« 2008年01月 | メイン | 2008年03月 »
2008年02月29日
【京都市】ユニーク脱温暖化に助成 最高1千万円
京都市は28日、環境分野で先進的な事業を手掛ける企業や団体に3年間で最大1,000万円を助成する「京の環境みらい創生事業」で、初めての採択となる4件を発表した。
修学旅行生らを対象にした「マイボトル」の普及計画など、いずれもユニークな取り組みが選ばれた。
脱地球温暖化に向けた市として初めての助成事業で、14件の応募の中から書類や面接で審査した。
中でも、ユニークなのがNPO法人(特定非営利活動法人)プラスワンネットワーク(中京区)などでつくる「京都2Rプロジェクト」が進める構想。
修学旅行生が利用する旅館やコンビニエンスストアで、再利用できるボトルを800円前後で販売し、ボトルを持っていれば割安でジュースなどの飲料を継ぎ足して購入できるという内容。
ボトルには京都土産になるデザインを考案する予定で、旅行生にとっては思い出の品にもなる。
販売拠点などを検討しながら、近畿コカ・コーラボトリング(大阪府摂津市)などとも連携して来年度に事業化する。
また、環境問題の研究者らでつくる「3R検定実行委員会」(左京区)は、今年11月にリサイクルや再利用に関する知識を問う検定を初めて行い、地域のごみ減量活動に役立つ人材の育成を狙う。
このほか、飲食店の換気を効率化する装置の実用化でベンチャー企業ウインドナビ(左京区)、廃棄された石こうボードなどを再利用する舗装材の研究開発で玉井道路(伏見区)も選ばれた。
市は4事業に本年度から約2,800万円を助成する予定で、事業化による利益の一部は市に還元される。
京都新聞より
2008年02月27日
不法投棄問題化のFRP船、12隻を光市の海岸から撤去
山口県光市と日本舟艇工業会(東京)は26日、港や海岸への不法投棄が問題化している繊維強化プラスチック(FRP)製の放置船の撤去作業を同市室積の象鼻ヶ岬で実施した。
市は「市民に迷惑を掛ける不法投棄は絶対にやめてほしい」と呼び掛けている。
工業会は、船舶製造メーカーなどでつくる業界団体で、ガラス繊維を樹脂で固めたFRPの廃船のリサイクル処理などに取り組んでいる。
今回、光市が申請した日本財団(東京)の助成を受けて放置船の撤去に着手。
撤去費用は約100万円で、うち、自治体負担は3割という。
この日は、作業現場を報道陣に公開。
風光明媚(ふうこうめいび)な海岸として知られる象鼻ヶ岬に放置された計12隻を、作業員6人がクレーン車を使うなどして次々とトラックに積み込んだ。
市水産林業課によると、同岬での放置船は約10年前から目立ち始め、昨年5月、17隻に撤去を求める警告文を張ったが、12隻がそのままとなっていた。
撤去された船は、下関市の解体業者に運ばれ、最終的にはセメントの原料やセメント製造工程の熱エネルギー源として再利用される。
FRP船は軽量で高い強度が特徴で1960年代後半から本格的に普及。
主に漁船やプレジャーボートに使われているが、腐らず、燃えにくいことなどから処理が困難で、廃船放置を招いていた。
工業会が2005年11月、廃船をセメントの熱原料にリサイクルする「FRP船リサイクルシステム」を事業化したことで、これまで約1,400隻を処理し、県内でも昨年度19隻、今年度は今回の12隻のほか、21隻が処理されている。
撤去作業を行った同課は「今後はパトロール活動を強化したり、地元住民の協力で監視を続けたりし、再び放置されることがないよう目を光らせていきたい」と話していた。
読売新聞より
2008年02月26日
【北海道】温室ガス削減11%目標 新年度から10年間
北海道は25日、2008年度から10年間の環境政策の指針となる「北海道環境基本計画」をまとめた。
森林による二酸化炭素吸収分を引いた温室効果ガスの差引排出量を10年間で現状の11.7%減の1,827万 ㌧に減らすほか、森林の二酸化炭素吸収量の100万㌧増など42項目の数値目標を盛り込み、実効性を重視した。
計画は3月に正式決定する。
計画は《1》温暖化防止など地球環境保全《2》循環型社会の形成《3》自然との共生《4》公害防止など安全な環境確保―の4分野で構成、各分野ごとに具体的な数値目標を掲げた。
環境保全では一般廃棄物の排出量を一人一日当たり現状の14.0%減の1,050㌘に減らす。
循環型社会では道の認定リサイクル製品数を87製品から220製品以上とすることを目指す。
自然との共生ではタンチョウの生息数を現状より29.5%多い1,305羽に増やし、アライグマの防除実施計画の策定を61市町村から全市町村に広げる目標も設定した。
道は数値目標を達成するため、森林整備やリサイクル関連産業振興などの事業を展開する一方、道民や企業に対し環境負荷の少ない活動や省エネの推進を呼びかける。
計画は、経済活性化と環境保全の両立を目指す「環境と経済の良好な関係」を長期目標に加え、環境負担を最小限にする技術やサービスを持つ企業への支援の仕組みづくりなども盛り込んだ。
北海道新聞より
2008年02月25日
【環境省】京都御苑整備、初の長期計画 資源活用推進へ
環境省京都御苑管理事務所は24日までに、「京都御苑庭園基幹施設再整備基本計画」の骨子案をまとめた。
京都御苑(京都市上京区)整備の長期的な計画策定は初めて。
「公家町」跡の再整備をはじめ、自然環境の情報発信、バリアフリー化の推進などに重点的に取り組む。
遅れていた自然環境や歴史資源の保存、活用を進めるのが狙い。
昨年7月に、日本史や庭園研究などが専門の大学教授ら7人で作業委員会(委員長・西田正憲奈良県立大教授)を設け、3回の会議を重ねてきた。
重点策として、かつて京都御所周辺に存在し、1869年の明治天皇の東京遷幸後、解体された公家町跡の再整備を図っていく。
庭と池が残る「近衛邸跡」や、明治天皇が生まれた産屋が残る「中山邸跡」などを、観賞できるように整備したり、関連情報の収集などを行う。
歴史遺産を日本語、英語、韓国語、中国語の四カ国語で案内する看板を整備するほか、貴重な鳥やキノコ類などが生息する自然環境の情報発信も行っていく。
砂利道が多い苑内で歩道を整備するなど、バリアフリー化も進める。
同事務所は、宮内庁が管轄する京都御所の周辺を国民公園とし、1971年度から維持・管理している。
今回のような5~10年先を見据えた計画策定は初めてという。
同事務所では「これまでは公園管理を中心に行い、情報発信は遅れていた。今後は歴史や自然資源の可能性を生かしていきたい」としている。
骨子案は3月4日に開く作業委で最終決定する予定。
2月28日まで一般市民の意見募集している
京都新聞より
2008年02月23日
【北海道】環境保全 HPで発信 空知支庁開設「エコ・ネット」
空知支庁はこのほど、環境を守るため管内の自治体や民間団体が取り組む活動をまとめたインターネットのホームページ(HP)「そらちエコ・ネット」を開設した。
管内で先進的な研究が進む雪冷熱エネルギー利用や、学校での環境教育などを紹介している。
空知支庁は5年前に管内25市町と「そらちエコ・プロジェクト推進協議会」を組織するなど、環境保全活動の広域連携を進めている。
HPは市民に活動を広く知ってもらうとともに、道内外の研究者らに情報を提供するのが狙い。
掲載内容は「雪利用(利雪)」「リサイクル」「バイオマス(生物由来資源)」「環境保全&環境教育」の4本柱。
雪利用コーナーでは、雪冷熱を農産物貯蔵などに利用している産学官組織「美唄自然エネルギー研究会」や、岩見沢農業高などの活動を紹介している。
リサイクルでは、ホタテ貝殻を混ぜたチョークを製造している日本理化学工業美唄工場などを掲載。
このほかのコーナーでは、使用済み食用油を公用車の燃料に利用する滝川市の取り組みや、栗山町の地域住民による里山復元計画などを調べることができる。
HPを作成した空知支庁地域政策課は「閲覧者の声を取り入れ、より充実した内容にしたい」としている。
北海道新聞より
2008年02月22日
環境配慮型商品アウトドア外も(ゴールドウィン)
ゴールドウィンは、リサイクル素材や成長が早い植物原料などを使う環境配慮型の商品を拡充する。
「ザ・ノース・フェース」などアウトドアブランドに限って投入してきたが、2008年秋冬向け商品から対象を10以上あるほかのブランドでも扱う。
地球温暖化に対する消費者の関心が高まるなか、需要が増えると判断した。
同社は2006年、アウトドア用品部門で「グリーンイズグッド」と名付けた商品の開発・販売活動を始めた。
2008年秋冬から①ペットボトルなど再資源素材を使用②ユーカリや竹など成長が早い植物を原料に採用③修理サービスを充実④農薬使用を控えたオーガニックコットンなど土壌に優しい素材を採用――と取り組みを細分化する。
商品数は未定だが、2008年秋冬はスポーツ衣料「ダンスキン」「チャンピオン」でココナツ繊維やユーカリ、竹など原料とした商品を投入。
水着「エレッセスイム」などではペットボトルを再生したポリエステルで作った商品を出す計画だ。
日経流通新聞より
2008年02月21日
温暖化首脳会合、サミットと同時開催・政府、米と共催へ
政府は7月の主要国首脳会議(洞爺湖サミット)に合わせ、中国やインドなども含めたより広いメンバーで温暖化問題を話し合う首脳級会合を同時開催する方向で調整に入った。
温暖化対策はサミットの主要議題だが、温暖化ガス排出量が急増している両国なども加えて並行討議すれば、実効性のある議論ができると判断した。
米国との共催とし、2012年で期限が切れる京都議定書後の枠組み交渉で主導権確保を目指す。
首脳級の出席を調整するのは、米国が主導する「エネルギー安全保障と気候変動に関する主要国会合」。
温暖化問題に消極的とみられていたブッシュ政権が、京都議定書後の枠組みづくりへの影響力行使を狙って提唱。
欧米、中国、インドなど16カ国と欧州連合(EU)、国連で構成し、参加国・地域の温暖化ガス排出量は世界の約8割を占める。
日本経済新聞より
2008年02月20日
6月横浜でエコマッチ(中田英寿氏)
ドイツW杯限りで現役を引退した元日本代表MF中田英寿氏(31)が、6月に横浜で「環境問題」をテーマにしたイベントを計画していることが19日、分かった。
世界的スター選手や元日本代表選手を集めてチャリティーマッチを行うほか、1週間の“キャンプ”を張り、その間に子供たちも参加できるイベントを行いながら「エコ」をアピールするという。
各大陸を旅しながらチャリティーマッチや慈善事業に参加し、地球の問題を肌で感じてきた中田氏が、“主催者”として動き出した。環境問題に取り組むため、ピッチに戻ってくる。
関係者によると、6月6日と7日に横浜市内の競技場を押さえていることが判明。
チャリティーマッチの参加者は交渉中だが、引退した選手や現役時代に親交のあった選手が中心になりそう。
元イタリア代表FWデルピエロ(ユベントス)や元オランダ代表MFダービッツ(アヤックス)、昨年6月にフィーゴ主催のチャリティーマッチに参加した関係からフィーゴ(元ポルトガル代表)らが考えられる。
これら“世界選抜”に対抗し、現役を引退した元日本代表選手にも今後参加を要請するという。
中田氏も、2005年11月16日のアンゴラ戦(国立競技場)以来となる日本でのプレーを見せることになりそうだ。
また、選手は試合1週間前から招集する予定。
“キャンプ”では試合に向けたトレーニングをするだけでなく、フットサルなどのイベントで子供たちと接する場も作り、エコの重要性を伝えていくという。
スポーツ報知より
FRP船 リサイクルへ(拓南商事)
ガラス繊維強化プラスチック(FRP)製の船舶を解体し、セメントの原材料にする「FRP船リサイクルシステム」の解体作業が19日、うるま市州崎の拓南商事で行われた。
日本舟艇工業会が実施する同システムに基づく沖縄県内初の処理事例で、本年度は漁船など3隻が対象。
同会や沖縄総合事務局は「リサイクルを進め、船舶の不法投棄を減らしたい」と話している。
FRPは軽くて強度が高い反面、個人で所有する釣り船などは処理が難しく、不法投棄や放置につながっていた。
同システムは2005年に始まり、県内は2007年度から対象になった。
解体は、マルチ解体機を使って実施。
カッターで船体を切断して解体。
職員がFRPや廃プラスチック、金属類などに分別した。
FRPは山口県のセメント製造会社などに送られ、再破砕、燃焼させた後、重量の約4割に当たる燃えかすを原料にコンクリートを製造し、販売する。
県内で解体できる指定業者は、拓南商事のみ。
県内では当面、年1回解体作業を行うが、排出量が増えれば複数回行う方針。
輸送経費の負担を減らすため、「将来的には県内で完結するシステムができれば」としている。
沖縄タイムスより
2008年02月19日
【宮古島市】つくれ緑の島 が来月「エコ宣言」
宮古島市は、循環型社会や環境に配慮した産業や観光の創出などを目指す「エコアイランド宮古島」と題する環境宣言を3月に実施する。
市によれば、新エネルギー推進、観光、教育など行政を横断的にした施策を打ち出した宣言は沖縄県内市町村では初めて。
さらに市は政府が支援する「環境モデル都市」に立候補する方針で、環境に配慮した島づくりへ本腰を入れる構えだ。
エコアイランド宮古島推進委員会(委員長・下地学副市長)が宣言案を決定し18日、下地委員長が伊志嶺亮市長に答申した。
庁議を経て3月に正式発表する。
宣言は地下水やさんご礁の保全などを明記した。
市は環境関連の施策を担当するエコタウン推進室など7課で宣言を反映した事業を展開する。
生物資源バイオマスなどを活用する循環型社会に向けた事業では家庭の生ごみや家畜糞尿(ふんにょう)、農産廃棄物を堆肥(たいひ)化し農業に活用、地下水保全や循環型農業を進める。
本年度に実施した市内の食堂や家庭から出るてんぷら油でつくり、温室効果ガスが抑制されるバイオディーゼル燃料を使ったマイクロバスの実験事業も継続する。
2008年度は、2009年度に実施する実証実験や実用化への可能性を検討する。
このほか、市指定の地域で1日の消灯時間を決めて電気を節約し、温室効果ガスの削減効果を試算する実証実験も検討中。
バイオエタノール製造施設の案内の充実、体験型観光などを通した観光客への意識付けも推進する。
宣言を記念し6月29日、同市平良のマティダ市民劇場で国連大学(東京都)と協力し「国連大学ゼロエミッションフォーラム・イン・宮古島2008」を開催する。
また、温室効果ガスの大幅削減など高い目標を掲げる都市を政府の地域活性化統合本部(本部長・福田康夫首相)が国内で10カ所選び、予算面などを支援する「環境モデル都市」に立候補する予定。
同都市は4月に募集し6月に決定される。
選定されれば、国の財政支援を環境施策に活用する。
琉球新報より
2008年02月18日
【環境省】グリーン購入法 基本方針の一部を変更
環境省には2月5日に「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律」(グリーン購入法)に基づく基本方針の一部を変更、閣議決定された。
今回の変更は、「防災備蓄用品」という新規分野の追加や、繊維製品にかかる環境負荷低減効果が確認された植物を原料とする合成繊維の基準の見直しなど、15品目の追加および61品目の基準の見直しとなった。
主な新規の追加15品目はチョーク、グラウンド用白線、LED照明器具、LEDを光源とした内照式表示灯、防災備蓄用品(PETボトル飲料水、アルファ化米、乾パン、缶詰、レトルト食品)、非常用携帯燃料、再生材料を使用した型枠、植栽管理、害虫防除、旅客輸送、照明機能提供業務。
主な基準の見直しの概要はダストブロワーについて、HFCの不使用を判断の基準として設定。
オフィス家具等について「大部分の材料が金属類」の棚または収納用什器に係る「単一素材分解可能率」を判断の基準として設定。
ニードルパンチカーペットおよび防球ネットについて、植物を原料とする環境負荷低減効果が確認された合成繊維の追加など判断の基準を見直す。
自動車整備について、エンジン洗浄を追加など判断の基準を見直す。
紙類の判断基準の見直しについては、業界の古紙配合率偽装問題の実態を把握し事態が収束した後、再検討する。
今回の閣議決定では紙類の基準は変更しなかった。
循環経済新聞より
2008年02月17日
東京マラソン、3万2,000人走る・226万人が応援
第2回東京マラソンは17日、朝から晴天に恵まれ3万2,000人を超す市民ランナーが参加、沿道からも集まった約226万人が見守った。
冷たい雨に見舞われた昨年より約50万人多く、銀座や浅草では二重三重の人垣から「頑張れ」「ファイト」の大声援。
フルマラソンの完走率は昨年を上回る97.4%で大きな事故もなく、関係者は胸をなで下ろした。
選手は午前9時過ぎ、新宿の都庁前をスタートし都内の名所を巡る42.195キロを疾走。
沿道ではラッパや太鼓による応援も繰り広げられた。
完走者の中には宮崎県の東国原英夫知事の姿も。
今回は大会中のイベントなどで使う電力は、都の下水処理施設のバイオマス発電と、ゴール地点などに設置した太陽光発電の車で賄い、「環境に優しいマラソン」をアピール。
大会関係者約1万5,000人が着るコートと帽子もペットボトルを再生した素材で作った。
日本経済新聞より
2008年02月16日
【埼玉県】森林保全に自動車税
地域の貴重な緑を守ろうと、埼玉県の上田清司知事が自動車税収入の一部を創設する基金に積み立て、森林保全に使う全国初の取り組みを打ち出した。
河川浄化の財源に充てるためのミニ公募債発行も始める。
埼玉に限らず、東京など首都圏の各都県では今、森林や川の再生に向けた、新たな財源確保に乗り出している。
「二酸化炭素を排出する車を運転する人に、CO2を吸収する緑を育ててもらうことで、環境保全の意識啓発につなげたい」
上田知事は15日、都内で会見し、緑を守るために4月に創設する「彩の国みどりの基金」の原資に、車の所有者が県に納めた自動車税収入額の1.5%相当(1台あたり約500円)を充てる考えを示した。
平成20年度は約14億円が見込まれ、県民や企業からの寄付も受け入れるとしている。
県によると、県内平地林は30年間で東京ドーム約1,400個分に相当する約6,500㌶が減少。
このため、県は今後4年間で約3,000㌶を目標に、針葉樹と広葉樹の混交林整備など豊かな森へ再生させる方針だ。
また、汚染がひどい河川・用水路5カ所を清流化させるモデル事業の財源にミニ公募債「埼玉の川・愛県債(仮称)」を発行する。
ミニ公募債で12億円程度を充て、県予算とともに2年間で遊歩道整備やヘドロ除去など水質改善を進める。
上田知事は「再生には県民参加が欠かせず、ミニ公募債は気運醸成のきっかけだ。あの川は確かに変わったと実感できれば、県民運動へ発展する可能性もある」と話す。
環境保護の資金捻出(ねんしゅつ)には、首都圏の自治体も頭をひねっている。
東京都は昨年、「緑の東京募金」を創設した。
埋め立て地を緑に変える「海の森の整備」▽街路樹の倍増▽校庭の芝生化▽花粉の少ない森づくり-の4事業に充てるもので、募金する側が活用事業を選べるのが特徴だ。
募金方式について、都自然環境部の倉田京弥副参事(緑化募金担当)は「自らお金を出すことで、東京の森を守り育てていく実感が強まるのではないか。使い道の選択も意識を高めるはずだ」と説明。
平成22年度までに8億円の確保を目指す。
水源地域を守るとの発想から、神奈川県が平成9年度以降、展開している「かながわ水源の森林づくり」は、個人や企業の寄付が重要な財源。
水源地の私有林を公的に管理・支援する事業で、10年間の寄付総額は2億4,000万円を超え、整備に必要な森林8,530㌶を確保した。
静岡県は荒廃森林再生の財源に森林税「森林(もり)づくり県民税」を18年4月に導入。
県民1人あたり年400円、法人は年1,000円~4万円を「森の力再生基金」に充て、荒廃森林を整備する。
10年間に森林面積1万2,000㌶を再生させる計画だ。
税方式は15年に高知県が導入後、岡山県など西日本を中心に実施。
「16年の台風倒木が処理できず、山に残っている。早急に事業を進めないといけない」(静岡県森林計画室)と、緊急性を優先させ導入した。
18年度は877㌶分を整備している。
産経新聞より
2008年02月15日
温暖化対策に訴え熱く あす京都議定書発効記念日
16日は京都議定書の発効記念日。
地球温暖化問題は京都市長選(17日投開票)の大事な争点だけに、新人4候補は、それぞれの温室効果ガス排出削減策を訴え、各事務所でも身近なエコ対策を進めている。
門川大作候補(57)の選対は、移動用にハイブリッドカーを使い、不要な書類は裏側をメモに。
看板の照明はタイマーで午前零時に消す。
公約には、全公用車をエコカーか軽自動車に変える計画や環境家計簿の普及などを盛り込んだ。
岡田登史彦候補(61)の事務所では、市内の高校生らが森林保護を目的に北山杉の間伐材で作った棚などを活用している。
公約では、モノレールなどの交通網を整備して自動車の通行量を減らす独自の環境対策案をまとめた。
村山祥栄候補(30)の事務所は、紙コップを使わずに湯飲みを使う。
食事も容器が使い捨てではないか気を配り、ごみ自体を減らす作戦だ。
選挙活動では、市中心部への自動車乗り入れ規制や自然エネルギーの活用促進などを主張する。
中村和雄候補(53)の事務所は、毎晩泊まる運動員が電気をまめに消すなど身近な対策を重視。
契約先業者が一括回収するごみも分別を徹底する。
新たな高速道路建設の中止を訴え、国や世界に温暖化対策を一層強く求めていく。
京都新聞より
2008年02月14日
堆肥作りに成功、バイオディーゼル副生成物(環境テクシス)
廃てんぷら油などを精製するバイオディーゼル燃料(BDF)の副生成物で活用が難しい粗製グリセリンを使った堆肥(たいひ)作りに、産業廃棄物処分業「環境テクシス」(豊川市小田渕町)が乗り出した。
堆肥の発酵温度が上がり、質の向上にもつながる一石二鳥の取り組みだ。
同社はBDFを精製する自治体や企業などに利用を働き掛けていく。
BDFは、簡易な設備で精製でき、市販車に利用できるのが利点。
ただ、廃食油からBDFを作る際、1~2割の粗製グリセリンが排出される。
せっけんの原料になるが、コストが高いため多くが焼却処分されている。
同社は昨年11月、BDF精製に伴う粗製グリセリンの貯蔵が増える一方だった運送会社「サーラ物流」(小坂井町宿)から活用法の相談を受けて試験を開始。
汚泥などの堆肥原料に混ぜると、バクテリアの活動が活発化しグリセリンの分解が進むとともに、発酵温度が上昇して品質の向上につながることが判明した。
1月下旬から、サーラ物流から粗製グリセリンの引き取りを有償で始めた。
サーラ物流は、3㌧トラック3台にBDFを使っており、環境テクシスは月平均200㌔を堆肥原料に混ぜる予定。
スクールバスなどにBDFを使い、これまで粗製グリセリンを焼却してきた田原市は、堆肥化の動きを受け「資源として活用できれば」と、同社に処分を委託することを前向きに検討している。
環境テクシスの高橋慶社長は「リサイクルが進めば(粗製グリセリンの)排出量も増える。
焼却処分は簡単だが、資源の有効利用を考える上で矛盾するし、もったいない」と話している。
中日新聞より
ビジネス仲介本格化―中小の環境経営後押し(みずほ銀行)
みずほ銀行は中小企業の環境ビジネスマッチングに本格的に乗り出す。
第1弾として27日に「東京流通センター」(東京都大田区)で商談会を開く。
中小企業の環境関連の設備投資に対する融資に加え、顧客紹介のスキームを活用することで、中小企業の環境配慮型経営を後押しするのが狙い。
約10万社あるみずほ銀の中小企業ネットワークの中から、環境改善に取り組む企業と環境対策技術を持つ企業のマッチングを進めていく。
みずほ銀行が開く商談会は展示会と講演会で構成。
展示会では、排水・汚泥処理や二酸化炭素削減、緑化、食品リサイクル、新エネルギー、揮発性有機化合物(VOC)除去、アスベスト処理の7つの分野で、57社の新製品や新技術などが展示される。
また中小企業における排出権取引や商業ビルの温室効果ガス削減、外食店舗における食品リサイクルなどといったテーマでセミナーを開く。
日刊工業新聞より
2008年02月13日
子供・学生に農業の未来託す(リバネス他)
農業の担い手づくりに向けた新事業が相次いで始まる。
科学教育事業のリバネスは農家と連携し、子ども向けの農業教育事業を開始。
デザイナー学校運営のバンタンは2009年にも農業経営者の育成事業に参入する。
政府が法人の参入や新規就農の促進に力を入れるなか、就農支援や農業事業者向けサービスの需要が拡大していることが背景にある。
科学教育や研究開発支援を手がけるリバネスは、子ども向けに農業科学教室を始めた。
食品メーカーからの支援や地方自治体の助成を受け、小中高生向けに農業体験と農作物の成長などの授業を提供し関心を高めてもらう。
地域の農産物や海産物を使ったカフェの立ち上げなど地域活性化策の提案も手掛ける。
デザイナーやシェフの学校を運営するバンタンは、2009年春をめどに都内で農業経営者の育成コースを新設する。
経営者や農業経営に興味を持つ興味をもつ学生らを対象に、電子商取引やマーケティング、農作業の実習などの講義を提供。
農業生産法人の経営者らを講師に招き、1コース当たり30人程度を募集する。
農業人材育成ベンチャーのNOPPOは年内にも、農家や農業法人向けの人材紹介事業に参入する。
学生向けのセミナーや専門誌の発行、販売ルート開拓などのコンサルティングで培ったネットワークを生かし、人手不足の農家に人材を紹介する。
農林水産省によると、高齢化を背景に国内の農家戸数は2000年の312万戸から2005年に285万戸に減少した。
一方、農家の後継者以外で、独自に土地を確保し農業に参入した人は2006年に2,180人と、5年前から数倍に増加。
農業を新規ビジネスととらえる人が徐々に増えており、関連市場の拡大にもつながりそうだ。
日本経済新聞より
2008年02月12日
清掃登山「自分に何ができるかと考えた」(野口健さん)
昨年5月にエベレスト(中国名チョモランマ、8,848㍍)に中国側から登頂した登山家の野口健さん(34)が12日、2007年の植村直己冒険賞に選ばれた。
この日は植村さんの誕生日。
野口さんは高校1年の時に植村さんの著書「青春を山に賭けて」を読んだのを機に登山を始めたという。
植村さんの出身校、明大の紫紺館であった会見で「植村さんの存在が僕の人生を大きく変えた」と感無量の面持ちだった。
野口さんは米国ボストン生まれ。
25歳だった1999年5月、ネパール側からエベレストに登り、7大陸最高峰世界最年少登頂記録(当時)を達成した。
だが、1997年5月に中国側から登ろうとして撤退したことがあり、「エベレストはネパール側と中国側で全然違う。登頂しても100%満足できなかった」という。
昨年4月からエベレストの清掃活動を行いながら登頂を果たした。
2000年に清掃活動を始めたのは「ゴミがすごく、自分に何ができるかと考えた」からで、その後は富士山でも実施。
「エベレスト清掃登山は2000~2003年は1回当たり約3㌧のゴミを集めたが、昨年は約500㌔と少なく、活動の成果が表れた」と喜ぶ。
地球温暖化防止の活動などにも取り組んでいる。
選考委員の西木正明さん(作家)は「受賞理由の一つは『継続』で、清掃登山を始めた時から受賞の有力候補だった。山に登る、自然と遊ぶには義務があるということを人々に発信した」と評価している。
毎日新聞より
2008年02月11日
【福知山市】リサイクルに赤信号 プラごみの汚れ「ひどすぎ」
福知山市の収集ごみ・プラスチック製容器包装類(プラごみ)は、業者に出荷してリサイクルしている。
しかし、汚れの付着などがひどく、すぐに改善しなければ引き取り業者がいなくなってしまう緊急事態に陥っている。
市循環社会形成課は「プラごみのリサイクルができなくなる一歩手前まできています」と切迫。
福知山のプラごみリサイクルに赤信号がともっている。
プラごみは、弁当の容器、パン・菓子などの袋、ドレッシング容器など「中が空になるといらなくなるもの」で、中身が残っている場合は洗い、指定袋に入れて出す。
「ちょっとぐらいの汚れなら」と思いがちだが、実はリサイクルできるかどうかの評価チェックが行われており、これにパスしなければプラごみを引き取ってもらえなくなる。
評価チェックは日本容器リサイクル協会が実施するもので、プラごみを1m四方にした固まり(ベール)で品質を見ている。
何も異物がないきれいな状態を100%として、汚れ▽区分違いの容器(ペットボトル、缶など)の混入▽容器包装以外のプラスチック製品(プラスチックスプーン、ストローなど)の混入などの項目でチェックし、85%以下になると最低のDランクになる。
福知山市の評価チェックは昨年4月と9月にあり、4月が82.51%で、9月は改善が見られたものの84.86%で、いずれもDランク判定。
次回もDランクだと、業者が引き取り拒否をするところまで追い込まれている。
市はごみの出し方の出張講座で地域に入っては啓発してきたが、全市民レベルへの周知は難しいと悩む。
収集したものをリサイクルプラザ内に運び込み、手作業でもう一度分別をしている。
それでも基準に満たないのが現状だ。同課は「一刻の猶予もありません。
みなさんのご協力をお願いします」と呼びかけている。
評価を下げる一番の原因は、食べ物の残りなどの汚れの付着。
2度の評価チェックでも減点の半数近くを占めており、これをなくすことがDランク脱出の鍵になる。
市はあらかじめ品質を下げると思われるものをプラごみ回収から除外している。
マヨネーズや歯磨き粉などが入ったチューブ類で、分類上はプラごみだが、中身をすべてきれいに取り除くことが困難として、燃えないごみで出せるようにしている。
チューブ類以外でも洗っても汚れが取れにくい油分入りのタレや残飯が付いたプラスチック製容器包装類は「燃やさないゴミで出してほしい」という。
勘違いして出されているものも多い。プラごみには、プラスチックスプーン、洗面器、歯ブラシ、CD、カセットケースなどのプラスチック製商品は含まれない。
段ボールなどの梱包(こんぽう)用ベルトやテープもだめ。混入していると減点対象になってしまう。
また、カミソリやライターなどの危険物が混入していることもあり、手作業分別時に危ないため、分別の徹底を求めている。
実際に、リサイクルプラザに集まったプラごみを見ると、汚れのひどいものが目に付く。
同課の職員は「市民のみなさんにお願いするしかない」。
両丹日日新聞より
3Rの事業・取り組みを募集(クリーン・ジャパン・センター)
財団法人クリーン・ジャパン・センターは、2008年度「資源循環技術・システム表彰」の募集を開始する。
廃棄物の発生抑制(リデュース)、使用済み製品の再使用(リユース)、再生資源の有効利用(リサイクル)の3Rに資する優れた事業・取り組みを表彰するもの。
申請締切りは4月15日となっている。
3Rに資する事業・取り組みのうち、①再生資源の有効利用事業②使用済み物品の再使用事業③副産物・廃棄物の発生・排出抑制④副産物・廃棄物の減量や再生利用または再使用技術・装置・システムの開発事業⑤資源循環型製品の開発・普及事業(省資源化設計・長寿命化設計など)⑥その他――のいずれかに該当するものが対象になる。
応募要領は同センターのホームページからダウンロードすることができる。
循環経済新聞より
2008年02月10日
【環境省】わが町のエコ、丸ビルで発表
一村一エコで温暖化ストップ――。
環境省は9日、全国各地の地球温暖化防止を紹介する「ストップ温暖化『一村一品』大作戦」の全国大会を、東京都千代田区の「丸ビルホール」で開催した。
1,074の応募から勝ち抜いた各都道府県の代表が集まり、1都道府県につき4分の時間で、環境問題への取り組みを発表した。
ここでのプレゼンテーションと事前の審査、ウェブ投票を踏まえ、10日に最優秀賞や金賞などの各賞を決めて表彰する。
プレゼンテーションのトップを切った大分県日田市は、生ゴミを分別して集め資源化する方策を発表。
サミットが道内で開かれる北海道からは沼田町が登場し、冬に降る雪を貯蔵して、夏に冷房などに活用してCO2削減につなげる北国ならではの取り組みをアピールした。
また、山梨県都留市は、武田信玄ら武将にふんした登壇者たちが、演劇仕立てで木製の水車を使った発電所を紹介。
会場の外には各都道府県の取り組みがパネル展示され、参加者からのメッセージが寄せられていた。
フジサンケイビジネスアイより
2008年02月09日
【新宿区・伊那市】CO2削減で連携、森林整備補助で相殺
東京・新宿区での二酸化炭素増加分を、中央アルプスと南アルプスに挟まれた長野県伊那市の森林整備で削減しようという試みが、両自治体間で始まる。
温室効果ガス排出量取引の自治体間版とも言えるもので、林野庁研究・保全課は「このような自治体連携の例は珍しい」としている。
新宿区は2006年2月、温暖化対策として「環境指針」を策定し、2010年度にはCO2排出量を1990年度比で5%増に抑えるという独自の目標を掲げた。
達成には約10万㌧の削減が必要という。
同区では、省エネの取り組みのために中小企業に助成金を出したり、アイドリングストップを呼びかけたりしているが、これだけでは目標達成が難しいのが現状だ。
一方、伊那市には、ヒノキやスギなどの市有林約2,800㌶がある。
毎年、1,500万~2,000万円をかけて約30㌶の間伐を行っているが、全体の整備を終えるには数十年かかってしまう。
新宿区の試算では、30㌶の整備で、年間約2,000㌧のCO2吸収効果が見込まれるという。
新たな試みは、新宿区が森林整備費を補助し、間伐材を区で使う印刷用紙や、道路の防護柵などに利用、一方の伊那市が区民を対象に森林作業体験学習などを行うというもの。
10日に「地球環境保全協定」を締結し、2008年度中に整備費の補助額などについて協議、2009年度にスタートさせる予定。
元々、伊那市と新宿区が友好提携を結んでいたことから、区が持ち掛けた。
区環境保全課では「取り組みがうまくいけば、ほかの自治体との連携も進めたい」としている。
読売新聞より
2008年02月08日
卵とご飯 混ぜてエコチャーハン(東京ガス)
チャーハンを作る時、生卵とご飯を合わせてからいためると、別々に炒めるのに比べて二酸化炭素の排出量を4分の1削減できる。
東京ガスの調査で、こんな結果がでた。
2006年4月から7月に東京家政大とともに、日常の献立によく登場するメニューについて、調理方法でどの程度CO2を減らすことができるかを実験した。
チャーハンでは、卵とご飯の炒め方を比較。
別々に炒める方法に比べ、卵とご飯を先に混ぜ合わせて炒める方法はCO2の排出量が約25%少なかった。
ご飯のべたつきも少なくパラパラに仕上がったという。
卵を炒め次にご飯を炒める方法は、別々に炒める方法に比べ約6%の削減だった。
サケの切り身のたれ焼では、グリルとフライパンを比較。
グリルの方が熱伝導が良いためCO2が19%少なかった。
ホウレンソウのお浸しは、ゆでる水の量についてホウレンソウの重さの3倍と8倍で比べたところ、3倍量の水の方が31%少なかった。
みそ汁は、だしの煮干しのはらわたと頭をとり半分に裂いた場合と、はらわただけ取り粉末にした場合を比較。
粉末が38%少なかった。
担当した東京ガス「食」情報センターの三神彩子さんは「火加減、水の量、ふたをするしないなど、調理の際ちょっとした点を意識するだけで、CO2を抑えることができる」と話している。
朝日新聞より
【中野区】他県に風車設置 売電で環境対策費充当
ほかの県に風力発電用の風車を設置し、得た電力を売却する珍しい取り組みを中野区が始める。
売電で得た利益は、区内の環境対策費用に充てる予定。
「ほかの自治体と協力し風力発電に取り組むのは全国初」(納谷光和担当課長)といい、土地や風がない都心が行う新しい地球温暖化対策として注目を集めそうだ。
区の計画では、出力2,000㌔㍗の風車を10年間で区外に3基設置する。
20年度は設置場所の調査などを行い、25年度の設置を目指す。
1基あたりの設置費用は約5億円。
年間約350万㌔㍗の発電が可能で、約900世帯の電力をまかなえる。
売電で得た利益も、公共施設や民間へのソーラーパネル設置など、自然エネルギーの利用を促す費用に充てられる。
設置場所は茨城県常陸太田市の「里美牧場」を予定。
すでに、市と民間の風車計6基が稼働しており、同市が昨年の区民祭に参加するなど交流があったことから候補地として挙がった。
納谷課長は「土地も安定した風もなく、区内に風車を立てられない都心の中野区が、どのように温暖化対策に取り組むべきか考えた。常陸太田市との交流にもつなげていきたい」と話している。
産経新聞より
2008年02月07日
【環境省】里地里山の保全 支援サイト開設
環境省は農地とその集落を取り巻く林などを指す里地里山の保全活動を支援するための情報サイト「里なび」を開設したと発表した。
里地里山地域の住民、都市部のボランティア活動希望者、民間団体などに広く情報を発信する。
誰でも活動に参加しやすくするとともに、適切な活動を促すため専門家の助言などを受けられるようにし、里地里山の保全に生かす。
「里なび」では、ボランティア希望者向けに全国の保全活動団体や研修会などの情報を紹介する。
また里地里山地域の住民向けには保全再生計画作りや専門家を紹介する。
同省によると日本の里地里山は国土の約4割を占める。
水源などの重要な役割を果たしているが、過疎化や高齢化といった影響で自然へのかかわりが減り、生物多様性も損なわれているという。
日経産業新聞より
2008年02月06日
バイオ燃料ビール技術で(サッポロビール他)
ビール大手が食料廃棄物や食用でない植物に含まれるセルロースからのバイオ燃料製造に乗り出す。
サッポロビールの技術を使ったプラントが3月に稼働するほか、サントリーやキリンビールもセルロースからエタノールを生産する技術の研究に着手した。
発酵などで蓄積したノウハウを活用し、需要拡大が見込まれるバイオ燃料の本格的な事業化を目指す。
バイオ燃料の原料としてはトウモロコシなどが一般的だが、食用と競合するうえ輸入に大きく依存、コスト、量とも調達には不安がある。
ただ確保しやすい廃棄物やセルロースは燃料にするまでの工程が複雑で、安定して生産に使うことは難しいとされてきた。
サッポロビールは、廃棄されたイモ類の皮などとおからを特殊な酵母とともにセ氏100度程度に加温、エタノールを効率的に生産する技術を開発済み。
1,000kgのイモ類と400kgのおからから350㍑のエタノールを生産でき、1㍑当たりの製造コストは100円程度という。
この技術を使う生産設備を静岡市内の食品廃棄物処理会社が購入、3月に稼働させる予定となっており、サッポロは今後も毎年1件は需要が見込めるとしている。
サントリーが始めるのは、セルロースを分解してエタノールを造る力を持つ特殊な酵母を使って生産工程を短縮する研究で、神戸大学や京都大学などと共同で行う。
セルロースの種類に合わせて働きが異なる酵母を作れ、様々な植物を原料に使えるようになる。
キリンビールはビールの製造後に残る麦などのカスを細かく砕いて発酵、エタノールにする技術を開発する。
茨城県取手市内に試験設備を建設し、年央までに実用化できるかを判断する。
これまでもアサヒビールが多収穫サトウキビを原料にしたエタノールを沖縄県で試験生産、キリンも北海道でテンサイや小麦を原料にした製造施設を受注した。
今後は未利用植物を原料にする技術の開発も強化する。
セルロースからのバイオ燃料量産では新日本石油やトヨタ自動車など16社も経済産業省、農林水産省などと共同で研究。
ガソリンや輸入エタノールに対抗するため1㍑40円程度まで製造コストを引き下げることを目指している。
サッポロビールなども利用拡大のため、今後も技術改良を続けていく。
日本経済新聞より
2008年02月05日
宮城球場命名権、契約継続(日本製紙)
宮城県は4日、プロ野球東北楽天ゴールデンイーグルスの本拠地・県営宮城球場(仙台市宮城野区)のネーミングライツ(命名権)を取得した日本製紙(東京)が古紙配合率を偽装した問題で、同社との命名権契約の継続を正式に決めた。
シーズン開幕が迫る中、球団側は安堵(あんど)の表情を浮かべた。
一方でファンからは、会社側に企業倫理の徹底を求める注文も出た。
日本製紙は昨年末、愛称を「日本製紙クリネックスタジアム宮城」と決定。
今年に入って偽装が発覚し、同社は愛称から社名を外すことを提案した上で、契約を継続するよう県に要望していた。
県の決定を受け、日本製紙は「県民の皆さんや楽天野球団に迷惑をかけてしまった。あらためておわび申し上げたい」(広報室)と陳謝した。
同社は社名を外す期間を「1年か2年」と考えていたが、県は契約の全期間の3年とした。
同社は「それだけ(偽装が)重大と判断されたということ。真摯(しんし)に受け止める」と話した。
パ・リーグは3月20日にシーズン入りし、宮城球場の開幕戦は29日の日本ハム戦。
2月1日から沖縄・久米島でキャンプ中の東北楽天の選手らは、好スタートを切ろうと連日汗を流している。
楽天野球団は「命名権が継続となり、安心した。これで野球に一層集中できる」とほっとした様子。
早急にロゴマークを決めて球場に掲げる看板などを制作し、開幕に臨みたい考えだ。
命名権の行方は楽天ファンも注視していた。
仙台市太白区の会社員板橋裕一さん(31)は「これを機会に日本製紙は襟を正し、プロ野球チームの球場名の重みを自覚してほしい。(略称の)Kスタ宮城が早く地域に密着するといい」と語る。
太白区のアルバイト伊藤佳奈さん(25)は「偽装があったのだから、個人的には契約解除した方が良かった。解除になったフルキャストと何が違うのか、県はしっかり説明すべきだ」と話した。
河北新報より
2008年02月04日
地域産品集めアンテナ店(中小企業基盤整備機構)
経済産業省主管の独立行政法人中小企業基盤整備機構は、地域資源を生かした商品などをそろえた常設のアンテナショップを東京・表参道に4月開店する。
経産省・中小企業庁が進める施設の一環で、伝統技術に新しいデザインを組み合わせた雑貨やインテリアを選抜して展示販売する。
ライフスタイル提案型のイベントも順次開催する方針だ。
ショップは東京都港区北青山三丁目の東京メトロ表山道駅そばに開く。
375平方㍍の敷地に地上3階建て(延べ床面積675平方㍍)の建物を新設する。
20~40代の高感度な女性と流通関連のバイヤーをターゲットに想定している。
店名は今後詰める。
ショップ1回は非食品の物販、2階は食品販売と飲食スペース、3階は商談とイベントなどに使う。
運営は外部業者に委託する。
営業は物販が午前11時から午後7時、飲食はさらに遅くまでとする方向で調整している。
扱う商品は伝統技術や産物などの地域資源を活用して地元の中小企業が開発する雑貨やインテリア、衣料品などが中心。
観光商品や食品も含めて当初は500品目程度を販売する。
「都会の新しい暮らし」の提案をテーマにするという。
経産省が推進する「中小企業地域資源活用プログラム」が計画認定した商品化プロジェクトを中心に、取扱商品のデータベースを構築する。
認定外の商品にも門戸を開放する報告で準備を進めている。
2007年6月立ち上げた「地域企業化向上支援事業・市場調査支援施設の開設にかかわるコンセプト策定検討会」がまとめた店舗コンセプトをもとに、ビジュアルマーチャンダイジングの専門家などで構成する選考組織が今後、扱い商品を選ぶ。
中小企業地域資源活用プログラムは農林水産品や産地の技術、観光資源などの地域資源を活用して開発する新商品・サービスを支援する今年度開始の施策。
1月時点で224件の事業計画が認定されている。
日経流通新聞より
2008年02月03日
【栃木県】「災害防ぐ本物の森づくりが必要」
世界で約3,000万本の植樹活動を実践してきた、植物生態学者の宮脇昭・横浜国立大名誉教授(80)が2日、宇都宮市で「人間と森の関(かか)わりについて」と題し、講演した。
宮脇教授は約100人の聴衆を前に「シイ、カシなど、日本古来の常緑樹は0.06%しか残っていない。台風や地震、火事にも耐える本物の森づくりが必要」と訴えた。
栃木県内ではNPO法人「森びとプロジェクト委員会」(岸井成格理事長、東京都新宿区)が、日光市の旧足尾銅山で植林活動を続けている。
宮脇教授は「子供たちの未来のために、命の森づくりを一緒に進めていきましょう」と呼び掛けた。
宮脇教授は、2006年、優れた環境保護活動に贈られる「ブループラネット賞」を受賞している。
毎日新聞より
2008年02月02日
環境保険の簡易版 保険料下げ(エース損保)
外資系損害保険会社のエース損害保険は1日、企業が土壌や大気などを汚染させたことによる損害賠償リスクを補償する特約型の環境汚染賠償責任保険を発売した。
既に販売している通常の環境汚染賠償責任保険に比べ、保険料などを下げた“簡易版”とした。
新商品「特約型環境エース」は、通常の環境汚染賠償責任保険では年間保険料が数百万から数千万円かかる場合があるのに対し、年間5万円以上からと抑えた。
補償範囲を保険契約開始以降に限定したことに加え、保険金額を5億円までと低めに設定したことで低額の保険料を実現した。
通常は保険契約を結ぶ際に補償対象となる工場などに出向いて環境調査やリスク診断などを行う必要があるが、それらを不要とした。業種や過去の事故歴など7項目の質問に答えるだけで契約できる。
新商品は、施設の管理やそれに関連する仕事で受けた賠償責任を補償する施設賠償責任保険に付属させる特約で、施設賠償責任保険の保険料が別にかかる。
同社では、通常の環境汚染賠償責任保険「環境エース」を昨年7月に発売した。
今後は、リスクが高い化学薬品工場などに対しては通常商品を、リスクの低い一般の工場やスーパーマーケットなどに対しては特約型を販売する計画。
これにより企業の多様なニーズに応え、環境汚染賠償責任保険の販売増を狙う。
環境汚染賠償責任保険は、1980年代に米国で導入された。
環境リスクの高まりなどから欧米では加入が進んでいる。
一方、日本では1992年に認可されたものの、保険料の高さなどから思うように売れていない。
同社の今井隆志社長兼CEO(最高経営責任者)は、「環境に関するリスクは国内でも徐々に高まっており、補償に対するニーズも増えると考えている」と話している。
産経新聞より
2008年02月01日
【横浜市】省エネ術 庁舎で“勉強”
横浜市は4月から空調など庁舎の設備のエネルギー効率を上げるため、建物内の電力やガスなどの使用状況を細かく計測するモデル事業を始める。
屋外の気温や建物の特性を考慮し、設備の最適な使い方を割り出す。
モデル事業で得た省エネのノウハウをほかの施設にも活用し、地球温暖化対策につなげる。
来年度予算案に1,000万円を盛り込んだ。
区庁舎など市が管理する施設のうち、一棟をモデル施設として選定する。
4月から1年間、モデル施設の電力とガスなどエネルギー使用量の推移を分ごとに記録。
屋外の気温や室内の温度、二酸化炭素濃度、湿度など約70項目のデータを集める。
市は計測したデータの分析を外部の研究機関に依頼。
研究機関は外の気温と使用エネルギー量などの相関関係をコンピューターで解析する。
窓の位置や大きさ、風通しなどの建物の特徴を考慮して、いつ、どのように空調を作動させれば最も省エネになるかなどを割り出す。
例えば夏、昼間に向けて気温が上がることが予想される時、それまでのデータの蓄積から一日の気温の上がり方を予測。
何時にどのくらいの設定で空調を作動させ建物を冷やしておけばいいかなどがわかるようになる。
気温が上がる前に空調を効かせておけば、暑くなってからつけるよりコストが下がり、省エネにつながるという。
市は2025年度までに市民一人当たりのCO2排出量を2004年度比で30%以上削減し、再生可能エネルギーの利用を現在の10倍に引き上げる環境目標を掲げている。
モデル事業で得た省エネのノウハウをマニュアル化してほかの施設でも活用できるようにしたり、今後のデータ計測に役立てたりする方針だ。
日本経済新聞より