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2009年01月12日
無・減農薬の「コウノトリ農法」
兵庫県北部の但馬地域で進められる「コウノトリ育(はぐく)む農法」による栽培面積が拡大している。
兵庫県のまとめによると2008年は253.5㌶で、同地域の豊岡市でコウノトリの放鳥が始まった2005年に比べ、約5倍に広がった。
同農法で栽培したイネや大豆は収穫量が減るものの、取引価格が上がるため、農家の生産意欲を高めている。
「コウノトリ育む農法」は
①農薬の不使用か通常農法に比べ7割削減
②栽培期間中の化学肥料の不使用
――などが要件。
2005年から50.5㌶の水田・農地で始まった。
2008年は栽培面積が前年比28.2%拡大。
206.6㌶で減農薬栽培し、46.9㌶で無農薬栽培に取り組んだ。
全体の栽培面積は2年目の2006年以降、毎年県の計画を上回っている。
通常の栽培方法に比べると、減農薬栽培の場合、農産物の収穫量は0.9%、無農薬栽培は21.3%それぞれ収穫量が減る。
しかし、農協などへの出荷価格が通常のものより、減農薬で33%、無農薬で67%高くなる。
9戸の地元農家で作る「こうのとり大豆」の場合、取引価格は1㌔360円で通常の国産大豆の3倍程度に達しているという。
また、同農法で栽培したコメも2008年秋に東京都内の百貨店で販売されるなど、大消費地でブランド農産物としての認知度が高まっている。
兵庫県は2008年度に3,605万円をかけてモデル農地などの整備を進めている。
農法に3年以上取り組んだ農家をアドバイザーに養成する講座も開いており、地域での一段の普及を目指す。
但馬地域では、「コウノトリと食・農」をテーマとした体験ツアーなどの受け入れも始まっており、観光面での広がりもでている。
日経流通新聞より
投稿者 trim : 2009年01月12日 15:31