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2008年05月28日
資源循環事業、中小が拡大
中小企業が手掛ける使用済み製品などのリサイクル事業が拡大している。
電子部門などの生産工程で排出する不良品から希少金属を回収する企業は、デジタル家電用電池向けの需要拡大を受けて処理能力を増強。
中古の太陽光発電パネルなどを再生利用する企業も低価格を売り物に市場を開拓している。
資源高を受け、省資源だけでなくコスト削減や温暖化防止にも直結する資源循環ビジネスが改めて見直されている。
希少金属回収のティーエムシーは15億円を投資し、滋賀県甲賀市の工業団地内に年内にも新工場を建設する。
電子部品の端材などから希少金属を取り出す工程の能力を5割拡大する。
チタンやコバルトの価格高騰を受けリサイクル需要が拡大。
同社の2007年8月期の売上高は前の期から倍増し98億円に達した。
デジタル家電の普及でリチウムイオン電池の素材となる希少金属の需要は旺盛の状態が続くとみて、増産投資に踏み切った。
資源高は中小企業の経営を大きく圧迫。
コスト増を製品価格に転嫁できない企業も多い。
一方でリサイクル事業などは中小ならではの小回りの効いた技術・販売船略が生かせる市場。
省資源ビジネスを突破口に資源高を生き抜く企業も出てきている。
ネクストエナジー・アンド・リソースは使用済みの太陽光発電パネルをインターネットを通じて買い取り、再生販売する事業を展開している。
新品の半値になるケースもあるが、新品の80%以上の性能保証を付けるのが特徴。
20年前に生産されたパネルを再生した実績もある。
2008年6月期の再生品の売上高は前期比2.5倍の7,500万円になるもよう。
低価格を武器に住宅向けを中心に需要開拓が進む。
スターウェイの家電製品を搬送する際に使用する梱包材のレンタル事業も、省資源対策を進める大手から注目を集める。
使用時に傷みやすい部分を補強することで100回繰り返し使える梱包材を開発。
使用後に安全性を確認して再使用する仕組みだ。
顧客企業は使い捨てだった段ボールや緩衝材を購入・廃棄する必要がなく、コスト低減も見込める。
すでにソニーやセイコーエプソンの系列企業が採用した。
同社の事業規模は年率5割のペースで拡大。
2009年3月までに現在5万箱用意している在庫を15万箱に増やす計画だ。
日本経済新聞より
投稿者 trim : 2008年05月28日 16:37