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2009年02月22日
【エコシティー】 北海道下川町
地域の生物由来資源の活用を促す「バイオマスタウン」として国に認められた北海道内の市町村は24と全国(159カ所)で最も多い。
個々の市町村だけでなく、道全体でエネルギーを自給できる――。
北海道大学の田中教幸教授は、壮大な試算を示す。
道民550万人の食糧確保に必要な耕地面積は、現在の24%にあたる28万㌶。
残りを石油代替燃料であるバイオエタノール向けの作物に回し、自然エネルギーも活用すれば可能という。
試算は夢物語とは言い切れない。
昨年7月に政府から「環境モデル都市」の認定を受けた下川町。
町内面積の9割を森林が占める。
「資源を無駄にしないためにも地元エネルギーを確保しなければ」。
町長の安斎保さんが思いを行動に移したのは2004年だった。
湯治客が訪れる名所「五味温泉」に、温泉としては初めて木質バイオマスボイラーを導入した。
燃料は町にある製材工場で出る端材だ。
翌年には幼児センターにもボイラーを設置。
今後、3棟の農業用ハウスや老人ホームなどにも広げる。
下川町は北海道開発局からバイオエタノール向けの早生ヤナギの栽培地にも選ばれた。
安斎さんは「現在0.3%のエネルギー自給率を5%まで高める道筋を作る」と意気込む。
環境政策が専門の千葉大学の倉坂秀史教授は「海外資源に頼る国主導のエネルギー政策から、地方が地元に適した自然エネルギーを選ぶ時代に来ている」と指摘する。
日経産業新聞(2009年1月13日火曜日)より
投稿者 trim : 2009年02月22日 16:16