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2007年02月25日

食育や食品再利用に取り組むNPO(三重スローライフ協会)

食生活や農業、環境に対する意識を高めようと、大学教授、行政マン、民間企業などの有志が集まって設立されたNPO法人「三重スローライフ協会」。

食事の重要性を啓発する「食育」や、廃棄される食品資源を再利用する事業などに取り組んでいる。
事務局長の岩森政明さん(49)は「多くの人に私たちの活動への参加を呼び掛け、資源循環型社会への理解を広めたい」と意欲的に話す。

同協会は▽ゆったりした生活スタイル▽地産地消の食文化▽環境に配慮した地域産業――を追求し、資源循環型社会をつくろうと、2004年4月に設立された。
設立当初は「資源を循環させる前に、まずごみを減らすことが重要」と考え、「おかえりコイン事業」を県内のレストラン4店で実施。
食事を食べ残した客に事業の趣旨を説明し、賛同する客から協会に対して1人当たり15円の寄付を募った。
その結果、4店では必要以上の量を取る客が減り、食べ残し量が1年間で約半分に減ったたという。

今年度は、地産地消を進めるため、農林水産省の「食育推進支援事業」に応募、採択されたほか、同協会が開発した、食べ残されたものを液状化して豚のえさにする「リキッド(液体)飼料」が経済産業省の「環境配慮活動モデル」に選ばれた。

「食育事業」では、大学生の食の意識を高めようと三重大学生30人をモニターに任命。
多気町の県立相可高校食物調理科の生徒の協力を得て、料理を作って試食するなどした。
大学生からは「料理に対する責任感を教わった」などの感想が寄せられ、岩森さんは「学生の食のあり方に対する意識を高めることが出来た」と話す。

また、リキッド飼料事業では、食品工場の廃棄物やレストランで食べ残しされたものに、牛乳などを混ぜ、飼料として再利用する。
現在、県や養豚農家、食品メーカーなどとの共同研究を進めており、2007年度には飼料工場の運営主体を発足させる予定だ。
「国内の食品廃棄物は1年間で約2,000万㌧あるが、再利用されているのは約400万㌧だけ。リキッド飼料の事業化には多額の設備投資が必要だが、何とか事業化して、資源循環の新しいモデルを全国に発信したい」

4月1日からは他の4事業者とともに、協会事務局がある松阪農業公園「ベルファーム」の指定管理者になる。
食育イベントや園内の緑化を進める「緑育」などに取り組む予定で、「民間の感覚で新しい形の公園をつくり、さらに幅広い活動を展開したい」と意気込んでいる。

毎日新聞より

投稿者 trim : 2007年02月25日 15:50