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2005年07月30日
こども環境サミット閉幕
こども環境サミット2005の4日目(最終日)は29日、豊橋市草間町、豊橋勤労福祉会館で行われた。会議(活動報告、基調講演)、グループ討議、ワークショップ、総括会議と重ね、全員で「サミット宣言」について議論し、採択。①エネルギー②森林と生物多様性③水④リサイクル―の4項目について「私たちの約束」と「世界のリーダーへの要望」にそれぞれまとめ、「持続可能な社会に向けて行動を起こそう」(統一テーマ)と高らかに歌い上げ、4日間にわたる全日程を終了し、閉幕した。
8カ国11人のジュニアボードメンバー(運営委員)が3日間の活動を踏まえてまとめた宣言文の素案について、グループ討議。
使用済みアルミ缶を利用したアートや老朽スポーツ用品によるウミガメづくり、竹と自然のもので作るオリジナルアートなど8つ(会場)のワークショップを開き、名誉総裁の秋篠宮殿下、妃殿下がご視察され、眞子さま、佳子さまが実際に参加された。
総括会議は、宣言文の素案を提案したジュニアボードメンバーと会場の参加者が1時間にわたり討議した末、4項目について約束と要望をまとめた。再生可能なエネルギーの利用▽毎月10本の木を植える▽水の再利用▽ごみの分別・リサイクル推進―の約束。同趣旨の要望。
閉会式で、川口実行委員会会長は「サミットで学んだことをさらに大きく広めてほしい」とあいさつ。秋篠宮殿下が「日本発の宣言を世界で役立てて下さい」と述べられ、閉幕した。
次回のこども環境サミットは来年8月にマレーシアで開かれる。
東海日日新聞より
2005年07月28日
【環境省】大阪府のエコタウンプランを承認
経済産業省と環境省は大阪府から承認申請が出ていた「大阪府エコタウンプラン」を平成17年7月28日付けでエコタウン事業として正式に承認することにした。
エコタウン事業は、環境産業振興を通じた地域振興、地域での廃棄物の発生抑制・リサイクル推進を中心とした、既存の枠にとらわれない先進的な環境調和型まちづくりを目的として平成9年度に創設された制度。対象事業については国が総合的・多面的な支援を実施する。
大阪府のエコタウンプランは、廃棄物最終処分場跡地である堺第7-3区で、「亜臨界水反応」によって有害産業廃棄物を工業用アルコールにリサイクルする施設や廃木材・食品系廃棄物などのバイオマス系資源のリサイクル施設などを自然再生の取組み・「共生の森づくり」とあわせながら、整備するとしている。
また「共生の森づくり」には府民・NPO・企業などの多様な主体が参加する予定。
今回の承認はエコタウンプランの承認としては全国で24番目にあたる。
EICネットより
【沖縄総合事務局】連携事業3件認定
沖縄県内中小企業がそれぞれの強みを持ち寄って連携体として新事業を創出し、市場の拡大を目指す異分野連携新事業分野開拓計画で、沖縄総合事務局は27日、県内から3件の事業を認定した。
「リサイクル素材を利用したハイドロカルチャー製品の開発・販売」を事業テーマにしたトリム(那覇市)を代表企業とした新連携事業などが認定されており、必要に応じて国の補助金交付など事業化に至るまで支援体制が組まれる。
今年4月に施行された中小企業新事業活動促進法に基づく認定で、県内では第1号となった。
認定されたのはほかに、代表企業が海邦商事(うるま市)の連携事業と、トマス技術研究所(沖縄市)を代表企業にした連携事業の二つ。
事業テーマは海邦商事が「県産素材を利用したスティック型サプリメントなどの開発・販売」を設定。
マス技術研究所は「サーマルリサイクル技術を応用した完全自動型高性能焼却設備の開発・販売」としている。
認定事業については、金融機関や専門家らで構成する新連携支援沖縄地域戦略会議事務局の個別支援チームが継続的にフォローするほか、中小企業基盤整備機構の構築する全国ネットに、同沖縄事務所を通じて参加し、県外企業との連携を探る機会もある。
同促進法施行後、総合事務局には既に30件超の相談案件が寄せられており、専門家の評価などを経て事業家・市場化の高いビジネスプランを認定していく考え。
沖縄総合事務局の加藤元彦経済産業部長は「前向きな取り組みについては今後も応援していきたい」と話した。
琉球新聞より
リサイクルはどこまで可能か(徳島県上勝町)
徳島県上勝町のごみ分別は34種類、ごみ処理はリサイクル率80%。
上勝町は、じつは1997年までゴミを野焼きしていました。しかし適正処理を行うべく、わが町も焼却炉導入を検討、1993年に「上勝町リサイクルタウン計画」を策定して本格的なゴミ対策に乗り出したのです。
まず、焼却するには最も効率の悪い生ゴミ対策として、コンポストと生ゴミ処理機を導入しました(生ゴミ処理機は、家庭用は1台1万円の負担で、業務用はメーカーのモニター機を老人ホームなどに導入して開発に協力。のち給食センターなど公共施設に設置し、飲食店などは共同で大型の処理機を導入)。これで生ゴミをほぼ100%堆肥化することができました。
1997年には小型焼却炉を2機導入。容器包装リサイクル法の施行にあわせてゴミを19分別、その後25分別とし、2001年1月に小型焼却炉を閉鎖してからは35分別にして、できるだけ多くのゴミを資源化しました。どうしても燃やさなければ処理できないものは民間業者に委託し、現在は34分別、生ゴミを除き約80%を資源化しています。
町のゴミ集積所は1カ所で、住民は洗った空き缶やトレイを分別して持ってきます。高齢者や車を使えない住民は、ボランティア(利再来〈リサイクル〉上勝)のメンバーが収集してくれます。2004年4月からは、分別しておけば、シルバー人材センターから、有償で自宅まで取りに来てくれる仕組みもできました。
こうして住民が分別し、集積所に持ち込んだものを町が品目別に荷づくりします。それをストックヤードに運搬し、量がまとまれば、リサイクル業者に取りに来てもらうのです。集積所から後の行程は、すべて町の経費で処理する仕組みになっています。
今では、住民のほとんどが、汚れたものはきれいに洗って分別するのが当たり前と思うようになりました。ここまで住民の意識が変わってきたのは、住民のゴミに対する関心が高まったこと、そして何より役場職員と一体になって協力し、叱咤激励してくれたボランティアの方々のおかげです。住民の皆さんの温かい理解と協力に、心から感謝しています。
しかし、ここまで住民が努力しても、交通の便が良くなるにつれ、町内ではいたる所に空き缶やビニール袋、ペットボトルなどが捨てられ、時には布団や家具、自動車などまで不法投棄されています。ボランティアが拾っても拾ってもゴミは増え続け、きりがありません。日本全体を見ても、産業廃棄物の不法投棄は、2002年度の1年間に発覚しただけでも32万㌧もありました。
問題は、経済が発展すればするほどゴミの量が増え、自治体がこのゴミ処理に多額の設備投資と管理費を費やさねばならないということです。日本は、国が補助金を出して県や広域市町村、企業などの大型ゴミ処理施設やゴミ発電所の建設を促進しています。2001年度の日本のゴミ処理事業経費は、一般廃棄物だけで2兆6029億1000万円。人口一人あたり20,500円をかけて焼却埋め立てを行い、その結果、ゴミをめぐる住民紛争を誘発し、大気を汚し、資源を無駄にしているのです。
このままでは、いくら大金を使って処理しても、目に見えるゴミと、処理施設から排出される見えない化学物質で環境が汚染されていくばかりです。さらに今後、世界の開発途上国が日本のようにゴミを出して焼却、埋め立て処理すれば、地球全体が汚染されます。また、二酸化炭素の排出で地球温暖化も促進されることになり、人間はもとより他の動植物に与える影響は計り知れません。
こうした状況をふまえて、上勝町は、2020年を目標にした「上勝町ごみゼロ(ゼロ・ウェイスト)宣言」をしたのです。
日本の論点PLUSより
2005年07月26日
自動車用バッテリー、リサイクルの義務化を報告
産業構造審議会と中央環境審議会の合同委員会は25日、自動車用バッテリーのリサイクルを国内メーカーと輸入業者に義務づけるとする報告書案をまとめた。
経産省と環境省はこれを受け、来春をめどに義務付けを実施する方向で作業を進める
自動車用バッテリーは製造業者などの自主的な取り組みでリサイクルされている。
最近はリサイクルの仕組みがない輸入品が増えたため、「資源有効利用促進法」に基づく政省令を改正し、バッテリーをリサイクル対象品目に追加する。
日本経済新聞より
石炭灰リサイクル、実験成功(くしろ石炭灰リサイクルネットワーク)
一般家庭の石炭ストーブの灰を回収し、再利用する実験を行ってきた釧路市の企業グループが十月から、正式に事業化を開始することになった。当面、市内の石炭ストーブ使用家庭の二割に当たる200戸から灰を回収する。ごみとして処理してきた石炭灰を、土壌改良材などとして販売するもので、国内唯一の坑内掘り炭鉱を持つ「石炭のマチ」ならではの新リサイクルビジネスとなりそうだ。
グループは石炭生産販売の釧路コールマイン(釧路)と知的障害者通所授産施設の「はしどい学園」、石炭グッズ販売の「るんちゃんショップ」で構成する「くしろ石炭灰リサイクルネットワーク」。
3者は昨年10月から事業化に向けた実験を行ってきた。コールマインが無料で石炭灰を収集し、はしどい学園が灰をふるいにかけて細かい灰だけを袋詰めし、るんちゃんがインターネットなどで3㌔300円で販売した。
今年6月まで市内の61戸が実験に協力し、《1》たばこの吸い殻やごみなどを混入させずに灰を集められるか《2》需要はあるか-などが課題だったが、製品は改良材のほか居酒屋の炭焼き用の敷き灰などにも利用されて2,400袋を販売。「ほぼ課題をクリアできると見込めた」(コールマイン)という。
灰の回収地域は当面、同市南東部に限り、希望者の中から協力家庭200戸を決める。グループでは「市民との連携でごみ減量化など環境保全にも貢献したい」(菅原繁樹・同社事業担当リーダー)と話している。
同市内では現在、1,100戸が石炭ストーブを利用。灰は通常、可燃ごみに分類、有料回収されるが、焼却炉の安全のため実際には炉に投入せず、埋め立てられている。
北海道新聞より
2005年07月25日
生ごみ乾燥機を商店街に(厚木市なかちょう商店街)
高木産業(静岡県富士市)は、厚木市なかちょう商店街(神奈川県)が取り組む地域通貨を利用した生ごみのキッチンリサイクル活動用に、日量100㌔㌘タイプの生ごみ乾燥処理機3台を納入、8日から本格稼働を開始した。
地域通貨を利用した生ごみのリサイクル活動は、同商店街振興組合が環境省認定の「循環型社会形成実証事業」として実践するもので、商店街周辺の家庭の生ごみを1㌔㌘あたり10円でポイントに還元し、そのポイントを利用して商店街で買い物をしてもらう。
回収した生ごみは乾燥後、たい肥化して野菜を栽培する。
この取り組みでは消費者にはポイントを付与し、商店街にも集客できるという双方のメリットから、同活動の大きな広がりが期待できるとしている。
生ごみ乾燥処理機は、商店街の中で同組合が運営する「エコステーション」に設置された。3台の合計で最大300㌔㌘の生ごみを乾燥処理でき、約1/5の60㌔㌘に減量される。
生ごみを持ち込めるのは同商店街のAPAポイントカード加入者のうち、キッチンリサイクル会員証の登録者で、会員数は現在70人、年内は200人を目指している。
乾燥処理品は、稲わらなどと混ぜて発酵、たい肥化する計画で、有機栽培による野菜作りを東京農業大学と共同で進めていく。
循環経済新聞より
2005年07月21日
「容リ法」スーパー費用負担、大手の大半留保
容器包装リサイクル法が定める企業の費用負担について、大手スーパーのほとんどが2005年度分の支払いを留保する意向であることが20日、わかった。
政府がまとめた見直し中間案では、容器メーカーと比べた小売り側の負担比率に不公平感が強いなどが理由。
すでに支払いを見合わせているイオンやダイエー、ライフコーポレーションに加え、東急ストアや西友、カスミなど大手6社が7月末に予定された2回目の委託料支払い見送りを表明した。検討中の平和堂、イズミヤも含めると、留保する11社の分担額は約28億円に上り、事業者に今年度割り当てられた約400億円の7%に達する。
日本経済新聞より
2005年07月18日
食器を回収・リサイクル(らでぃっしゅぼーや)
有機野菜などを宅配している、らでぃっしゅぼーや(東京都港区)は、資源循環型の再生食器「Re―食器」を約7万世帯の会員に向けて販売、商品を購入した会員宅から不要になった食器を無料で回収し、再び食器の原料としてリサイクルする取り組みを開始した。
美濃焼産地の食器製造・流通に関わる企業有志と地元の研究機関などからなる「グリーンらいふ21プロジェクト」(GL21、岐阜県多治見市)と連携し、スタートした。
「Re―食器」は、20%リサイクル原料を利用したもの。エコマークの認定を受けている。
リサイクル工程は「Re―食器」を販売した際、会員宅に回収チケットを配布。チケットと引き換えに会員宅の不要な陶磁器の食器を注文品の段ボール箱で帰り便で回収。同社の配送センターに一時集積し、GL21の原料製造メーカーに移送する。メーカーでは回収した食器を粉砕後、粘土などと混合して原料の陶土を製造する。製陶メーカーでは、素焼き・焼成などを通して「Re―食器」となり、再び同社の配送センターに納品する仕組み。
同社では、回収量を年間10~20㌧と見込んでいる。初年度売上1,000万円、将来的には1億円を目指す。
今後、瀬戸焼の愛知県陶磁器工業組合による再生食器「Re―瀬ッ戸」や有田焼の大有田焼振興協同組合による再生食器「エコポーリセン」などをはじめ、全国の窯元に食器リサイクルへの取り組みを呼びかけ、販売していく方針。
循環経済新聞より
2005年07月15日
リサイクル粘土でMyマグカップ(グリーンライフ21プロジェクト)
不用になった陶磁器製の食器をリサイクルした粘土で新たに食器を作る体験イベントが30日、滋賀県草津市の中部近鉄百貨店草津店で開かれ、市内の小学生らがマグカップを作った。
不用な陶磁器を細かく破砕し、土などと混ぜて再び食器を作る技術は、岐阜県多治見市の県セラミックス技術研究所や企業、研究機関などでつくる「グリーンライフ21プロジェクト」が開発した。地球環境問題の解決に貢献する100件の技術を選ぶ「愛・地球賞」も受賞している。
今回は、リサイクルについて深く知ってもらおうと、同プロジェクトに参加している草津市の清掃会社「大五産業」と、同百貨店が企画した。
会場では、子どもたちが、リサイクル粘土を成形し、自分の名前を入れたり、模様を描いたりして、オリジナルのマグカップを作った。メーカーが売り物にならないと判断し、通常なら廃棄する食器に絵付けをするコーナーもあり、参加者は陶磁器のリサイクルについて理解を深めていた
京都新聞より
スチール缶再利用率、昨年は0.4ポイント低下
スチール缶リサイクル協会は14日、2004年のスチール缶のリサイクル率が87.1%だったと発表した。2003年に比べ0.4ポイント下がった。
スクラップしたスチール缶が別の鉄くずに混じり、リサイクルルートから外れたためと推測している。
ペットボトルに押されスチール缶の消費量は、前年比0.3%減の908,397㌧だった。リサイクル量は791,298㌧で、同0.7%減ったが、98年以降、リサイクル率は8割以上を維持している。
協会が全国の自治体に調査したところ、スクラップしたスチール缶の平均価格は1㌧あたり11,057円で、2004年に比べ41%高い。原料価格高騰が背景にある。
同日会見した協会理事長の宗岡正二新日鉄副社長は容リ法の見直しについて、「事業者に(自治体の分別収集費用の)分担を求める前に、もっと議論すべきことはある」と述べた。だが、宗岡理事長はスチール缶の回収費用が最大で千倍の開きがあることをあげ、リサイクル費用の削減などにまずは注力するべきだとの考えを示した。
日経産業新聞より
2005年07月12日
子供服の「おさがり」リサイクルサービス(サイバーエージェント)
サイバーエージェント(道玄坂1)は7月11日、子育て応援サービス「こそだてママ・マーケット」を開設した。
同サービスでは、子供の成長により着ることのできなくなった子供服を「おさがり」として出品することで、サイトに掲載されているすべてのリサイクル子供服の中から好きなものと自由に交換することができるコミュニティ型リサイクルサービス。
不要になった子供服の出品1点ごとに「おさがりポイント」1ポイントを獲得し、2ポイント毎に、サイトに掲載されている全商品の中から好きな商品を1点選んで手に入れることができる仕組み。取扱商品は、アイテム、サイズ、ブランドを限定し、商品管理センターで1点ごとに検品を行う。
「こそだてママ・マーケット」は、同社の社内新規事業プランコンテスト「ジギョつく」の第2回優勝プランで、現在子育て中の起案者自身のニーズとして生まれた。優勝から約半年の準備期間を経て、新規事業としてサービス開始にこぎつけた。
シブヤ経済新聞より
【横浜市】「よこはま打ち水大作戦」
横浜市環境創造局は、11日、省エネルギー行動「夏は夏らしく過ごそう!2005」の取り組みの一環として、夏を涼しく過ごす日本人の知恵である「打ち水」の実施を広く呼びかけると共に、取り組みの支援等を実施することを発表した。
「暑いよこはまをみんなで冷やそう! COOL よこはま2005 ~よこはま打ち水大作戦~」と題したこの呼びかけは、8月10~31日までを取組期間とし、家庭の風呂水やわき水、再生水、地下水、プール水等などを使用した打ち水を呼びかけるもの。特設ホームページから参加登録を受け付けるほか、登録団体等に、市内水再生センター2カ所で再生水を無償配布する。
問い合わせは、横浜市環境創造局総合企画部温暖化対策課(TEL 045-671-4109)まで。
ヨコハマ経済新聞より
2005年07月10日
容リ法改正問題③これからは・・・
負担増の動きに対し、企業は自治体のコスト構造が不透明だとして反発しています。
環境省によればペットボトル1㌔㌘を集めるコストは最も高い自治体の場合1,365円、最も安い0.1円と大きな開きがあります。
企業側は自治体のコスト構造や委託料の使われ方などの情報開示を進め、経費が膨らむのを防ぐ必要があると主張しています。レジ袋の有料化方針についてはスーパーも賛成していますが、実効を高めるために新ルールを法律にするか、業界の自主規制にするかなどの詳細は固まっていません。
容リ法改正問題③これからは・・・
負担増の動きに対し、企業は自治体のコスト構造が不透明だとして反発しています。環境省によればペットボトル1㌔㌘を集めるコストは最も高い自治体の場合1,365円、最も安い0.1円と大きな開きがあります。
企業側は自治体のコスト構造や委託料の使われ方などの情報開示を進め、経費が膨らむのを防ぐ必要があると主張しています。レジ袋の有料化方針についてはスーパーも賛成していますが、実効を高めるために新ルールを法律にするか、業界の自主規制にするかなどの詳細は固まっていません。
今後は一般意見の募集を経て今年秋に議論を集約、最終案がまとまる予定です。政府は負担増を求める姿勢は変えないとみられ、情報開示などで、企業が納得する仕組みを提案できるかが焦点です。改正法案は2006年の国会提出、2007年度施行が目標です。
消費者にとっては、レジ袋の有料化に加え、委託料引き上げがモノの値段に転嫁されれば支払うお金は増えます。安易に補助金を増やせば自治体のコスト削減も進まないでしょう。今後も幅広い議論が必要だといえます。
日本経済新聞より
2005年07月09日
容リ法改正問題②どうして?
同法改正で政府が企業や消費者に一層の負担を求めようとしているのは、自治体のゴミ収集業務の負担が重くなっているためです。
過去8年でリサイクルの仕組みは起動に乗ったといえます。ゴミの総量のうちリサイクルされたゴミの比率は2002年度で約16%まで上昇し、逆に処分場に埋めるゴミの量は減少しています。
ただ結果として、地方自治体が分別収集して業者に処理を委託する包装容器の量は増え続けています。リサイクルの対象が当初のペットボトルや瓶、缶のみから2000年に食品トレー、段ボール、牛乳パックなど10種類に拡大されたことも処理負担の増加につながています。
環境省によれば日本の自治体は総計で年3,000億円の分別収集コストを負担しており、財政難の自治体から不満も出始めています。
政府では法改正が実現すれば、企業から集めるお金の総額は現在の400億円から最大で1,300億円へと大幅に増えると見込んでいます。企業から集める新たな資金は市町村の分別収集業務の補助に当てる考えです。
負担額の副次的効果として企業が包装を簡略化したり、消費者がレジ袋の使用を控えることなどでリサイクルすべきゴミの総量も減らせると期待しています。
日本経済新聞より
2005年07月08日
容リ法改正問題①そもそもは…
容器包装リサイクル法の正式名称は「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律」で、1995年6月に交付されました。
日本で年間5,000万㌧以上発生する家庭ゴミの6割(容積比)を占める包装容器のリサイクルを進め、ゴミを減らすのが目的です。
容リ法によるリサイクルは1997年4月に始まり、市町村がゴミを分別収集して再資源化できるものを専門の業者に委託しています。
この法律は、飲料メーカーやスーパーなどのうち従業員50人以上の企業に、包装の使用や製造量に応じたリサイクル費用(委託料)を財団法人の日本容器包装リサイクル協会に払うように定めています。額は容器の重量により異なり、例えばペットボトルメーカーは1㌧当たり約1,500円を払います。同協会は集めた委託料を業者に支払い、リサイクルのシステムを支えています。
容リ法はもともと施工から10年で見直すことが決まっており、中央環境審議会(環境省の諮問機関)と産業構造審議会(経産省の諮問機関)などが施工後の実情をもとに見直すべき範囲を検討してきました。
6月までの審議で、各企業が同協会だけでなく自治体にも分別費用を支払うこと、プラスチックゴミの1割を占めるレジ袋を有料化することなど新たな方針を決め、注目を集めています。
日本経済新聞より
ビール工場で環境教室(キリンビール)
キリンビールは7/21の横浜工場を皮切りに、2ヵ月にわたり、全国のビール工場で小学生と保護者らを対象にした「夏休み環境教室」を開催する。
環境の視点からビールや発泡酒などの製造工程を見学する「エコブルワリーツアー」や、クイズ、工作、ゲームを実施する。
身の回りの環境について考えるきっかけにしてもらう。
全11工場で約1,200人の参加を見込んでいる。
問い合わせはお客様センター(0120-111-560)
日経産業新聞より
2005年07月07日
アルカリ性土壌を緑化に活用(大林組・東京ガス)
大林組と東京ガスは、アルカリ性の強い建設発生土を中和して緑化用土壌に改良する技術を開発した。
中和剤や肥料など土壌に混ぜ、天然雨を利用して短期間でアルカリ性物質を除去する。
特殊な薬剤は使用せず、環境への負荷はないという。
2003年10月に完成した東京ガスの地下液化天然ガスタンク(横浜市)の地上緑化工事に採用し有効性を確認した。
臨海部の建設工事では海水の影響でナトリウムイオンなど高アルカリ性物質を含む土壌が排出される。緑化するには良質土を購入して土壌改良する必要があった。新技術では、こうした方法に比べ約20%コスト削減できるという。
日経産業新聞より
2005年07月06日
【経産省】核のごみリサイクル材に
改正原子炉等規制法が今国会で成立し、原発の解体で出る放射性廃棄物のうち、放射線レベルが一定値以下の金属、またはコンクリートを一般の産業廃棄物や資源ごみと同様に扱うことが決まった。
将来的には一般道路舗装材や建築材としてリサイクルする。
しかし低レベルとはいえ一度は放射線に汚染されたもの。安全性に問題はないのか。
老朽化が進む日本の原発は2010年以降、廃炉・解体ラッシュが見込まれている。
法改正は電力業界の強い要望をうけた経済産業省が提案した。
原子力安全・保安員の伊藤洋一・放射線廃棄物規制課長は「運転中の原発53基が次々に廃炉となり、膨大な放射性廃棄物がでると、貯蔵施設がすぐに満杯となってしまう」と理由を語る。
例えば、すでに解体処理中の日本原子力発電東海発電所(茨城県東海村)の場合、約63,000㌧の放射性廃棄物がでるが、今回の法改正により、7割近い約42,000㌧は産廃および資源ごみとなる。
また、110万㌔㍗級の沸騰水型軽水炉を解体した場合、約41,000㌧の放射性廃棄物が生まれ、うち約28,000㌧が対象だ。いかに大量の放射性廃棄物が、産廃および資源ごみとなるかが分かる。
毎日新聞より
2005年07月04日
【環境省】エココミュニティ事業を募集
環境省は、2005年度循環型社会形成実証事業(エコ・コミュニティ事業)を募集する。
NGO・NPOなどの民間団体や地方公共団体などと連携して行う3Rやグリーン購入などの循環型社会形成に向けたものであって、先駆的で他の地域に適用可能な一般性を有するモデル事業が対象。募集期間は7/22まで。
優れたモデル事業については、立ち上げや試行に必要な経費を負担する。
実証事業の金額は、1事業あたり概ね100~1,000万円程度で、具体的な金額は事業計画を精査して決める。
応募などの問い合わせは、環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部企画課循環型社会推進室(電話03-3581-3351(内線6819)電子メールJUNKAN@env.go.jp)まで。
循環経済新聞より
2005年07月01日
とうもろこしのコップ採用(ホールネットワーク)
ソニーグループで貸ホール業のホールネットワークは、環境に配慮した飲料用容器を採用する。
7/24から同社の運営する「Zepp」を利用する坂本龍一さんの全国ツアーで使用開始。環境問題に関心の高いアーティストも多いことから、特徴付けのひとつとしてアピールする。
新しい飲料用容器はトウモロコシのでんぷんを原料としており、回収して再生できるほか、土中に埋めれば大半が水と二酸化炭素に分解されるという。
ただ通常のプラスチックの容器よりも製造コストがかかるため、1個30円と従来品の3倍の仕入コストとなる。
貸ホール業界では、経営が悪化した地方自治体の官営ホールが低価格化を打ち出すなどの動きもあり、競争が激化している。
「Zepp」は音響や照明設備だけでなく、環境にも配慮したホールであることを売りものにしていく方針。昨年からは風力発電所と契約し、クリーンエネルギーを利用したホール運営を始めている。
日経流通新聞より