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2008年01月31日
再生紙偽装 環境対策費に10億円負担
再生紙偽装問題で、業界団体の日本製紙連合会(会長、鈴木正一郎・王子製紙会長)と製紙大手5社が31日、そろって会見し、消費者の混乱を招いた責任を果たすため、環境保全活動に今後数年間で総額10億円を負担すると発表した。
偽装問題で製紙業界は環境対策を軽視しているとの批判が強まったことから、古紙回収活動の支援などで信頼回復を図る考えだが、具体的な内容や各社の負担割合は決まっておらず、今後の検討課題とした。
活動費の負担を表明したのは、王子製紙、日本製紙、大王製紙、三菱製紙、北越製紙の5社。
製紙連と連名で「多大の混乱とご迷惑をかけた」との共同声明を発表し、改めて謝罪した。
鈴木会長は「(今回の対応が)市場の混乱を緩和するのに役立つならありがたい」と述べ、事態の収束に期待を示した。
再生紙偽装は大手5社を含む製紙連加盟の17社で行われており、鈴木会長は「残りの会社も社会貢献に参加するよう努力する」と述べ、参加を働き掛けていく考えを明らかにした。
毎日新聞より
2008年01月30日
6月に札幌ドーム 参加団体募集(環境総合展2008)
環境問題が主要テーマとなる7月の北海道洞爺湖サミットを記念した官民共同のイベント「環境総合展2008」が6月19~21日、札幌市豊平区の札幌ドームで開かれる。
道内外の企業、大学、団体が環境先端技術や取り組みを紹介するほか、記念講演会などを予定。
6万人の入場を目標に今後、参加企業・団体を募集する。
道と札幌市、北海道大、道内経済団体、銀行などでつくる実行委員会の事務局が29日、北洋銀行本店(札幌市中央区)の地下2階に開設された。
北海道電力から出向した越智文雄事務局長は「北海道の産業界や自治体の力を結集し、環境への取り組みや商品、豊かな自然や食を世界に発信していきたい」と意気込む。
同日、道庁で開かれた実行委で高橋はるみ知事は「環境への意識がさらに高まることを期待している」と述べた。
毎日新聞より
2008年01月29日
「環境モデル都市」10か所選定へ、温室効果ガス削減支援
政府の地域活性化統合本部(本部長・福田首相)は29日午前の会合で、温室効果ガスの大幅削減などで先駆的な取り組みを進める「環境モデル都市」10か所を6月中に選定し、予算の重点配分などで支援していく方針を決めた。
今年度中に選定基準を策定し、募集要項を発表する。
環境モデル都市の選定は、福田首相が先の施政方針演説で、環境問題対策の一つとして打ち出した。
モデル都市の取り組み例としては、複数の人が車を共同利用する「カーシェアリング」の導入といった、生活様式も含む総合的なプランの策定や、大学・企業など地域の知的インフラの活用などを挙げた。
選定は全市町村を対象とし、「人口規模にこだわらない」ことを申し合わせた。
一方、会合では、都市生活改善の指針である「都市と暮らしの発展プラン」を決定した。
<1>密集市街地の解消など、安全・安心で豊かな都市生活の実現
<2>省エネ性能の高い住宅・建築物の普及促進など、地球環境問題への対応
<3>国際競争力の強化と国際交流の推進--の三つが柱だ。
このほか、全国を8ブロックに分け、担当の参事官を各ブロックに配した「地方連絡室」の設置や、内閣官房地域活性化統合事務局の下に有識者で作る「地域活性化戦略チーム」を発足させ、地方の活性化策に助言を行うことなども決めた。
読売新聞より
「うみ出し切れず」有害ばい煙排出で(石原産業)
「うみの出し方が生ぬるかった」。
石原産業(大阪市)の四日市工場で基準を超える有害物質を含むばい煙を排出していたことが分かった28日、同社の織田健造社長が県庁で謝罪会見した。
社内で問題を把握しながら県に報告せず、今回、県の検査でようやく明るみに。
自浄作用の働かない同社の体質があらためて浮き彫りになった。
今回判明した工場内の3施設のうち、「6号ボイラー」で2003年11月と2005年5月の2回、最大で排出基準を1.08倍上回る窒素酸化物(NOx)の排出を測定していた。
昨年11月末に退職した当時の同工場エネルギー総括部長が把握したが、工場長ら上司への報告を怠った。
この元部長は「2003年の時は新ボイラーが(2005年7月から)稼働するのが分かっていたので(報告しなくても)問題ないと思った。
2回目は最初に報告しなかったので、できなかった」と認めているという。
ボイラーには、NOxの排出に問題があった際に稼働を調整するマニュアルがあったが順守していなかった。
会見で織田社長は「調整すると生産量が落ち込み、踏み込めなかったのだろう」とした。
2006年に基準を上回るNOxを排出していた別のボイラーと、2004、2005年の2回、基準の1.4倍のばいじんを排出していた乾燥施設については、今回の県の検査を受けて同社や県が過去の資料を調査するまで、基準を超えていたことを把握していなかったという。
2005年10月に発覚したフェロシルト事件からの再出発を誓って昨年6月に就任した織田社長。
しかし、昨年9月には愛知県瀬戸市でフェロシルトとは別の産業廃棄物の不法投棄が判明。
今月25日には同工場内の土壌、地下水汚染も明らかになるなど、不祥事の発覚は後を絶たない。
過去の問題の洗い出しを指示している織田社長は「新生石原の体制になったが、うみが出し切れない。今回、県から指摘を受けるまで公表できなかったことは遺憾。社内の透明性を高めたい」と頭を下げた。
関係社員への懲罰については、フェロシルト事件など一連の不祥事と合わせて、2月末ごろに社内の懲罰委員会が決定する予定。
中日新聞より
2008年01月28日
知っている環境用語 1位クールビズ(コクヨビジネスサービス)
最も知っている環境用語は「クールビズ」――。
コクヨビジネスサービスは2007年版「環境に関する意識調査」の結果を公表した。
代表的な環境用語42語の認知度を調べた。
調査は1都3県に住む成人男女を対象に2007年12月20~21日にインターネットで実施。
1,032人分集めた。
クールビズは「名前は見聞きしたことがあり内容も知っている」が86.7%に達し、「アイドリングストップ」(83.1%)、「充電式電池」(82.7%)が続いた。
「マイ箸」(79.4%)が6位、「エコバッグ」(78.6%)が7位と最近話題の言葉も上位に入った。
「ウォームビズ」(71.1%)は13位だった。
一方、フードマイレージは9.3%(38位)にとどまり、サスティナビリティー(7.2%、40位)も一ケタ台だった。
環境を考えて2008年に実施したいことも聞いた。
2007年に実施したことに比べて大きく増えたのは17位の「エコマークの付いたものを購入」(34.2%)で20.1ポイント増だった。
日経流通新聞より
2008年01月27日
【岡山市】ESDフェス「二酸化炭素、出すのは人間」
環境省の「持続可能な開発のための教育(ESD)」推進事業のモデル地域に指定されている岡山市京山地区の市立京山公民館で26日、取り組み報告やリサイクル活動を紹介する「第3回岡山市京山地区EESDフェスティバル」があり、地域の子どもから大人まで、幅広い世代が集まった。
今後の課題を考える「京山ESDサミット」には、約150人が参加。
岡山市立津島小(同市津島本町)5年生は、地球温暖化対策として、二酸化炭素排出量を減らすため、マイバッグの使用や、電車を使った旅行などの実践報告をした。
児童からは「二酸化炭素排出量を減らすことで本当に温暖化は進まないのか」と率直な疑問も出され、環境省中国四国地方環境事務所の職員が「目に見える効果はすぐにはないが、取り組みを長く楽しく続けることが大事。二酸化炭素を出す生活をしているのは人間だということを忘れてはならない」と答える場面もあった。
発表した同小の木村紫玲君(11)は「いろいろな人の意見が聞けた。身近なところから二酸化炭素を減らしていきたい」と話していた。
また、会場では、家庭で不要になった食器類を持ち寄って交換するコーナーが設置されたほか、自衛隊による炊き出し体験もあり、「マイはし」と「マイ汁わん」を持参した参加者がおにぎりと豚汁を味わった。
毎日新聞より
2008年01月26日
「グリーンマップ宇治」作製大詰め(京都文教大)
京都文教大(京都府宇治市槙島町)の学生たちが、宇治市民とともに地域の魅力を再発見しながら、身近な自然や環境問題を知らせる地図「グリーンマップ宇治」づくりを進めている。
春の観光シーズンに向けて追い込み作業を進めており、メンバーたちは「これまで知られていなかった宇治のよさをどんどん発掘していきたい」と意気込んでいる。
グリーンマップは、観光スポットや散策コースだけでなく、美しい自然や風景、反対にごみが目立ったり、汚れている川などの場所も記し、身の回りの環境問題に気づいてもらう狙いがある。
国内だけでなく世界の約250都市で作られている。
地図は、文化ホールや物販店などは世界共通の記号を用いるほか、茶畑や宇治十帖の史跡など宇治特有の場所にはオリジナルのマークを作って記す。
メンバーお気に入りの樹木、バリアフリー施設なども描き入れるという。
昨年10月、学生を中心に9人でプロジェクトをスタートさせた。
今回は木幡、五ケ庄など東宇治地区から宇治橋周辺の中宇治地区までを五つに分けて製作しており、同11月には地元市民に呼びかけて地区内の木幡池や万福寺を巡るフィールドワークも行った。
代表で同大人間学部2年のマークィーゾス・コンスタンディノスさん(20)は「地域の人たちと話すと、宇治にはまだまだいいところがあるとわかった。大勢の参加を得て楽しみながら作っていきたい」と話している。
京都新聞より
2008年01月25日
防災研究施設 4月開設予定(琉球大学)
琉球大学(岩政輝男学長)が防災関係の研究センターを4月に開設予定であることが24日、分かった。
台風や地震、津波、集中豪雨による地滑りや河川はんらんなどの災害の発生メカニズムや対策について、体制をつくって継続的に研究する。
こうした研究成果を県内外の災害防止技術に反映させたい考えだ。
理、工、農学部の教授ら約10人でメンバーを構成し、学内の既存施設に開設する。
同大の学内研究センターはこれで4カ所目となる。
センターでは具体的な共同研究に取り組むほか、県の災害に関する文献のデータベースを整備したり、シンポジウムや研究会を開く。
またセンター内で特定のテーマに沿って研究班も発足させ、個別研究を進めていくことも想定している。
近年の県内での地滑りや河川はんらんの発生、台風の大型化などを受け、琉大はさらなる防災研究の必要性からセンター設置を検討していた。
昨年12月には土木工学科創立50周年記念事業として、第1回防災・環境シンポジウムを開催した。
また、琉大理学部は沖縄における巨大地震発生の可能性を調べようと、他の研究機関と共同で琉球海溝の海底地殻変動観測を今月15日から開始した。
政府の地震調査委員会が発表した「地震動予測地図」によると、今後30年以内に那覇で震度6以上の地震が起きる確率は15.4%で、福岡0.6%、東京11.4%と比べても高く、沖縄での巨大地震発生を警戒する専門家もいる。
センターの名称は未定だが、琉大の学内研究施設はアジア太平洋島嶼(とうしょ)研究センター、アメリカ研究センター、移民研究センターに続いて4カ所目となる。
琉大の平啓介理事(研究推進、社会連携など担当)は防災研究のセンター設置について「みんなが必要と思いながらも今までなかった。科学的知識を蓄積し、地域貢献の面でも頑張りたい」と話した。
琉球新報より
2008年01月24日
製品の環境負荷一目でわかる総合カタログ 日欧などが共同編さんへ
欧州とアジアの官民が協力し、様々な製品の環境負荷などが一目でわかる総合カタログ作成を目指す動きが出ている。
企業の温暖化対策や環境汚染削減策を推進するスウェーデンの政府機関などが、アジアの20カ国・地域が加盟するアジア生産性機構(APO)や大手日本企業に共同編さんを提案した。
企業の国際的な資材調達などで、環境負荷の低減に役立てる狙い。
カタログ作りは欧州を中心とした国際計画「サステーナビリティ・オブ・ザ・プラネット」の一環。
計画は環境基準の作成、普及を担う官民組織スウェーデン環境マネジメント・カウンシル(MSR)や欧州エンジニアリング大手ABB、カナダのアルミ大手アルキャンなどが進めている。
APOはアジア各国の生産性本部で構成し、環境配慮型の材料、部品、最終製品などを収録したカタログ「エコ・プロダクツ・ディレクトリ」を作成した実績がある。
MSRはAPOと共同で内容の確度を高め、総合カタログの作成を目指す。
MSRのリディング代表らがAPOや日立製作所、新日本製鉄など日本の大手企業の幹部らに提案した。
省エネ効果、廃棄物量、資源消費量などを統一した基準で記載し、温暖化など地球環境への影響が性格にわかるようにする。
MSRは総合カタログの活用が企業の国際的な資材調達や購買の指針となり、世界の企業活動や消費行動に伴う環境負荷の低減に役立つとみている。
温暖化ガス排出権の計算などに必要なデータも得やすくなる。
カタログ作成には、欧州連合(EU)の環境規制部門などの代表にも参加を求める考え。
EUでは化学物質規制のREACH規則など、環境関連の域内ルールが相次ぎ制定されている。
MSRのリディング代表は「環境負荷を共通の物差しで測れるようにになれば、日本やアジア各国からEUへの輸出手続きなども進めやすくなるだろう」としている。
APOのエコ・ディレクトリは産学の専門家や未踏科学技術協会の協力で掲載品を選び表示法なども決めてきたが、メーカーからの掲載希望を断った例はない。
MSRとの共同作業で科学的データに基づく客観的な掲載基準などを作れば、信頼性の向上にもつながる。
日経産業新聞より
2008年01月23日
西海の自然や食を堪能 体験型エコツアー(佐世保地区エコツーリズム推進協議会)
佐世保市の佐世保地区エコツーリズム推進協議会は地元の自然や歴史、文化の魅力を満喫できる体験型観光「させぼエコステイ」のモニターツアーを3月に実施する。
ツアーは宇久島で特産品のかんころ餅(もち)づくり体験や、米海軍佐世保基地内の見学など4コース。
協議会は4月からエコステイを本格的に売り出す予定で、福岡都市圏などへのPR強化を図る。
佐世保市は環境省のエコツーリズム推進モデルの選定地区。
協議会は、西海国立公園・九十九島の自然や旧海軍施設、米軍基地など独特な街の雰囲気を観光業に生かし、地域振興につなげようとツアー創設に取り組んできた。
モニターツアーは福岡市を中心に県外からの参加者を募集する。
各コースとも3月の週末に1泊2日の日程で実施し、定員はそれぞれ20人。
コースは(1)宇久島(1、2日)‐山菜採りや鯨料理など伝統料理、かんころ餅づくりなど(2)ハウステンボス(7、8日)‐三川内皿山の散策、透かし彫り体験、針尾無線塔の見学など(3)山里の温泉・世知原(15、16日)‐石橋群や炭鉱跡の見学、間伐材を使った枕づくりなど(4)九十九島と港町(22、23日)‐無人島での磯遊び、米海軍佐世保基地、海上自衛隊の護衛艦見学など。
料金は福岡市のJR博多駅から佐世保市までのバス代など交通費、宿泊、食事、体験料を含め、大人で1万6,000円~2万1,000円。
いずれもゴミの分別やエネルギーの節約など環境保全や近代遺産の保護や伝統産業育成に対する意識を向上してもらう内容になっている。
今後は地域住民との連携や案内役のガイド育成が課題という。
西日本新聞より
2008年01月22日
学内版「環境税」 1990年から倍増のCO2削減へ(京都大学)
京都大は21日、温室効果ガス削減のための費用をエネルギー使用量に応じて各部局から徴収する「環境賦課金制度」を、4月から全国の大学に先駆けて導入する、と発表した。
利用目的を明確にした「環境税」「炭素税」の学内実施で、省エネ機器導入と意識づけを一気に進め、効果的な温室効果ガス削減を目指す。
京都議定書の「第一約束期間」に合わせて、5年間続ける。
京大は昨年度、二酸化炭素(CO2)排出量が1990年比でほぼ倍増した。
当面は、単位面積当たりの排出量を毎年、機器更新などハードで1%、節電など個々の行動で1%の計2%削減する方針を決めており、この日定めた「京都大学環境計画」に明記した。
目標達成のために、財源確保と省エネへの動機づけが必要と判断し、制度実施を決めた。
学内50の部局ごとに集計した電気、ガス、水道の使用量に応じて4~5%程度を環境賦課金として、部局に配分する予算から徴収する。
ほぼ同額を本部の予算から加え、年間2億4,000万円規模の資金を確保し、省エネ型の照明や空調機器、節電装置などの導入などに充てる。
最大の京大病院では、来年度の徴収額は約2,700万円になる見込み。
原則として、部局からの提案に基づいて、それぞれの部局に徴収額以上の投資を行う。
省エネによる費用削減額が徴収額を上回るよう、本部の資金を加えた効果的な対策を行うことで、賦課金を含めても3年から4年後には部局の水光熱費は減る計算になるという。
環境安全保健機構長の大嶌幸一郎教授は「大学として1日でも早く行動を起こすべきと考えて制度を導入した。(徴収される賦課金を減らして教育研究費を確保しようと)1人1人が行動するきっかけにもなると期待している。5年後は、単位面積の計算ではなく、総量としても減らせるように制度を考えたい」と話している。
京都新聞より
2008年01月21日
中小の環境対策支援(大手銀行・地方銀行)
大手銀行や地方銀行が中小企業の環境対策の支援を強化している。
今年から温暖化ガスの排出を世界全体で削減する枠組みである教徒議定書の達成期間に入ったが、中小企業は費用負担の重さなどから取り組みが遅れている。
各行は環境に配慮した企業の貸出金利を優遇するなど情報・資金の両面で支援を始めた。
みずほ銀行は2月、東京都内で取引先の環境関連の設備メーカーと、環境対策に悩む中小企業との大規模な商談会を実施する。
「中小企業の多くは環境対策をやりたくても、どこに相談したら良いのかわからないのが現状」(ビジネスソリューション部)という。
企業が環境改善につながる設備投資をする際に金利を通常より最大1.625%低くする融資商品も用意している。
三井住友銀行は昨年12月から、京都市独自の環境規格であるKES(京都・環境マネジメントシステム・スタンダード)の登録をした企業に通常よりも0.5%低い金利で資金を貸し出す専用商品を取り入れた。
国内には京都市のほかにも地方自治体が独自に作っている環境規格がある。
三井住友銀行はこうした規格の取得企業を対象とした商品を増やす方針。
三菱東京UFJ銀行も非営利組織(NPO)の環境認証を取得した企業にも優遇融資をすることを検討している。
地銀では滋賀銀行が太陽光発電システムを導入する企業の貸出金利を優遇。
千葉銀行などは環境認証を取得している企業向けに銀行保証付き私募債の保証料や手数料を低くする制度を設けた。
原油高・原材料高の影響などで中小企業の経営環境は厳しくなっている。
「直接収入の増加につながりにくい環境関連の投資には二の足を踏む企業も少なくない」(大手銀)との指摘もある。
日本経済新聞より
2008年01月20日
センター試験 地球温暖化など 環境テーマの出題が相次ぐ
20日まで行われた大学入試センター試験で、地球環境問題への世界的な関心の高まりを反映し、環境に関する出題が相次いだ。
地球温暖化や1997年の地球温暖化防止京都会議(COP3)のほか、バイオエタノールなど最近の話題からも出題された。
20日に行われた「理科総合B」は、第4問が「人間の生活と地球環境の変化」がテーマ。
地球温暖化による島しょ国の水没や台風や高潮被害の増加などほか、環境ホルモン(内分泌かく乱化学物質)による「生物のオス化」も題材となった。
また、「理科総合A」では、自動車燃料として需要が高まっているバイオエタノールや、ハイブリッドカーなどについて出題された。
初日の19日に行われた「地理A」の第4問は「地球的課題と国際協力」がテーマで、シベリアの森林伐採や中国の酸性雨、内陸の砂漠化などが題材になった。
小問で「持続可能な社会をめざす取組み」として、原子力発電ではなくリサイクルを正答とした。
同日の「世界史A」でも、チェルノブイリ原発事故(1986年)について出題された。
また、「倫理」では、「未来世代に対する責任の自覚と取組」についての選択肢で、COP3(出題では京都会議)や地球サミットが登場した。
京都新聞より
2008年01月18日
【北海道開発局】入札評価項目に環境対策を追加
北海道開発局は同局による年間約1,800件のすべての公共工事入札に関し、来年度から環境対策を評価項目に入れることを明らかにした。
地球環境問題が大きなテーマの北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)が開催されることも背景にある。
「北海道エコ・コンストラクション・イニシアティブ」と総称。
工事事務所用トイレに水を使わないバイオトイレを採用する、立ち入り防止柵に間伐材を活用する、といった工夫を入札時の評価点として加算する。
環境対策で優秀な業者は年度末に表彰し、その後の入札で優遇するなどの仕組みも導入する。
これまでは、環境対策の評価は大規模工事に限られていた。
日経産業新聞より
【環境省】日本企業の技術公開
環境省は来年度から日本企業などが持つ地球温暖化の防止儀打つに関する情報をホームページで公開する。
温暖化ガスの削減につながる太陽光発電やヒートポンプなど紹介して発展途上国への技術移転を促す。
技術移転は温暖化防止の国際交渉で先進国が果たすべき役割として途上国から要望が高まっていた。
公開する技術は主に日本企業がもつ省エネルギー技術。
ハイブリッドや燃料電池などの先端技術のほか、ヒートポンプやバイオ燃料など途上国においてもすぐに活用できる技術を紹介する。
同省は専門家による委員会を近く設けて公開する優れた技術を選ぶほか、企業からも公開したい環境技術を募集する。
海外での活用事例や技術を提供する企業名も公開する考えだ。
昨年12月の国連気候変動枠組み証約締約国会議(COP13)では、技術移転を積極的に進めることで合意した。
ただ、技術を提供する先進国と受け手となる途上国の間での情報不足が問題となっていた。
同省はネットを通じて具体的な環境技術の内容や効果を紹介することで技術移転をスムーズに進める。
日本経済新聞より
2008年01月17日
「グリーン購入」メーカーの申告前提
製紙業界による古紙配合率の偽装は、メーカーの自己申告を前提としたグリーン購入法のあり方にも一石を投じそうだ。
国などの行政機関に環境配慮製品の購入を義務付けるグリーン購入法は2001年に施行され、文具や家電、自動車など17分野222品目について細かく仕様や原料を定めている。
紙製品についても古紙配合率の基準を設け、コピー用紙では100%、印刷用紙では70%以上と定めている。
ただ行政機関側は基準を満たしているかどうかを調べておらず、基準に達していない場合の罰則もない。
環境省は毎年2月に基準を見直している。
製紙業界は昨年、コピー用紙や印刷用紙など3種類について基準を見直し、古紙敗亡基準を下げるよう要請した。
環境省はこれに応じる意向だったが、偽装内容を把握するまで見直しを凍結する。
グリーン購入法は地方自治体については、環境配慮製品の購入を「義務」でなく「努力義務」と定めている。
調査実績の公表や国への通知は義務付けられていないものの、購入品が同法の基準に沿ったものかどうかチェックを迫られそうだ。
民間企業の調達にも微妙な影響を及ぼしそうだ。
企業のグリーン購入の指針となる「グリーン購入ネットワーク」のガイドラインには細かい数値義務は定められていない。
ただ、購入側の企業の多くは製品の環境性能を調べておらず、国と同様、納入側の“言い値”に頼っている。
企業はグリーン購入の実効性を問われることになる。
日経産業新聞より
2008年01月16日
古紙配合率、コピー用紙でも偽装(日本製紙)
再生紙の年賀はがきで古紙の割合を偽っていた製紙業界大手「日本製紙」が、コピー用紙でも同様の偽装を行っていたことがわかった。
環境に配慮した製品を流通させることを目的としたグリーン購入法は、国や独立行政法人に対し、古紙割合100%のコピー用紙の購入を義務付けている。
環境省では、同社が国や自治体にコピー用紙を納入するため、古紙の配合率を偽装していた可能性もあるとみて調べている。
年賀はがき用の紙を納入する際に取り決めた40%の古紙配合率を無断で引き下げ、1~5%としていたことが発覚したことを受け、同省で他の製品についての調査も指示したところ、古紙の割合を100%と表示したコピー用紙でも大幅に下回る製品が見つかったという。
読売新聞より
2008年01月15日
地方港の利用拡大(旭硝子)
旭硝子は、トラックによる製品などの輸送時に発生する二酸化炭素排出量を減らすため、地方港の利用を拡大する。
子会社の工場などからの輸送で使う港を8カ所に増やし、年間で約50㌧のCO2を削減する。
ガラスなど重く大きな製品を扱うことが多いため、船舶や鉄道など環境負荷の軽い輸送手段を活用するモーダルシフトを加速し、物流面でのCO2排出を減らす。
子会社で、焼却炉や溶融路の中などで使う耐火物を生産するAGCセラミックスが利用する地方港を2007年度中に8カ所へ増やし、2,500㌧の製品を輸送する。
例えば、横浜港から東北などの顧客へ輸送する場合に陸路では400~500㌔㍍になる。
これを青森県の八戸港や新潟県の直江津港まで船舶で運ぶと、陸路の輸送距離はそれぞれ100㌔㍍程度に短縮できる。
CO2排出削減量は、地方港を利用した場合としなかった場合で生じる陸路の距離の差から算出する。
2007年度は47㌧を見込んでいる。
海外で生産した製品などは横浜や神戸といった国際港で陸揚げし、トラックで顧客まで運んでいたが、コンテナ貨物を扱う地方港が増えたため、積極活用を決めた。
旭硝子の2006年度の国内輸送によるCO2排出量は69,000㌧だった。
2006年施行の改正省エネルギー法が定める特定荷主で、物流におけるCO2排出削減の義務を負う。
今後5年間で5%のCO2排出量原単位を低減する目標を掲げ、対応を急ぐ。
繰り返し使える板ガラス用輸送パレットの採用や工業近隣の企業との共同輸送を始めるなど、合理化策を打ち出している。
日経産業新聞より
2008年01月14日
首相の施政方針演説、「生活者重視」前面に
福田首相が18日に召集される通常国会で行う施政方針演説の骨格が13日、固まった。
生産者重視から生活者重視の政治・行政への転換による「安全で安心な社会」、地球温暖化防止など環境問題への取り組み強化による「持続可能社会」の実現を目指す決意を表明する。
首相は演説で、年金記録漏れ問題や食品表示偽装の多発などを踏まえ、「各府省の意識改革を進め、行政全体を生活者、消費者重視に転換する」との考えを明示する。
具体的に、各府省の関係部局を一元化する「消費者庁」構想を念頭に置いた組織改編や、消費者問題の担当相を常設することを検討する考えを示す。
年金制度などの社会保障政策を議論する「社会保障に関する国民会議」を月内にも設置し、社会保障制度改革を進める意欲も強調する。
読売新聞より
2008年01月13日
グリーン電力基金 加入者の減少続き苦戦…理由は不明?
一般家庭などの電力利用者と電力会社が同じ金額を寄付して、太陽光や風力発電などの自然エネルギーの普及に役立てる「グリーン電力基金」が苦戦している。
地球温暖化防止などの環境問題の重要性が増す中、手軽に自然エネルギー普及に参加できる仕組みとして期待されているが、2004年から加入者の減少が続き、基金からの助成額も2006年度に続き2年連続で前年実績を下回る見通しだ。
グリーン電力基金は2000年10月、電力会社主導で発足した。
家庭など電力利用者が、毎月の電力料金に1口500円(関西電力は100円)を上乗せした額を各電力会社に支払い、電力会社も集まった金額と同額を積み立て、両者で自然エネルギー事業を助成する仕組みだ。
昨年11月末時点の加入件数は全国10電力会社で3万4,107件。
これまでに風力発電事業者、公共施設の太陽光発電、学校の環境教育用施設などに対し計約30億円を助成した。
最近では、自然エネルギーを考える地域の拠点作りへの助成も増えている。
ただ、加入者は2003年度、助成額は2005年度をピークに減少に歯止めがかからない。
詳しい理由は不明だが、各電力会社や、補助金支払いなど実際の運営に当たる各地の地域振興財団は「加入者が定年退職で基金から脱退したり、引っ越しの際に再加入手続きをし忘れる例が多いのではないか」とみている。
しかし、環境意識が高い人でないと続かないという面もありそうで、東京電力などは2月にも、加入者と脱退者計1,500人を対象にアンケート調査を実施し、加入者の要望や脱退理由などの実態を調べる方針だ。
毎日新聞より
2008年01月12日
ホヤの殻でスピーカー新素材(宮城県立石巻工業高校)
海産物のホヤの殻からスピーカーの振動板などに使える新素材を作ることに、宮城県立石巻工業高校(同県石巻市)天文物理部が成功した。
ホヤの殻は産業廃棄物として捨てられる“厄介もの”。
利用が一般化すれば環境問題にも貢献できそうだ。
ホヤの殻の繊維質を木材パルプに混ぜたスピーカー振動板は音響機器メーカーのオンキヨーが既に開発しているが、生徒たちは、殻からプラスチックの一種、ツニシンと呼ばれる成分を約2カ月かけて抽出し、薬品と反応させて柔軟性や弾力性の高いアセチル化ツニシンを作った。
アセチル化ツニシンを円盤状の薄い板に加工し、スピーカーの振動板を試作したところ、市販品に比べて雑音が少ないことが分かったという。
アセチル化ツニシンはプラスチック素材のように加工しやすいため、生徒たちは振動板以外の製品の試作も進めている。
宮城県は全国のホヤの約8割を水揚げ。
近年は単価が下がり、加工経費を浮かせようと、不要になったホヤの殻を産廃として処分せず、海中に投棄する業者が増えている。
平成18年には、海にホヤの殻を不法投棄したとして、水産漁業者ら9人が廃棄物処理法違反の疑いで書類送検された。
ホヤから抽出されるツニシンは、微生物などによって水や二酸化炭素などに分解される性質を持っているため、環境に優しい利点があるという。
産経新聞より
2008年01月11日
【埼玉県戸田市】低コストのリサイクル素材で屋上緑化の推進図る
戸田市は、オールリサイクル素材による「フェルトガーデン戸田」を使用した、低コストの屋上緑化推進に向けて、今年度から本格的な普及活動を開始しており、新年度から小学校1~2校の校舎屋上緑化に着手する予定である。
この「フェルトガーデン戸田」は、古布をリサイクルしたフェルトを土壌代わりに使用した、軽量で安価な緑化手法で、平成16~17年度に実施した、庁舎ベランダや屋上での実験(芝生の生育状況や真夏における温度差のデータ収集)を踏まえ、特許庁に商標登録した名称。
庁舎屋上の緑化設備の構造は、耐水フィルムを敷いた上に、生ゴミの堆肥とスーパーソル(ガラスの廃材)をブレンドしたものを、厚さ1cm程度のフェルト(古布)で挟み、ペットボトルのキャップで作ったフレームで囲っている。全体の厚さは約10cm。
芝生は種蒔きで、和芝、洋紙芝とも元気に生育している。また、農薬や化学肥料は使用せず、EM液(黒みつと有機微生物群)を施しているのが特長。
このメリットは、リサイクル素材を使用したことにより、廃棄物の減量が図れるほか、土壌による屋上緑化より大幅に軽いため、特別な建物の補強工事が必要ないことから、施工費用が安価で、維持経費も割安となっていることが挙げられる。
さらに、市の実験データでは、屋上コンクリート温度が45℃の時、緑化設備の中心部が34℃と、11℃も温度を下げる効果があった。
また、市内の企業(ジャパンエナジー研究所)が、「フェルトガーデン戸田」を使用した屋上緑化設備の実験データでは、屋上コンクリート部が52℃の時、芝生根元で35℃、フェルトガーデン底部で28℃という結果が示されている。
このように、ゴミの減量化になり、省エネにつながり、緑も増やせる一石三鳥の取り組みに対して、国内の自治体はもとより、外国からの視察や問い合わせがあるなど、各方面から高い関心が寄せられている。
今後、市では公共施設への施工はもとより、温暖化防止、とりわけヒートアイランド現象の緩和に著しい効果が期待されることから、条例で屋上緑化が義務付けられている都内のビルへの設置を働きかけていく方針で、パンフレットを作成中。
日本工業経済新聞より
環境装置受注額 11月、2%と微増
日本産業機械工業会が10日発表した2007年11月の環境装置受注額は795億6,900万円で前年同月比2.0%の微増となった。
2カ月連続のプラス。
民需、官公需ともに堅調だったが、輸出は大幅に落ち込んだ。
民需は136億3,000万円で、同42.2%増。
5カ月ぶりに増加に転じた。
製造業で化学向け事業系廃棄物処理装置や鉄鋼向け排煙脱硫装置が増えた。
非製造業は建設業など向け下水汚水処理装置、事業系廃棄物処理装置が伸び、同94.1%の大幅増だった。
官公需は654億8,800万円で、同46.1%増加した。
水質汚濁防止装置関連機器、都市ごみ処理装置、ごみ処理装置関連機器が順調に伸びた。
一方、輸出は4億5,000万円となり、同98.1%の大幅減。
排煙脱硝装置などが減少した。
前年11月には都市ごみ処理装置の大型受注があった反動もある。
日経産業新聞より
2008年01月10日
若者向け環境教育(デンソー)
デンソーは9日、国内外の若者を対象にした環境教育プログラムを始めると発表した。
第一弾として今年7月から、日本とタイの大学生が北海道や愛知県で環境との共生に向けた活動を学ぶ研修を実施する。
社会貢献活動の一環として位置づけ、環境問題への理解を深めるとともに、解決に向けて行動する人材の育成を目指す。
プログラムは「デンソー・ユース・フォー・アース・アクション~新・地球人プロジェクト~」と名付け、社団法人日本環境教育フォーラムの協力を受けて進める。
初回は13日間の日程で、釧路湿原の自然再生プロジェクトや自動車産業における環境負荷低減活動を実地で学ぶ。
別途、成果の報告会なども開く。
初回の定員は日本人、タイ人各10人程度。
約5,000万円の費用はデンソーが全額負担する。
対象となる大学生・大学院生はインターネットなどを通じて公募し、小論文や面接で選考する。
規模や対象国は初回の成果をみて、拡大する方針だ。
日経産業新聞
2008年01月09日
【三重県桑名市】レジ袋有料化 今夏めどに実施
桑名市は8日、市内全域でレジ袋を有料化する方針を明らかにした。
主要スーパーマーケットなど7事業者10店舗と調整に入っており、今夏をめどに実施する予定。
三重県内では伊勢市が昨年9月から始めている。
桑名市は2001年にエコバッグ持参推進運動を開始。
2002年度からは桑名、員弁両郡を含めた桑員マイバッグ運動を展開している。
同運動では、買い物客がレジ袋を断ると、ポイントシールが渡され、たまった枚数に応じて景品交換や抽選会参加などの特典を得る。
しかし、マイバッグの持参率は主要スーパーで10~20%ほど。
有料化した伊勢市ではマイバッグの持参率が8割を超えており、有料化に踏み切ることにした。
7事業者からはおおむね理解を得ており今後、協定などについて話し合う。
桑員マイバッグ運動に参加しているいなべ市、東員町、木曽岬町とも足並みをそろえたいとしている。
レジ袋の価格は各店舗が決めるが、伊勢市では通常の大きさで1枚5円程度という。
商店街には、バッグ持参を呼び掛けてもらうことも検討している。
年頭の記者会見で方針を示した水谷元市長は「今年は洞爺湖サミットもあり、桑名市としても地球環境に対する取り組みを強めたい」と意欲を語った。
中日新聞より
2008年01月08日
【横浜市】2008年度中に「脱温暖化条例」
横浜市では中田宏市長が7日の記者会見で、2008年度中に「脱温暖化条例」(仮称)の制定を目指す考えを示した。
環境対策に取り組む企業への低利融資制度や、省エネ設備を備えた建物への税軽減などが柱となる見通しだ。
2025年度までに市民一人当たりCO2排出量を2004年度比で30%以上削減することを目標に掲げた。
実現に向けた具体的な行動方針を1月中に策定する。
レジ袋や使い捨て容器の使用禁止など廃棄物減量に向けた仕組みをつくる。
マイカーから公共交通機関への乗り換えを促す社会実験を拡大する。
「住宅のエネルギー性能評価制度」を創設するほか、再生可能なエネルギーの利用量を10倍にするための工程表を作成する。
省エネを意識する生活体験モデル事業などを通じて、CO2削減に市民全体で取り組む体制を築く。
中田市長は「思わずやりたくなる環境行動やビジネスとしても魅力的な環境貢献をぜひ巻き起こしていきたい」と意気込みを語った。
日本経済新聞より
2008年01月07日
都心に“里山”まち再生託す(花屋&バー 風花東京)
ランドスケープアーティスト石原和幸さんが、東京・南青山に2007年12月開店した「花屋&バー 風花東京」をプロデュースした。
自動散水機能を仕込んだ外壁の鮮やかなコケの緑から、みずみずしい草木が芽吹く。
店先のせせらぎにはホタルの幼虫を放した。
都心に出現した森のような生態系に、まちづくりの提案を込める。
建築物の緑化はコストだが、都心に“里山”を再現できるなら物件の付加価値を高められる。
「家賃が高くても借り手がつくから利回りを考えれば得」。
「側面緑化」なら地価の高さも問題にならず、温暖化も抑制可能。
同店を発信源に「緑のアートがあふれる東京」の実現を思い描く。
長崎の農村で生まれ育った。
「農村の人間関係っていいでしょ。豊かな自然がコミュニティーをはぐくんだと思う」。
側面緑化が普及すれば、水をやったり宅配の荷物をあずかったりという都心の人間関係も再生できる、と思いを込める。
併設のバーを使って今月始める「男だけの花教室」は、経営者やフリーランスなどが集まる男性限定の生け花教室。
生けた後はグラスを手に語らう。
自然のあふれるサロンだ。
花が媒介する交流から新たなビジネスが芽生えれば、と期待する。
「そのビジネスが環境をテーマにしたものならなおいい」。
各界の専門化がまちづくりを語る「緑化&環境セミナー」も同店で定期開催する予定だ。
日経流通新聞より
2008年01月06日
乗車券リサイクル広がる(名古屋鉄道 他)
駅ホームのベンチやトイレットペーパーに生まれ変わったのは、使用済みの乗車券――。
名古屋鉄道と名鉄協商(いずれも名古屋市)が紙やプラスチック製乗車券のリサイクルにと開発したシステムが、全国の鉄道事業者に広がっている。
廃棄せず長期間使えるICカード乗車券が普及するなかで、乗車券リサイクルの需要はなお続きそうだ。
かつて紙の乗車券は古紙扱いだった。
20年ほど前から裏に磁気が付くことが多くなり、産業廃棄物として処理せざるを得なくなった。
処理費用が膨らみ鉄道各社は頭を悩ませてきた。
名鉄などは紙と磁気を分けずに粉砕し、紙製品として再生するシステムを開発した。
「紙も磁気も一緒に処理するという方法は、当時ほとんどなかった」と、名鉄経営企画部・湯田晃久サブチーフ。
1996年に稼働し、当初は名鉄と名古屋市交通局が利用していただけだった。
それが、徐々に全国に広がり、現在は全国の22社・交通局に増えた。
名鉄の68㌧を含め、持ち込まれる使用済み乗車券は実に350㌧(2006年度)にのぼる。
リサイクルされた商品で最も需要があるのはトイレットペーパーだ。
鉄道事業者が駅や社内で使用するほか、学校やホテル、ビルでも広く使われているという。
また、名鉄では名刺やファイル、封筒にも活用している。
定期券やカード類のリサイクルも、紙製乗車券に少し遅れて始まった。
初めは植木鉢などを細々と作っていた。
駅で使えるベンチやごみ箱を開発すると、飛躍的にリサイクル率が上昇。
名鉄では2006年度に初めて、定期券・カード類の100%リサイクルを達成した。
名鉄名古屋駅のホームに並ぶベンチの座板は、紙切符(約1,500枚)とカード類(約320枚)が25%ずつと、廃プラスチック50%を原料としている。
同社は2006年度に、こうしたベンチを新たに計138台設置した。
名古屋市交通局は2002年、初めてカード類と廃プラ50%ずつを原料とするベンチを地下鉄に導入。
2006年度末までに17駅に122台を設置している。
桜通線延伸で10年に開業予定の4駅にも置く予定だという。
大阪モノレール(大阪府豊中市)は、昨年3月までに1年かけて全18駅の198台をリサイクルベンチに入れ替えた。
大阪市交通局は2006年末に開通した今里筋線全11駅に各4台、京王電鉄(東京都多摩市)もこれまでに188台を設置している。
乗車券をリサイクルに出す事業者は増え、東京メトロのような大口客も出てきた。
ただ、購入する方はトイレットペーパーが中心で、ベンチやごみ箱を購入する事業者はまだ少数派だ。
名鉄と名鉄協商は「価格や使い勝手、更新時期の問題で、ベンチなどの需要は簡単には増えないかもしれないが、少しでもリサイクルの輪を広げていきたい」と話している。
朝日新聞より
2008年01月04日
【京都府木津川市】使用済みの蛍光灯、リサイクルに
京都府の木津川市は4月から1年間、使用済みの蛍光灯をリサイクルに回す「蛍光灯の拠点収集」を、社会実験として市役所など市内4カ所で始める。
現在は「燃やさないごみ」扱いで、破砕して大阪湾で埋め立て処理しているが、蛍光灯には再利用できるガラスやプラスチックが含まれる一方、割れる際に有害物質の水銀も発生するため、分別処理に乗り出すことにした。
市は4月1日から、市役所本庁、加茂支所、山城支所の各旧町役場3カ所と、リサイクル研修ステーション(木津川市神田)の計4カ所の拠点に専用の「蛍光灯回収ボックス」を置き、市民がいつでも持ち込めるようにする。
持ち込みは、買い替え時の包装袋などに包んだ蛍光灯に限る。
市内の収集業者を通じて、蛍光灯リサイクル専門業者の工場(大阪市)で処理をする。
来年3月まで1年間続け、拠点回収でどの程度の量が回収できるかなどを把握した上で、収集方法や継続するかどうかを検討する。
市民は従来通り、月2回の「燃やさないごみ」に出したり、電器店に持ち込んでもよい。
蛍光灯の分別収集は、府中北部の9市3町で行っている。
山城地域では木津川市が初で、精華町も導入を検討している。
一昨年10月に分別を始めた京都市は、市内の約200の電器店や8カ所の市まち美化事務所に市民が持ち込めるようにしており、これまでに約30㌧が集まっているが、およそ95%までが電器店への持ち込みという。
京都新聞より
2008年01月01日
【岐阜県】温暖化防止条例制定へ 「美しい水」施策も展開
岐阜県は2008年度、「人と環境にやさしい県づくり」をキャッチフレーズに、「ぎふエコプロジェクト」をスタートさせる。
地球温暖化防止条例を制定し具体的な数値目標に向けて取り組むほか、「美しい水」にこだわった施策を幅広く展開していく。
今年、環境が主要テーマとなる北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)が開かれるほか、長年県政の懸案となっていた御嵩町の産業廃棄物処分場建設計画問題が解決する見込みとなったこともあり、「環境」を中心テーマに据える。
地球温暖化防止策では、県民に二酸化炭素(CO2)の排出量削減を考えてもらうため、「温暖化防止条例」を制定する。
取り組みを促すだけの“宣言条例”ではなく、具体的な削減目標などを定めた実効性のある内容としたい考え。温暖化防止条例の制定は東海3県では初。
中日新聞より