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2007年07月25日

【環境省・経産省】京都議定書、目標達成困難で追加対策

政府の「京都議定書目標達成計画」を見直していた環境省と経済産業省の合同審議会は25日、中間報告素案を公表した。

中小規模や既存の住宅・建築物に対する省エネ措置の強化や、産業界などが自主的に温室効果ガスの排出削減に取り組む「自主行動計画」の対象を拡大するなどの追加対策を盛り込んだ。
焦点の国内排出権取引や環境税の導入は「最終報告までの検討事項」として先送りした。

素案は現状を「対策が十分に進んでおらず、目標達成は極めて厳しい」と分析。
「排出量の伸びが著しいオフィスなど業務部門と、家庭部門の対策は抜本的な強化が必要」と指摘した。

このため、従来は2,000平方㍍以上の新築物件が対象だった住宅・建築物の省エネ規制について、それ以下の規模や既存物件への適用の検討を盛り込んだ。
新しい省エネ評価の手法を開発し、共同住宅の専有部分や、戸建て住宅も評価対象とすることにした。
住宅の断熱性能向上や、金融措置による家庭用省エネ機器の導入促進などが考えられる。

業務部門ではオフィス機器の待機電力削減など省エネ基準を強化したり、税制優遇措置で省エネ設備の導入を支援。
国民にはシャワー時間を1日1分減らしたり、買い物にマイバッグを利用するなど身近な省エネを積み重ねる「1人1日1㌔の二酸化炭素削減」を呼びかける。
この効果がわかるよう製品への排出量表示を進めることを挙げた。

一方、排出量が最大の産業部門の追加削減策は、産業界への自主行動計画の対象業界拡大を要請するなどにとどまった。
学校や病院などの公的部門や日本新聞協会などに削減目標の設定を求めた。

排出権取引は賛否両論を併記。
環境税は「国民、事業者などの理解と協力を得るように努める」として、共に「総合的に検討する課題」とだけ記した。

日本は京都議定書の2008~2012年の第1約束期間に、基準年(1990年)比で6%の温室効果ガスを削減しなければならない。
このため政府は2005年4月、「京都議定書目標達成計画」を閣議決定した。
しかし国内の排出量は2005年度が1990年比7.8%増の約13億6,000万㌧で、近年は同約5~8%増で推移しており、このままでは達成が困難視されている。

毎日新聞より

投稿者 trim : 2007年07月25日 13:27