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2009年05月09日

補正予算案 国会論戦過熱


過去最大規模の新追加経済対策の裏付けとなる2009年度補正予算案をめぐる国会審議が本格化、論戦が過熱してきた。

政府は省エネ家電の購入促進など内需拡大策を予算の柱に据えて景気の下支えを狙う。

しかし、野党の「バラマキ」批判はやまず、政府とのつばぜり合いは激しさを増すばかり。

予算成立が遅れれば、対策の経済効果を低減させる恐れもあり、審議の行方は、今後の景気動向に影響を与えかねない。


「実際に使われるようになったときの社会的なインパクトの大きさは相当なもんだと思っている」――。

8日の閣議後会見で2009年度補正予算の効果に対して胸をはった与謝野馨財務・金融・経済財政担当相だが、同日の衆院予算委員会では「ヘリコプターから金をまくような政策」と民主党からの厳しい批判にさらされた。

補正予算案の事業規模は、過去最大の約56兆8,000億円にのぼる。

政府は2009年度の雇用創出効果を20万人程度(年度平均)と見込む。
GDP(国内総生産)の押し上げ効果は1.9%程度に及び、2010年度以降を含めると2008年度比で2.9%程度にまで拡大すると試算する。

省エネ家電の購入費を還元するエコポイント制度、環境対応車への買い替えなどの普及促進費を計上。
3~5歳の子供に2009年度に限って年3万6,000円を給付する「子育て応援特別手当」も盛り込んだ。

しかし、アニメや映画などの「日本ブランド」の振興として、「国立メディア芸術総合センター」(仮称)の建設費が計上されたことに対しては、「新たなハコモノ予算」との反発が民主党内から浮上している。

とはいえ、今年1~3月期のGDPが過去最大の悪化幅を記録する懸念がある中、市場関係者からは「追加対策が遅れれば消費者へのインパクトが弱まり、消費喚起の効果は薄れる」との声ももれる。


■経済危機対策関係経費の概要

(1)雇用対策(1兆2,698億円)

○職業訓練、再就職、生活への総合的な支援など(7,068億円)
○緊急雇用創出事業の拡充など(3,085億円)
○雇用と住居を失った人への住宅・生活支援など(2,500億円)


(2)金融対策(2兆9,659億円)

○中小企業、中堅・大企業の資金繰り支援(2兆2,628億円)
○住宅ローンの円滑な借り入れ支援をはじめとする住宅・土地金融の円滑化など(7,031億円)


(3)低炭素革命(1兆5,775億円)

○太陽光発電の導入支援や学校の耐震化、エコ改修など(6,081億円)
○環境対応車への買い替えなどの普及促進(3,702億円)
○エコポイントによるグリーン家電の普及加速(2,946億円)


(4)健康長寿・子育て(2兆221億円)

○医療機関の機能強化、医師確保などの取組支援など(8,207億円)
○介護職員の処遇改善、介護施設の開設などに対する支援など(8,361億円)
○子育て応援特別手当(年36,000円)の拡充など(3,652億円)


(5)底力発揮・21世紀型インフラ整備(2兆5,775億円)

○農地の集積化促進や林業の再生など農林漁業の底力の発揮(1兆131億円)
○先端技術開発・人材力強化、中小企業支援(7,932億円)
○湾岸・空港インフラの強化など地域連携と競争力強化の基盤整備(4,262億円)


(6)地域活性化など(1,981億円)

○定住自立圏などにおける民間投資の促進、地方の優良なまちづくりに対する支援など(1,237億円)


(7)安全・安心確保など(1兆7,089億円)

○障害者の自立支援対策の推進などの社会保障(2,293億円)
○ゲリラ豪雨対策などの防災・安全対策(1兆1,711億円)
○街頭防犯カメラなどの治安体制の整備など(2,973億円)


(8)地方公共団体への配慮(2兆3,790億円)

○本施策における公共事業などの追加に伴う地方負担の軽減を図るための「地域活性化・公共投資臨時交付金」の交付(1兆3,790億円)


合計(14兆6,987億円)

※四捨五入のため合計は一致しない


フジサンケイ ビジネスアイより

投稿者 trim : 2009年05月09日 11:46