« コウノトリ育む農法、企業7社が視察 | メイン | カーボンフットプリント »

2008年10月18日

雨水活用“打ち水効果”


建物の外壁への“打ち水効果”で室内の温度を下げる独自のエコ技術を、住宅関連メーカー高千穂(横浜市西区みなとみらい)が開発した。

来年1月から本格的に販売し、初年度は230棟分に設置し、売り上げ約3億円を目指す。

住宅だけでなく病院や学校など公共施設にも販路を広げ、省エネ型空調システムを普及させたい考えだ。


同社は宮崎県で採れる自然素材の火山灰シラスを活用し、防水性と通気性に優れた外壁材をつくる技術を持つ。
約5年間かけて新たに開発したのは、この外壁と組み合わせたシステム「クルクール」で、雨水を有効に使う。

地下の貯水タンクにためた雨水を揚水し、専用の散水ノズルで外壁全面に浸透させる。
外壁に染み込んだ水は蒸発するが、その際に周辺の熱を奪い取る「気化熱作用」が発生。
これにより周辺の気温が下がる。

同社が今夏に行った実証実験では室内の温度は外気と比べて2.5~5.0度も下がり、クーラーなしでも夏季をしのげると見込んでいる。

雨水活用型システムは138万円(水道型は28万円)で、外壁は180万円。
同社は「壁材は最低でも25年間メンテナンスが必要ない。初期投資はかかっても結果的には大幅なコスト減になる」とメリットを挙げる。

一戸建て住宅市場の3%のシェア獲得を想定しており、営業活動を強化していく方針だ。
新留昌泰社長は「景気が不安定なこうした時期にこそ地に足を着けてじっくりとよい商品を世に出したい」と話している。


神奈川新聞より

投稿者 trim : 2008年10月18日 17:41