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2009年06月25日

使い終えてもエコ

エコ家電など電化製品の循環型社会への寄与度を客観的に評価するため、経済産業省は統一的な指標の策定に乗り出す。

「リデュース(廃棄物の抑制)」「リユース(再使用)」「リサイクル(再資源化)」の総称である“3R性能”をベースに、製品寿命や解体の容易性など環境性能を共通の評価基準で測る試みで、消費者は製品を比較しやすくなる。

評価方法の国際標準化も視野に入れており、省エネ機能以外にも再資源化など日本の得意技術を世界にアピールし、家電産業の競争力の底上げを狙う。

経産省は7月中旬にも「環境配慮製品推進研究会」(仮称)を設置。
メンバーはメーカー、販売店、消費者らで構成する。
日本電機工業会や電子情報技術産業協会、日本冷凍空調工業会など業界団体に参加を要請するほか、日本チェーンストア協会や大手家電流通懇談会などにも協力を呼びかける。

研究会は“3R性能”を基準に、メーカーの3R配慮設計が進む家電製品を第1弾の評価対象とする。
評価の基準は
(1)原材料の使用の合理化
(2)長期使用の促進
(3)原材料や包装材の工夫
―などで、項目ごとに詳細の評価指標を設定する。

研究会はどの評価指標を最終形の統一指標に反映するかを検討。
同時に、3R性能を分かりやすく消費者に知らせる表示方法のあり方についても議論。
平成22年3月末までに一定の方向を示す方針。

さらに、3Rの性能情報を提供するメーカーの参加を促すため、表彰制度を来年度にも創設する。
グリーン購入制度の対象品目に3R配慮製品を加えることも検討。
自治体などが3R配慮製品を優先的に購入できるよう環境整備も進めたい考えだ。

環境配慮家電の統一評価を推進する背景には、3R配慮製品をめぐる国際標準化をリードしたいとの思惑がある。
家電製品協会は「日本が3R情報の“見える化”で先手を打つことは将来、国内メーカーが競争優位性を発揮するための布石となる」(環境部)とみている。

現状では、3R関連情報の開示方法がメーカーによってまちまちなため、客観的に製品比較するのは困難。
統一指標ができれば消費者が異なるメーカーの製品の3R性能を比べることができるようになる。

ただ、3R性能は省エネ機能のように家計に直結しにくいため、どこまで消費者の購買意欲に結びつくかは不透明だ。
フランスの大手小売業カジノが、リサイクル率を商品に表示して消費者に受け入れられている事例もあるが、日本では多様なエコラベルが乱立。
混乱を招かずに新指標を浸透させるには課題も少なくない。


産経新聞より

投稿者 trim : 2009年06月25日 10:41