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2009年07月06日
耕作放棄地対策 活発に
農家の高齢化や米価低迷などが原因とされる耕作放棄地拡大に歯止めをかけようと、都道府県が独自の対策を展開し始めた。
日本経済新聞社が6月中旬、47都道府県の知事に独自の対策をとっているかどうかを聞いたところ、46都道府県で実施していることが分かった。
団塊世代による就農支援や地域米のブランド化など内容は様々だ。
地域の特性を生かす試みとして自治体関係者の関心を集めているのが、滋賀県や岡山県が力を入れる地域農産物のブランド戦略だ。
滋賀県は景観保全など様々な機能を持つ水田を維持するため、多様な魚や水生昆虫が生息できる環境を整える「魚のゆりかご水田事業」に取り組む。
環境配慮型の水稲栽培に助成し、収穫したコメを「魚のゆりかご水田米」として2006年に商標登録した。
“環境米”としてブランド化する狙いだ。
岡山県では田をそのまま利用できる枝豆への転作を推進。
「おかやま黒豆」ブランドに育てるため、枝豆収穫機や選別機の導入に助成している。
京都府も水田を使った小豆、黒大豆、京野菜、茶などの産地づくりを支援している。
農業への市民参加を促す動きも広がってきた。
神奈川県は団塊世代を活用。
定年退職者らに5㌃程度の区画の農園を貸し出している。
専門家による栽培研修も受けられ、技術を身に付けた利用者は「かながわ農業サポーター」として耕作放棄地の復旧に力を貸すこともある。
熊本県は若い世代の農業への関心を高めようと、耕作放棄地で小中学生による農業体験と食育活動を実施している。
埼玉県も小中学校周辺の遊休農地で植え付けから収穫までを体験する「学校ファーム事業」を展開。
見捨てられた農地を学びの場として有効活用している。
こうした独自策は農地の復旧費や設備投資などを助成する国の対策と併用することで相乗効果を高める狙いがある。(産業地域研究所 若杉敏也)
日本経済新聞より
投稿者 trim : 2009年07月06日 14:31