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2008年11月03日
てーげー(とりあえず)の精神
10月15日、東京・新橋のオフィス街に異色のオーディオ製品のショールーム「テーゲースタジオ」が開業した。
お気に入りのCDを持ち込むと、高さ2㍍という型破りの円柱型スピーカーから音楽が流れ、目を閉じれば生演奏のような臨場感だ。
一躍音楽家や愛好家の注目スポットとなっている。
同スタジオは知る人ぞ知る沖縄の知名御多出横(ちなオーディオ、沖縄市、知名宏師社長)の東京専門店だ。
特徴あふれる製品は、電子部品をすべて溶接してノイズを減らした「クリスタルウェルドパワーアンプ」や、360度どの場所でも音質が変わらずステレオ音響が楽しめる「全指向性スピーカー」など。
常識を超えた技術はまさに「沖縄のソニー」だ。
「音がひずむ原因はハンダ。なくせばいい」。
高温で電子部品をダメにするリスクの高さから使われなかった溶接技術を持ち込んだ。
「立体的な音を再現するにはスピーカーを何個も使うとか、聞く場所を固定する」という定説に疑問を持ち、発想を根本から転換。
音を天板から全方向に反射させるスピーカーにたどり着いた。
「てーげー(とりあえず)の精神でやってみる。それが沖縄ならではのいいところ。勉強ができなくても常識にとらわれないことが、何かを生む」と知名さんは語る。
中学生のころから米軍払い下げの部品をもらってラジオやアンプ作りに熱中。
工業高校を卒業後は米軍向けのステレオ修理の仕事に就き、海外の先端技術や部品にじかに触れることで技術に磨きをかけた。
積み上げた職人のワザは、日本の発想に革新を迫る可能性を秘めている。
日本経済新聞より
投稿者 trim : 2008年11月03日 17:29