、来年3月に取りまとめることにした。

地球温暖化防止に向けた2013年以降の枠組み「ポスト京都」を成功に導く研究活動に、重点投資する方針を明確にする。

前倒しで見直す推進戦略は、研究資金を効果的に投入するための道しるべといえる。
2006年3月に策定され、5年後に見直す計画だったが、研究政策を取り巻く環境が急ピッチで変化した。


米国のオバマ政権が環境や自然エネルギー分野への積極投資を表明し、日本を含む、主要先進国の20年時点の温室効果ガス排出削減目標が出そろった。

7月の主要国首脳会議(サミット)でも、「先進国全体で2050年までに80%以上削減する」ことで合意した。

中国やインドなど主要排出国の積極姿勢を引き出すための交渉は難航しているが、ポスト京都に向けた下地づくりは徐々に進展してきている。

こうした状況を踏まえ、中央環境審議会(環境相の諮問機関)は今秋、ワーキンググループを設置し、「気候変動問題がより重視される時代の環境技術はどうあるべきか」(環境研究技術室)議論する。

成果は、来年3月をめどに開く専門委員会で最終的に取りまとめる段取りだが、研究資金の配分方法の見直しについても検討する。

環境省は、大学や公的研究機関などを対象に広く研究テーマを募り、専門家の審査を経て支給する「競争的研究費制度」の仕組みを活用し、温暖化対策や廃棄物処理など4種類の研究費を投入している。
これを一本化することを視野に入れる。

今後、途上国で深刻化する公害問題と温暖化問題を同時に解決するなど、横断的な環境支援が増える方向にある。
これを支える研究資金を効果的につぎ込むのが狙いだ。

環境省は2009年度予算で、前年度比2割増の107億円を確保したが、今後は戦略投資への集中が一段と高まることになる。


フジサンケイ ビジネスアイより

投稿者 trim : 2009年07月29日 11:45