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2008年12月14日

粉砕した廃瓦が稲の生育促進

家屋解体や瓦ふき替え時に出る廃瓦を細かく粉砕した「シャモット」を、水田の土に混ぜることで稲の生育が促進され、米の収穫量がアップすることを、関市黒屋の農家、鵜飼富男さん(52)が確認した。

シャモットは10年前に「小沢瓦工業」(関市志津野)の小沢孝導社長(64)が路盤材などとして使えるように考案。
小沢さんは、シャモットが農作物の生育に効果があるとする新聞記事を見て、鵜飼さんに使ってみるよう勧めた。

実験には平均5ミリの大きさのシャモットを使用。
90㌃の田を、
▽シャモットを全く混ぜない
▽8㌧混入
▽32㌧混入
――の3つに仕切って行った。

キヌヒカリの苗を5月に植え、田の面積、肥料、水の量など栽培方法はまったく同じにした。
10月の収穫時には、シャモットを全く混ぜなかった田の収量が9.2俵だったのに対し、32㌧混入の田は10.5俵と大きく差をつけた。
8㌧の田も9.5俵となり、シャモットの混入で収量が増加することが確認できた。

収量増加の理由を、小沢社長は「瓦が持つ無数の穴が、微生物が繁殖しやすい環境をつくったことと、瓦から溶け出したケイ酸が、稲の生育に良い結果を与えた」と説明する。
同様の仕組みで土壌の活性化を促すゼオライトよりも費用は安上がりという。
鵜飼さんは「シャモットを混ぜた田の稲は穂の色が鮮やかだった。8月から9月にかけての豪雨でも倒れなかった」と話す。

同社では、シャモットを水質浄化材として使う研究も進めるなど、廃瓦のさまざまな使用方法を模索している。


中日新聞より

投稿者 trim : 2008年12月14日 17:07