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2006年12月26日

蛍光物質を再利用(東京大学・秋田大学)

東京大学と秋田大学の研究チームは、蛍光灯に含まれる蛍光物質を再利用する新技術を開発した。

蛍光物質には、近年価格が上昇している希土類(レアアース)が含まれているが、現在は再利用されていない。
このため研究チームはリサイクルのニーズは大きいとみている。

蛍光灯は紫外光を当てると、緑、青、赤に発光する粒径2マイクロ(マイクロは100万分の1)~3マイクロ㍍の球状の蛍光物質を蛍光管の内部に塗ってある。
蛍光管の内部で電子と水銀がぶつかって紫外光が発生し、紫外光が蛍光物質に当たって白色の可視光を出す仕組み。

新技術はまず蛍光管の内部に空気を流し込むことで蛍光物質を取り出す。
次に互いに混ざり合わない2種類の溶媒と、緑色の蛍光物質にくっつきやすい界面活性剤を、蛍光物質とよく混ぜる。
すると界面活性剤が緑色の蛍光物質の表面に付着して2種類の溶媒の境界面で捕集される。
これを回収してエタノールで界面活性剤を洗浄すれば、緑色の蛍光物質を再利用できる。
同様の手法で青色の蛍光物質を回収し、最後に溶媒に沈殿している赤色の蛍光物質を取り出す。
実験では蛍光物質の回収率は90%以上で、純度も90%を上回る水準だった。

緑色の蛍光物質にはセリウムやランタン、赤色にはイットリウムといったレアアースが含まれている。
これらのレアアースは中国が内需を優先して輸出を抑制しているため価格が高騰しているという。

日経産業新聞より

投稿者 trim : 2006年12月26日 11:56