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2009年02月03日
国交省が「まちづくり支援強化法案」
国土交通省は、事務所や店が閉鎖し空洞化した「シャッター商店街」の活性化や、地域の歴史遺産をいかした「歴史まちづくり」などを手がける「まちづくり会社」への無利子資金貸付制度などを盛り込んだ「まちづくり支援強化法案」を、通常国会に提出した。
まちづくり会社は地域の地元企業などが主体となって運営している第三セクターが多いが、昨今の不況深刻化にともない経営が苦しく、活動を資金面からバックアップする必要があると判断した。
このほか、土地保有者が変更しても歩道の管理協定などを継続させる制度なども新設する。
まちづくり支援強化法は、都市再生特別措置法と都市開発資金貸付法の一部を改正。
空き地、空き店舗の活用や駐車場整備、中心市街地の古い蔵など歴史的街並みの再生といった、まちづくり会社やまちづくり公社が行う各種の事業に対して無利子で貸し付ける。
財源として、2009年度通常予算に、「都市環境維持・改善事業資金」として20億円を盛り込んだ。
また、町の景観にマッチした屋外広告物の設置やオープンカフェの設置といったソフト面の事業に対しても、「エリアマネジメント支援事業」として、1億5,000万円の予算を設定し、補助することにしている。
今回、市町村の指定を受けたNPOなどが、地区計画などの都市計画を提案できる制度もつくる。
都市計画法の提案制度では、5,000平方㍍以上の区域を対象にする面積要件が設けられているが、新制度では面積要件がつかない。
小規模な広場の整備などを想定しており、「より地域に密着した身近な計画が期待できる」(国交省)という。
このほか、歩行者デッキや地下通路など、歩行者の安全性、利便性向上を図るための経路整備・管理について、土地所有者らが結んだ協定を、所有者が変わっても自動的に承継できる「歩行者ネットワーク協定」制度も新設した。
管理費用の分担や清掃・防犯活動、ベンチ、エスカレーターなどの設置・管理などをあらかじめ取り決めていれば、市町村長の認可によって、土地所有者の一部が変わっても、その協定内容が引き継がれることにする。
同省によると、これまでの自主的な協定では、所有者の一部である企業が破綻(はたん)したような場合に、協定の承継がうまくいかず、管理しづらいケースが多かったという。
法的に協定承継を担保することによって、長期にわたって安定したまちづくりが期待できるという。
さらに、市町村の都市再生事業に対して国から交付される「まちづくり交付金」についても、中心市街地活性化や歴史まちづくりなど、国がとくに推進すべき施策については、交付率を現行の40%から45%に引き上げる。
フジサンケイ ビジネスアイより
投稿者 trim : 2009年02月03日 11:33