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2008年09月25日

「リースこそエコ」

日本政策投資銀行の「環境格付け融資」制度は、企業の環境対応を評価し、高い格付けをとった企業に通常より最大0.6%低い優遇金利を適用する制度だ。

NECリースのエコリースは循環型社会に適したビジネスとして評価された。

だが「リースこそエコ」の発想が全社に染み渡るまでには曲折もあった。


「環境部署はおれたちの邪魔をしている。」
吉田全男・環境推進部長ら環境部門が、国際標準化機構の環境認証の社内監査に奔走した時のこと。
販促に時間をさきたい営業部隊は、細かなチェックに手間を取られることを嫌がった。
両者に冷ややかな空気が流れたこともあった。

だが金利コスト低下という実効を見せつけられると、営業の目の色が変わった。
金利という客観的な尺度を突きつけられ、環境パワーの力を疑うものはいなくなった。

エコリースの成約実績と評価は営業マンらの賞与に反映される。
エコリースの対象商品を最終判断する権限は営業部門幹部ではなく、環境推進部長が握る。
環境関連のリースは1件の金額が小さく、営業効率も悪い――。
こんな既成概念は崩れ、同社の経営は環境を軸に回り出している。

投資家、消費者、金融機関など様々なステークホルダー(利害関係者)が突きつける圧力をいかに自らの力に変えていけるか。
企業は変化への適応力としたたかさを試されている。


日経産業新聞より

投稿者 trim : 2008年09月25日 16:27